2012年1月24日

とうとう来るのか

今後4年間にマグニチュード7規模の首都直下型地震が起る可能性が70%というニュースが先日ありました。驚いて、群馬に住んでいて逗子にも度々訪れる妹にメールを送ったら、早速電話が来て「最近、鎌倉でも津波被害予想の見直しがあったみたいだし、近々来る事はみんな分かってるから、それに備えて急いでるんじゃないの?」と教えてくれました。

南関東で生まれ育った者としては、子供の頃から近々大地震が来ると言われ続け、学校でも防災訓練を繰り返し、祖母は生前に食料や燃料の備蓄を行っていたのを憶えているので、いまさら4年以内に地震が…と言われても、それがとりわけショッキングなニュースではないのは分かります。ただ、一昨年の夏に息子を逗子小学校に体験入学させた際、学校側から必ず揃えて下さいと言われた物の中に防災ずきんがあったので、近づいているんだなと内心思った事も事実です。

妹から聞いた鎌倉の津波被害予想の見直しというのが気になったので、ネットで調べてみました。どうやら、元は昨年の末に、神奈川県から沿岸市町村を対象に通達された新たな神奈川県津波浸水予測図にあるようで、地震のタイプによって、津波の被害程度も大きく異なるため、最悪の場合に備えようという事らしいのです。

特に、鎌倉の津波被害が酷くなると予想される元禄型地震では、二の鳥居まで浸水する可能性があるそうで、鎌倉ではその後津波対策を早急に進めているらしいと妹は言っていました。ネットでも非難ルートマップ等を見つける事ができました。

それでは、実家のある隣の逗子はどうなんだろうと思い、ネットで探しても古い情報しか見当たらず、逗子市のサイトでも県から通達された新たな津波予測図に関しては何も触れられていません。新たな神奈川県津波浸水予測図を見ると、元禄型地震が起った際にはJR逗子駅さえも一部浸水するようなので、気がかりになって来ました。おそらく、逗子も最悪の場合に備えた準備を進めているとは思うのですが、遠くから見ているとなんだかのんびりしているように思えます。大丈夫なんでしょうか。

日本語のウィキの南関東直下型地震のページには、「世界最大の再保険会社であるミュンヘン再保険が2002年に発表した、大規模地震が起きた場合の経済的影響度を含めた世界主要都市の自然災害の危険度ランキングでは、東京・横浜が710ポイントと1位で、167ポイントで2位のサンフランシスコと大差がつき、首都圏での震災を含めた災害リスクの高さが表れている。」とあります。

東北地震の例を見ても分かるのですが、被災地は外からの援助に大きく頼らなければなりません。もしも東京や横浜が大きく被災してしまった場合には、一体どこから援助が来るのでしょうか。9/11のテロの時に、ニューヨーク市の真新しい緊急指令センターが入ったビルは、ワールドトレードセンターの二つのタワーと共に崩壊してしまいました。最新の設備を導入し、爆弾トラックが突っ込まないようにバンカーを巡らした、ジュリアーニ市長自慢の緊急指令センターだったのですが、碌に役をしないうちに消えてしまいました。

東京首都圏の人口は、ニューヨーク市の人口とは比べ物にならない程多いはずです。首都が壊滅するような事態になっても、最低限の被災者救助/援助機能を果たせるようなシステムは、今のうちに作っておいて欲しいと思います。



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2012年1月23日

クーグル (Kugel)

しばらくブログをお休みしていました。

アメリカではリベラルであるという事が忌み嫌われるようになってから久しいのですが、私は今でも自分が多方面に関してリベラルな考え方を持っていると思っています。

食の面においても、様々な国の料理を積極的に試すタイプで、私のような人間には、ニューヨークは素晴らしい所です。マンハッタンに行けば、有名シェフが経営する一流のレストランで食事が出来る一方、クイーンズには各国の移民が集う本格的でしかも安価なレストランが沢山あります。

私の住んでいるアストリアと呼ばれる地域には、ギリシャ系、インド系、南米系、東ヨーロッパ系、中東系の移民が入り交じっている為に、近所のスーパーに行けば、各国から輸入されたかなり本格的な食材が手頃な値段で手に入ります。

子どもが出来て、外食をする事が困難になってからは(子どもは食べ物の嗜好も大人と異なるし、レストランでじっと座っていられないので、子どもと外食するとどんなに美味しい物を食べても味わう事すらできません。)殆ど家で食事をするようになりました。和食を作ることもありますが、外国で和食を食べ続ける事にこだわると出費が膨らむので、その時に家にある物を使って色々な物を作ります。

