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2012年10月2日

中高齢者の若返り整形

最近アメリカのテレビを見ていると、芸能関係者ではなく、解説者や弁護士、医者という比較的社会的地位の高い専門の職業に就いている中高齢の女性が異様なまでの若返り整形をしているのが目につきます。

初めてこの現象に気がついたのは、数年前にとある医師が行った血圧に関するワークショップに行った時でした。彼女は経歴からすると、かなりのベテランのはずですが、顔にシワがなく、最初は20代後半か30代前半ぐらいに見えました。でも、喋っている顔に表情が無いし、長いストレートの髪もどうも嘘くさいのです。声のトーンも弱くて一定ではなく、歩き方も少し前屈みで弱々しく、ペンを持つ手も小刻みに震えていて、半袖から出ている腕は70代ぐらいに見えました。

プレゼンテーションの内容はすっかり忘れてしまいましたが、一体その女性は何歳だったんだろうという余計な疑問は今でも心に鮮明に残っています。

以前会社で働いていた時に、何人かの面接を行った事があります。そのうちの一人のブラジャーの端がシャツの首の部分から少しはみ出ていたのですが、その時もそればかりが気になって、その候補者がどんなポートフォリオを持って来たかなどは全く記憶に残りませんでした。

プロフェッショナルとして、顔や服装が話の内容よりも目立ってしまうのは明らかに失敗です。

男性の場合は、後退する生え際が気になるようで、テレビに出ている人の髪の毛がカツラか植毛か、夫はしばしば私にどう思うか聞いて来ます。

私は整形に反対というわけではありません。自分自身もも40才を過ぎた頃から、まだ気持ちとしては30代前半ぐらいなのに、肉体だけが勝手に衰えて行くような妙な感覚を憶え始めました。鏡を見ると、自分が思っている自分のイメージよりも老化した自分がいるのです。

若返りたいという率直な気持ちよりも、毎日運動で体を鍛えて体型を維持し、競争の激しい社会のトップとして活躍する人びとは、老化がイメージダウンに繋がると判断するのだろうと思います。テレビのように視覚的なメディアには、若くて見た目も良くて才能も溢れる人材が次々と出て来ます。立派なキャリアがあっても見た目が老化して来ると焦ってしまう気持ちは十分に理解できます。

それでもやはり、既に40代に入っているはずの白人女性の目尻が極端に上がっていたりすると、どうしても不自然に見えるし、その努力が痛々しいとも思ってしまいます。上手に老化して行くというのは結構難しいものなのです。



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2012年8月29日

アメリカの刺青人口


以前から、アメリカ人は日本人よりもカジュアルに刺青を入れる傾向があったと思うのですが、最近はそれが更に加速してニューヨークにいる人の1/3に刺青が入っているのではないかと思うくらいに刺青の人ばかり巷でみかけます。首の後ろに入った漢字の刺青、腕にバンド状に入っている刺青、ジーンズとシャツの間からチラッと見える背中の下の方に入った刺青、シャツかと思うくらいにみっしりと腕から肩にかけて掘られた色鮮やかな刺青、手の甲に入った刺青など、実に様々です。

今回のロンドンオリンピックでも、刺青の入った選手が結構目につきました。日本のヤクザみたいな体中に広がる倶利伽羅紋紋やエセ観音様もたまにみかけますが、殆どが腕や肩、足首にちょこっと入っているようなワンポイントの西洋風の刺青です。女子ビーチバレーの選手は、確か腰にも刺青が入ってました。それに関して解説者があれこれ言う事もなかったので、アメリカ社会に於いて刺青はかなり市民権を得ているように思いました。

そして刺青の色や柄にも流行があるようで、昔ながらのハートやバラは最近姿をひそめ、その代わりに上の写真のようなどこかの部族が入れてるような文様を最近は多くみかけます。色も墨色一色で渋く行くか、そうでなければ様々な色を沢山使ったとてもカラフルなシャツのようにするのが人気のようです。勿論、謎の漢字を使った刺青も時々見ます。

一体、どのくらいの人が刺青を入れているんだろうと不思議に思って調べてみたら、ネットに統計がありました。こんな事の統計を取る人もいるんだなと驚いたら、Pew Research Center という大まじめなアメリカのシンクタンクが行った調査でした。今年の7月23日の日付なので、かなり最近のデータです。

統計によると、アメリカ人全体の14%が少なくとも刺青を一ついれているそうです。子供を除外すると(アメリカでは子供に刺青を入れようとしたら、間違いなく児童虐待で逮捕されると思います。)、やはりかなりの数の大人が刺青を入れている事になります。18才から25才までで刺青を入れているのは36%、26才から40才に至っては40%もの人が刺青をいれていると言うのだから、私が思っていたようにニューヨークに住む大人の人口の1/3ぐらいには刺青が入っているのかもしれません。全ての刺青が見える所に入っているわけではないので、会社でスーツを着て固い仕事をしている人の中にも、密かに刺青を入れている人はいるのだろうと思います。