今日はクーグルというユダヤ料理を作りました。ユダヤ料理は基本的には家庭料理で、レストランで食べるような洗練されたものは殆どないので、夫の親戚に宗教的な祝日の際に呼ばれた時に初めて食べました。ユダヤ人は世界中に散らばっている為に、どこ出身のユダヤ人かによって料理の種類もかなり違って来るようなのですが、比較的人気の高いものの一つにクーグル (kugel)というのがあります(左の写真)。

大まかに説明すると、リボン状のヒラヒラした麺類に乳製品と卵を混ぜた物を器に入れてオーブンで焼くという料理なのですが、どういうわけかこのクーグルは砂糖で味付けされて甘いときと、グラタンのような味の時と2種類あるのです。しかも、見た目は全く同じなので、食べてみるまでどんな味のクーグルなのか分からないのです。そして更に困った事に、どちらのクーグルも食事の一部として供されるのです。

私は様々な食事にチャレンジした結果、いまではおかずに果物が入っていてもさほど驚かなくなりました。ピザや酢豚にパイナップルを使うのは今でも抵抗があるものの、サラダにパパイヤ、Brisket(ユダヤ風の牛の煮込み)に乾燥プルーンや杏が入っていても驚きません。それでも、きんとんや煮豆など、基本的に甘い物を食事の一部として受入れる事は、まだまだできません。

甘いクーグルをおかずの一部として初めて出された時には、本当に困惑してしまいました。これは、一体デザートなのだろうか、それとも食事の一部なのだろうか。何故おかずなのに甘いのだろう、と色々と不思議に思ったので、後ほど夫に質問してみたところ、やはりユダヤ人でも甘いクーグルをおかずの一部として食べる事に抵抗のある人はいるようで、他の物を全て食べ終わった後にクーグルを食べるというのは珍しくないそうです。


私が今日作ったクーグルは、コッテージチーズ、サワークリーム、グリュイエールチーズが入っていて、甘くありません。



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2011年11月27日

人間の躾、動物の躾

私が中学生だった頃は、教師が生徒に体罰を加えるのが珍しくありませんでした。戸塚ヨットスクールの死亡事故も起きる前だったし、体罰も躾のうちという風潮がまだまだ強かった時代です。私の通った久木中学校が特に荒れていたというわけではなかったと思います。普通の公立中学で、生徒の学力の差も大きかったし、親の経済力の差も大きかったと思うので、どちらかと言えば様々な生徒がいる層の厚い学校だったと思います。

私の家庭はと言えば、子供の教育に熱心だったわけでもないのですが、親が子供を叩いてしつけるという環境でもありませんでした。まだまだ和気あいあいとした雰囲気の残る小学校では体罰の類は普通はないので、中学に入った途端、竹刀を持ち歩き、体罰を加える体育教師を目にして、妙に大人になったような気がしたものです。

最近、友人が親戚の家を尋ねた時に、その家の子供達は体罰で言う事を聞く習慣が付いているので、友人が言葉で注意しても全然言う事を聞かないという事を言っていました。アメリカの学校では決して体罰を加える事はないので(体罰は傷害事件として扱われるため)子供達は先生の言う事も聞かないそうです。

私は犬を飼った事がないのですが、テレビを見ていた時に犬をしつけるエキスパートという人が出ていました。オプラの友人で Dog Wisperer と言われている人です。素行が悪い大型犬の躾のポイントは、犬に飼い主がボスである事を知らしめ、服従させるという所にあるそうです。犬には論理が通じないので、基本的には体罰で憶えさせます。それゆえ、飼い主の弱みや優柔不断な態度は決して犬に見せてはならないのだそうです。それが自然界に於ける動物集団の法則なのだそうです。もしも、犬が飼い主や飼い主の家族や友人に噛み付いた場合には、もう危険なので安楽死させるそうです。

様々な大型のペットに襲撃された悲惨な事件は、たびたびニュースになります。飼い主と大型ペットの主従関係は、飼い主の力が絶対的な間はうまく行っても、飼い主が老化したり病気になり、力のバランスが微妙になった時に、ペットが今までのボスを抹殺して自分がボスになろうとするようです。