これだけアメリカ人に人気のある刺青でも社会的な保守派にはまだまだ抵抗があるようで、夫の親戚の人などは「鼻のピアスはまだいいけれど、刺青は品位にかける。自分の子供達には入れさせない。」と言っていました。ユダヤ人にも刺青はタブーのようで、刺青があるとユダヤ教の墓には入れないのだそうです。

日本では極道のイメージが刺青にはつきまとうし、スーパー銭湯や温泉に行くと「刺青の方お断り」と書いてあるので、躊躇する人も多いのでしょうが、そのどちらの懸念も必要ないアメリカでは、刺青を気軽に入れる人が沢山いるようです。




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2012年7月20日

鹿の首

アメリカで他人の家に呼ばれて、剥製になった鹿の首が壁にディスプレーされているのを何度か見た事があります。私は平均的な日本の庶民として育ったので、魚拓は見た事があっても、鹿の首の陳列はそれまで見た事がありませんでした。

狩猟民族ならではのトロフィーなのですが、なんだか鹿の首が壁に埋め込まれているようにも見えるし、剥製だからやけに生々しいし、昔は生きていた鹿が殺されて首から切断されたのだと想像すると、あまり清々しい気分にはなれませんでした。おそらく趣味で狩猟をする人なら「これは御自分でしとめた鹿ですか?良い形の角ですね。」などと、気の利いた会話も出来たのでしょうが。

そんな鹿の首も動物愛護団体には目の敵にされるし、テレビ番組では笑いのネタにされるし、現代的な生活のインテリアには似つかわしくありません。そのためか、または単に動物の首の剥製を悪趣味だと思う人が増えたからか、最近はあまり人気がないようです。そのかわり、様々なおしゃれなデザインの動物の首(?)が売られています。

ネットで検索して出て来た写真を見てみると、この手のニセモノの首はアメリカのみでなく西欧諸国で広く人気があるようで、材質も色も大きさもまちまちです。日本では壁に釘を打つ事自体を嫌う傾向が強いので、例え本物の剥製ではなくても、壁から突き出るインテリアデコレーションはあまり見かけません。

写真の詳細は、http://pinterest.com/ynagata/taxidermy/ 




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2012年6月21日

権力の誇示

アメリカだと個人のレベルでもブランディングが行われることがあります。特に大企業の役職につくような人、弁護士等は、自分が相手に与えるプロフェッショナルなイメージをとても重要視するので、髪型、服装、立ち振る舞い方などを意識的に作り上げます。服装コーディネーターのようなプロの手を借りている人も少なくないはずです。

強面でマフィアの親分のように見えるニューヨークの弁護士が、実はとても優しい人だと分かった事があります。人のいい弁護士では商売にならないので、その人はあえて強面に見せる事で、プロフェッショナルなイメージを作っているのだろうと思いました。

企業の役職に付いている人、堅い職業の人は、男性の場合スーツを着る事が殆どなので、スーツやネクタイの色柄品質等で勝負するしかありません。一頃、サスペンダーがパワーを象徴するものとして流行った事もありました。管理職の女性は、パワースーツと呼ばれる赤やその他の鮮やかな色のスーツを着ることがよくあります。アメリカの女性議員が着ているようなのがパワースーツと呼ばれるものです。爪は短めにしてよく手入してあり、信じられないようなハイヒールを履いている人もいて、皆痩せているというのも重要なポイントです。

歩けないのではないかと思われるようなハイヒールは、全ての移動をタクシーか運転手付きの公用車で行うので、本当に外を歩かなくていいような高い役職に付いている事の象徴なのだと聞きます。普通にマンハッタンで仕事をしている女性が超ハイヒールを履いている事は滅多にありません。なんだか纏足を思い出しますが、現在の権力のある女性は、実はジムにも通って体を鍛えている辺りが大きな違いでしょう。

何故だか分からないのですが、爪にジュエリーをはめ込んだり、絵を描いたりするネイルアートは、アメリカではどういうわけか貧困層を中心に人気があり、プロフェッショナルな女性には敬遠される傾向にあります。プロフェッショナルな女性は、たいてい手入れのみか、色を塗っても目立たない色を使っています。赤いラッカーを塗っていている人もいますが、そういう人は意識的に爪を短くしているようです。

女性の権力の誇示のしかたに白髪というのもアリなんだとアメリカで働き始めてから知りました。黒人で真っ白な髪をショートボブにしている女性と、白人で腰ぐらいまである白髪をいつも下ろしている女性に会った事があるのですが、どちらの女性も有名な大企業の役職に付いています。小汚い中高年の女性が白髪の長髪だと、みすぼらしい山姥のようにしか見えないのですが、スーツを来た背の高いすらっとした女性がよく手入の行き届いた白髪だと、かなりの迫力と異次元的な雰囲気があり、一度見たら忘れられないほどの強いインパクトを与えます。