人間の子供の体罰も犬の躾と似通った理論なのだろうと思います。子供は体罰を恐れて言う事を聞くだろうし、手っ取り早い事もあると思います。ただ、人間の世界は動物の世界よりもずっと複雑です。必ずしも体力的に優れたものが頂点に立つわけでもなければ、頭の良いものが頂点に立つわけでもありません。職業も細分化されている為に、様々なプロフェッショナルが存在し、それぞれの個人の興味や特色を生かした職業に就く事ができれば、社会に貢献できるし、集団のトップに立つ事はなくても、十分に満たされた一生を送る事ができます。このような複雑な社会構造は決して体罰で教える事ができません。

子育ては、自分がやってみて初めて分かったのですが、迷路のようです。明らかに才能があると思われる私の息子は、強い学習障害があるために、未だにその潜在的な能力を発揮できずにいます。息子との日々の戦いに疲れ果て、夫が苛立ちを募らせた結果、息子のお尻を叩いた事もあります。おそらく、あの時が最悪だったと思います。息子は更に反抗し、萎縮し、劣等感を募らせて行きました。

それから少しずつ、親も勉強し、学校との協力体制も整い始め、ようやく今まで失った分をこれから取り返そうとしている所です。このような方向転換が出来たのも、洞察力に優れた息子の担任と、息子の才能を決して疑う事のない夫の強い信念に依るところが大きいと思います。

子どもは個性を持って産まれて来ます。子どもの教育や躾は、それぞれの子どもに合わせて行われるべきで、枠からはみ出してしまった子どもを体罰で矯正しようというのは、子どもの個性を理解しようとせず、物事を手っ取り早く単純に片付けたい親や教育者の怠慢だと思います。自分の感情や状況を上手に言葉で表現する事のできない子どもを理解するのは至難の技ですが、それを行う価値は十分すぎる程にあります。



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2011年11月26日

ブラック・フライデー

今年のブラックフライデーは、ウォールマートに始まりウォールマートに終わったという感があります。昨日はウォールマートの広告に拳銃とライフルが載っていたと思い驚いていたら、今日のニュースでは9件のウォールマートでブラックフライデーにまつわる傷害事件が起きたと報道されていました。

LAでは、いち早く目玉商品のXboxを獲得しようとした女性買い物客が他の買い物客に向かって唐辛子スプレーを吹き付けたそうです。他のウォールマートでは、商品争奪戦にスタンガンを使った客、買い物が終わって帰路についた客を襲った強盗もあったそうです。どれも数ドルから十数ドルほどの値下げにまつわる事件で、しかも全てがウォールマートで起っているのだから凄いです。

ニューヨーク市には、ターゲットやKマートはあるのに、ウォールマートはありません。私の記憶が正しければ、何度かウォールマートがニューヨーク市に店舗をオープンしようとした事はあったと思いますが、いずれの時も反対運動が起きて実現しませんでした。ウォールマートは、正社員を採用せず、最低賃金のパートを使い、医療保険等も一切支給しないので有名です。そのような雇用システムに疑問を持つ人がニューヨーク市には沢山いるのです。

私はネットでショッピングをする事が多いのですが、品物検索をすると稀にウォールマートの商品が引っかかって来る事があります。確かに、品質は少々劣るかも知れませんが、値段は安いです。同じ商品が他よりも安く売っているのを見ると、私もウォールマートから物を買おうかどうか迷う事があります。それでも、未だにウォールマートからは一度も買物をした事がないのは、やはり会社の経営方針に嫌悪感を感じるからです。ウォールマートで買い物して、ウォールマートで働くと、さらに貧乏になって行くという因果関係があります。

ウォールマートは、創設者の遺族が株の多くを今でも所有している珍しい会社でもあります。創始者の遺族は、まさにアメリカの1%の裕福層に属する人々で、ついこの前も創始者の娘が新しく美術館を創設したというニュースを見ました。今が第二の Guilded Age と呼ばれる所以です。



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2011年11月25日

サンクスギビング

今年も夫の親戚の家にサンクスギビングディナーをお呼ばれして来ました。ディナーと言っても、1時頃に食べたので実質はランチでしたが。夫の親戚の人々は、食事の後に別のサンクスギビングディナーにそれぞれ散って行きました。多くのアメリカ人は、夫の家族と妻の両方の親戚に呼ばれており、両方に義理を立てる為にサンクスギビングディナーのハシゴをする場合が少なくないようです。

何はともあれ、他人様が心を込めて料理してくれた豪華な食事をいただけるのは、有り難い限りです。七面鳥もスタッフィングもコーンブレッドも全て美味しかったです。ごちそうさまでした。

先日テレビで見たのですが、ここ数年アメリカでは七面鳥を丸ごと油で揚げるというというとんでもない調理方法が注目を浴びているようです。しかも、何を考えているのか、凍ったままの七面鳥を解凍せずに煮えたぎる油に投入する人もいるようで、火災の原因にもなっているらしいのです。油で揚げた七面鳥、あまり美味しそうではありませんね。

サンクスギビングは11月の最終木曜日と決まっているのですが、その次の金曜日は、殆どの会社や学校が休日にしています。そしてその金曜日は、ブラック・フライデーとよばれるクリスマス商戦の開幕日でもあります。殆どのデパートや商店は、通常価格から値段をぐっと引き下げ、目玉商品を用意します。

今年は、経済的にもキツいので、特別に物を買う予定もないのですが、興味本位でどんな物がセールになっているのか見てみたら、ウォール・マートでピストルが$20、ライフルが$275というのを見て、仰天しました。結局、ピストルはBBガンのピストル、ライフルは狩猟用の物だったようで、胸をなで下ろしましたが、私のような素人が見ただけではオモチャか本物か全く分からないのは恐ろしいと思いました。



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2011年11月24日

最近の食べ物ログ

Chicken Tikka Masala and Mooli Lachha
タンドーリチキンを作るつもりで、ヨーグルトのタレに前日から鶏肉を漬けておいたのですが、いきなり夫が「夕方にミーティングがある」と言い出し、二晩も鶏肉をタレに漬けっぱなしにしておくと酸っぱくなるかなと思い、焼いてしまいました。でも、次の日にただ暖めて食べるのもちょっと寂しいと思ったので、チキン・ティカ・マサラにしました。その上のは、塩をふって5分位してから水を絞った大根の千切り、水切りしたトマトの角切りカンヅメ(新鮮な完熟トマトがあれば更に良し)に細かく切った生姜と唐辛子少々、ライムジュースを混ぜた簡単なサラダです。緑色に見えるのは、香菜です。日本の千切り器は大根も人参も綺麗に素早く千切りに出来るのでとても重宝しています。




インド風の料理は、ネットで見つけたレシピを見ないと作れませんが、左の写真のようなサラダは冷蔵庫にある物を組み合わせて適当に作ります。この前のブログに載せたサラダと同様の素材ですが、これには、細かく切った人参、スライスした蕪、水菜、フェタチーズ、それにキノアという穀物が入ってます。小さい粒のように見えるのがキノアで、ウィキによるとアンデス地方原産だそうですが、日本でも手に入るようですね。知りませんでした。

キノアは、水やスープストックで煮ると、15分ぐらいで出来上がります。1カップのキノアを煮ると、3〜5倍ぐらいに増えるので、一回では使い切れません。残りは冷蔵庫に入れて保存しておきます。次にサラダを作る時に入れても良いし、上の写真のように、人参、葉もの、蕪などを細かく切ったものとキノアを油とニンニクで炒めて塩をふるだけで、結構美味しいピラフのようなものが出来上がります。根菜の使い道にも適しているし、サラダと異なり暖かいので、冬場の軽食に丁度良いと思います。ただ、本当に軽いので、2〜3時間でお腹が空いて来ます。

左の写真は、モロッコ風のレンズ豆とひよこ豆のシチューみたいなものです。レシピにターメリック13ティースプーン、シナモン13ティースプーンと書いてあったので、さすがに怖じ気づきました。何かの間違いかもしれないと思って、最初は半量のスパイスしか入れなかったのですが、やはりそれではパンチが足りないようで、結局は10ティースプーンぐらいは入れたと思います。

夫と息子が文句を言うかもしれないと思い、おそるおそる食卓に載せたのですが、ふたりとも美味しいと言って食べてくれました。でも、大量のスパイスを投入した事は、秘密にしてあります。

これは、本来はベジタリアンレシピなのですが、写真では前日の余り物のローストチキンを乗っけてあります。

右の写真は、黒いラディッシュです。ラディッシュというよりも、丁度蕪の外側が真っ黒に焦げたように見えます。CSAで配布になったものなのですが、ネットで調べたら、咳を鎮静する効果があるという事で、試してみました。真ん中をくり抜いて、そこにハチミツを垂らしてしばらく置いておくと、野菜の汁が出て来てハチミツと混ざりあいます。それを飲むと咳を抑える効果があるのだそうです。丁度風邪をひいている息子に試したら、一口舐めただけで嫌だと言って飲んでくれませんでした。