白髪も、かつては女性としてマイナスなイメージしかなかった老化をあえて経験というイメージに変えて提示しているのです。「私は20代の若い娘ではないけれど、経験があり、実力もあり、経済力もあり、しかも美しい。」という事なのです。



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2012年5月14日

肌の色

ニューヨークタイムスの週末版教育セクションに "Why Don't We Have Any White Kids?" と題された少々長い記事がありました。ニューヨークの公立小中学校では人種による隔離が進んでいるために、子供達に良い影響を与えないという内容です。

ニューヨークは、地域によって人種による住み分けがはっきりしています。例えば、マンハッタンは、ハーレム、イーストハーレムを除いて白人居住者の多い地域、スタテンアイランドは圧倒的にイタリア系の多い地域、ブロンクスは黒人と南米系の多い地域、ブルックリンは地域によって白人地域と黒人地域が別れていて、クイーンズは新しい移民が多く人種的な混在が見られます。と言っても、これはかなり大雑把な線引きで、実際はクイーンズのフォーレストヒルズには白人と中国人韓国人が多いとか、ブルックリンのクラウンハイツには黒人とウルトラオーソドックスのユダヤ人が多いとか、それぞれのコミュニティーにはそれぞれの特徴があります。

記事にある学校は特にブルックリンのチャータースクールという種類の公立学校に関してです。地域には白人の家族も住んでいるのですが、その子供達は優秀な子供達のみが入れる地域外の公立学校や私立学校に通っており、近隣の公立学校に入る子供達は黒人の子供達のみという状況になっているようです。

住んでいる地域も黒人が多く、社会的な繋がりや学校で顔を会わせるのも黒人のみという隔離された状況は、実際のアメリカ社会とは大きく異なります。そういう環境で育った子供達が学校を卒業して社会に出たり大学に進学した時に、他の人種の人々と顔を合わせてコミュニケーションを取らなければならない状況に置かれても、相手の肌の色しか目に入って来ないのではないか、とある保護者は記事の中で懸念していました。

そもそも日本人には、「相手の肌の色しか目に入って来ない」というのがどういう事なのか全く理解できない人もいると思います。例えば日本の公立小学校に若い白人アメリカ人の女性の英語教師が配属されたとします。その地域に白人は住んではいるけれど、特別に交流があるわけでもない程度の状況で、学校にいるたった一人の白人教師は、いつまでたっても白人教師でしかありません。その人がどういう教育信念を持った人なのか、どんな社会的な考え方を持った人なのかという人格がなかなか浮き出て来ないのが現状だと思います。

肌の色や表面的な雑作ではなく、その人物の内面を知る為には、儀礼的な挨拶だけではなく、もっと突っ込んだ会話が必要です。子どもだったら、同じクラスに違う肌の色をしていて、違う価値観を持った子どもがいると、そのクラスメートとの会話、友情、衝突、軋轢を通して、世の中には自分と異なった人々が存在するのだというのを経験として学ぶ事ができます。

当然ながら、日本では多彩な人種がいる小学校のクラスというのは、望んでも得られるものではないのですが、だからこそ日本のようなモノカルチャーの世界で生まれ育つ人間は、これからの国際化された世界を生きるにあたって、ある種のハンデキャップを潜在的に抱えていると理解するのは重要だろうと思います。



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2012年3月14日

ジーンズの履き方

おそらく日本でも、ルーズにずり落ちたジーンズからトランクスやブリーフを見せているファッションが一部で流行っている事と思います。日本では腰パンもしくは腰履きと呼ばれているのをウィキで知りました。ヒップホップのファッションで、元々は囚人がサイズに合わないズボンを履かされていた所から始まったそうです。そうかと言って、こういうジーンズが安く買えるわけではありません。それどころか、腰履きスタイルがファッションとして定着した今では、それなりのブランドがあり、それなりの値段がします。

実は、他にもずり落ちたジーンズを昔から履いている人々が南部に見られます。主に太った白人の中年男性なのですが、彼らの場合、ずり落ちたジーンズから見えるのは、下着ではなくてお尻の割れ目です。勿論、ファッションでやっているのではなく、かっこいいわけでもなく、中年になって太って体型が崩れると、アメリカ人男性はこうなりがちなようです。脂肪分の多い料理が沢山あり、肥満率が特に高い南部ならではだろうと思います。

逆にジーンズがピチピチだと、カントリー歌手かホモセクシュアルのように見えてしまう事もあります。カントリー歌手もホモセクシュアルも別の意味で男という事を強調するので、どちらもピチピチの着こなしが好まれるのでしょう。ずいぶん以前ですが、ゲイに見えるのが嫌だという理由で、ジーンズを上まで引き上げず、わざとゆるめに履いている男性もいました。

アメリカは、ジーンズの国なので、年寄りも、子どもも、太っている人も、痩せている人も、ゲイも、ホモフォビアも、格好いい人も、不格好な人も、金持ちも、貧乏も、全てジーンズを履きます。これだけ広く愛用されている衣類なので、それぞれのライフスタイルに合わせて多様化しやすいのでしょう。



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