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2011年11月18日

CSAの配布



私は、元々肉が好きなタイプでした。野菜は、生でも煮ても炒めても蒸してもあまり美味しいとは思わないけれど、お務めのように食べていました。だからと言って、お菓子やジャンクフードが好きだったわけではなく、どちらかと言えば食事がすきなのです。

今年の春から近所のCSA (Community Supported Agriculture の略)に加入しました。日本では提携というのだとウィキに書いてありましたが、コープとは全く異なります。近郊にある農場と季節ごとの契約を結び料金を先払いするので、農場とすれば野菜を育てる前から引き取り人が決まっているので、安定した農場経営が可能になります。消費者の立場から見れば、野菜の種類は選べませんが、新鮮な旬の野菜が毎週手に入る事になります。天候が良く豊作ならば、沢山のゴージャスな野菜が配布されますが、悪天候が続けば、野菜の量や質は落ちてしまうというリスクはあります。CSAが必ずしも有機農法を行っている農場と契約しているわけではないと思いますが、CSA契約を行っている農場は有機農法を行っている所が多いようです。

何故CSAに興味を持ったのかと言えば、Supersize Me というドキュメンタリーの映画を見た事がきっかけです。私の大好きな Mark Bitmann というニューヨークタイムスの食品評論家もCSAに関して度々紙面に書いています。どのような内容に危機を感じたかに関しては、あえてここでは書かないので、興味のある方は調べてみて下さい。

近所でCSAはないかと探してみたら、私の住むアパートのはす向かいの教会で集荷と配布を行っている事が分かったので、最初は夫に内緒で加入しました。ここ数年、私の家庭は経済的に厳しいので、22週間の野菜に350ドルを支払う事に対してかなりの抵抗があり、言えば夫は絶対に反対すると思ったからです。計算すると、一日約2ドルを野菜に費やす事になります。オーガニックなので安いと言えば安いのですが、普通に生活していて一週間に14ドルも野菜を買う人は少ないと思います。残念ながら、最低限の生活をしている家庭では、野菜は贅沢品の部類に入ってしまうのです。

興味半分、半信半疑で始めたCSAですが、配布された野菜は、新鮮だからかそれともオーガニックだからか、とてもおいしく、夫も私も完全に癖になりました。野菜には本来味があって美味しいものなのだと分かると、食生活も自然と野菜中心になって来ました。気がついてみると、野菜は満腹になるまで食べても、肉類を食べたときのような胃もたれ感がないのです。

誠に素晴らしいCSAで、多くの人が野菜本来の美味しさを知れば、ジャンクフードや過剰に加工された食品の消費も少なくなり、生活病や成人病も減ると思うのですが、大きな問題があります。他の国ではどうなのか分かりませんが、少なくともアメリカでは、健康的な食生活を送るためには、少なからずお金がかかるのです。どういうわけか、過度に加工された、いかにも体に悪い食品のほうが、そのままの野菜や肉類を買うよりも安いのです。

CSAに加入している人々は、高学歴で30代までの若くて自由業っぽい人が殆どです。ある程度金銭的な余裕があり、独身で健康に気を遣っているためか、太っている人は皆無、ベジタリアンの比率も多いと思います。でも、本当の意味で sustainability という事を考え、地域での食品の自給率を上げ、糖尿病などの生活病を少なくする事を目標とするならば、新鮮な野菜やオーガニックの食品は収入の低い人々ににこそ容易に手が届くようでなければならないはずです。

幸い多くのCSAは、近郊の農場から野菜等を買う事によって、周辺の環境を自分達で変えて行こうというモラルに基づいて活動しているので、より多くの人びとに野菜や肉等を購入してもらう為に、低所得者の枠がある所が多いようです。NYCHAのハウジング・プロジェクトがある周辺のCSAでは、フードスタンプから毎月直接費用を引き下ろせるシステムもできているようです。

以外と遠いようで近いCSA。今はインターネットという便利なものがあるので、こういう類のものも簡単に見つける事ができるようになりました。そして、さっきメールで連絡が来たのですが、今年の冬から来年の春にかけてもCSAの配布を受ける事になりました。何が来るのか今から楽しみにしています。



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