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2012年9月13日

気になる中国

日本では尖閣諸島の問題もあり、中国との緊張感が高まっていますが、そのニュースにはアメリカも大いに興味を持っています。薄 熙来失脚のニュースほどセンセーショナルな扱いはされていませんが、ワシントンポストやニューヨークタイムスも、中国に関する記事は殆ど毎日掲載しています。

アメリカは中国から目が離せないようです。中国はいまや世界中の製品を生産している工場で、多くの企業から多大な投資が流れ込んでいるにも関わらず、政治の透明性は依然として低いままです。しかも最近の中国共産党は、幹部交代を控えているせいか、以前よりも不安定にも見えます。

中国の日本に対する敵対心の裏には、国内の状況に不満を持ち、将来の生活に不安を感じている国民の行き場のない苛立ちがあるようだとアメリカの新聞は伝えています。どうにかして国民の不満を抑えようと医療保険制度や年金制度なども急速に導入されているようです。尖閣諸島に国民の注意を向けさせるのも、国内の状況から目をそらさせるためです。

アメリカは、国家レベルでも企業レベルでも中国を研究しています。中国を理解し、アメリカの利益を失う事なく、成長する中国とともに繁栄していこうとしています。アメリカはかつて、同様の態度で日本を観察し研究したに違いありません。

アメリカの国力が落ちたというのは紛れもない事実です。アメリカ人でもそれを十分認識している人は、一度失った産業(主に製造業)がアメリカには戻って来ないというのを理解しています。その上で一体どうしたら雇用が産まれるか、どのような教育が雇用を産み出す為に必要なのかを摸索しています。アメリカにとって中国は、その鍵なのだろうと思います。



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2012年8月29日

アメリカの刺青人口


以前から、アメリカ人は日本人よりもカジュアルに刺青を入れる傾向があったと思うのですが、最近はそれが更に加速してニューヨークにいる人の1/3に刺青が入っているのではないかと思うくらいに刺青の人ばかり巷でみかけます。首の後ろに入った漢字の刺青、腕にバンド状に入っている刺青、ジーンズとシャツの間からチラッと見える背中の下の方に入った刺青、シャツかと思うくらいにみっしりと腕から肩にかけて掘られた色鮮やかな刺青、手の甲に入った刺青など、実に様々です。

今回のロンドンオリンピックでも、刺青の入った選手が結構目につきました。日本のヤクザみたいな体中に広がる倶利伽羅紋紋やエセ観音様もたまにみかけますが、殆どが腕や肩、足首にちょこっと入っているようなワンポイントの西洋風の刺青です。女子ビーチバレーの選手は、確か腰にも刺青が入ってました。それに関して解説者があれこれ言う事もなかったので、アメリカ社会に於いて刺青はかなり市民権を得ているように思いました。

そして刺青の色や柄にも流行があるようで、昔ながらのハートやバラは最近姿をひそめ、その代わりに上の写真のようなどこかの部族が入れてるような文様を最近は多くみかけます。色も墨色一色で渋く行くか、そうでなければ様々な色を沢山使ったとてもカラフルなシャツのようにするのが人気のようです。勿論、謎の漢字を使った刺青も時々見ます。

一体、どのくらいの人が刺青を入れているんだろうと不思議に思って調べてみたら、ネットに統計がありました。こんな事の統計を取る人もいるんだなと驚いたら、Pew Research Center という大まじめなアメリカのシンクタンクが行った調査でした。今年の7月23日の日付なので、かなり最近のデータです。

統計によると、アメリカ人全体の14%が少なくとも刺青を一ついれているそうです。子供を除外すると(アメリカでは子供に刺青を入れようとしたら、間違いなく児童虐待で逮捕されると思います。)、やはりかなりの数の大人が刺青を入れている事になります。18才から25才までで刺青を入れているのは36%、26才から40才に至っては40%もの人が刺青をいれていると言うのだから、私が思っていたようにニューヨークに住む大人の人口の1/3ぐらいには刺青が入っているのかもしれません。全ての刺青が見える所に入っているわけではないので、会社でスーツを着て固い仕事をしている人の中にも、密かに刺青を入れている人はいるのだろうと思います。

これだけアメリカ人に人気のある刺青でも社会的な保守派にはまだまだ抵抗があるようで、夫の親戚の人などは「鼻のピアスはまだいいけれど、刺青は品位にかける。自分の子供達には入れさせない。」と言っていました。ユダヤ人にも刺青はタブーのようで、刺青があるとユダヤ教の墓には入れないのだそうです。

日本では極道のイメージが刺青にはつきまとうし、スーパー銭湯や温泉に行くと「刺青の方お断り」と書いてあるので、躊躇する人も多いのでしょうが、そのどちらの懸念も必要ないアメリカでは、刺青を気軽に入れる人が沢山いるようです。




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2012年8月3日

ひとつの比較

私はこの日本語のブログの他にも、英語でブログを書いています。英語のブログには、日本の文化や習慣、社会に関する事を書いているので、要するにアメリカについて書いている日本語のブログと正反対の事をしています。

日本語のブログと同様、英語のブログはアイデアから執筆まで全て私自身が行っていますが、英語のブログは必ずプルーフ・リーダーを通して文法の誤りを直してから、一般公開するようにしています。私はアメリカに18年間住んでいて、ニューヨークのアメリカ企業とも長年ビジネスをしているため、英語力はかなりあると自負していますが、それでも元々帰国子女ではなくバイリンガルとして育てられた訳でもないので、英語を母国語のように扱える訳ではないからです。

そのため、英語のブログを更新するためには日本語のブログよりも長い時間がかかるので、日本語のブログの数に比べると英語のブログの数自体もアクセス数も少ないのですが、興味深い事に不特定の読者から入るコメントの数は英語のブログの方が多いのです。英語のブログに入るコメントの殆どは、とても短いもので「良い内容ですね」とか、「面白い内容ですね」などの、ちょっとした励ましです。でも、そういうちょっとした励ましが時には前へ進む原動力を与えてくれます。

少し話題がずれますが、私は健康の為に競歩をしています。近所を歩いていると「頑張れ」というような意味の励ましの言葉を往来の人がかけてくれる事がたまにあります。私の夫もジョギングをしていた男性に声援を送っているのを見た事があります。その時夫に何故声をかけるのか聞きました。すると夫から返って来た答えが、
He looked like almost ready to give up. He really could use encouragement.
でした。その男性はかなり肥満で、ようやくジョギングをしていたような状態でした。夫が言うには、その男性がギブアップしそうに見えたので、運動をつづけるように励ましたかったのだそうです。

アメリカ人は、ほんのちょっとした事でも自分の中にだけしまっておかないで、相手に伝えたい人達が多いようです。



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2012年7月15日

メリトクラシー (meritocracy)

ここ数日、メリトクラシーという言葉がアメリカメディアのキーワードになっています。言葉自体は、最近造語された物ではなく、1958年に出版されたイギリスの社会学者マイケル・ヤングの著書 『The Rise of Meritocracy』によって始めて使われたそうです。ウィキによると日本では能力主義と訳されているようですが、アメリカでは少々異なる意味合いを含んでいるように思えます。

なぜメリトクラシーがアメリカで今話題になっているのかと言えば、拡大し続ける貧富の差、融通性に欠けた階級社会、既得階級の利権の独占などが大きな問題となっているからです。アメリカン・ドリームは既に過去のものであり、本来ならば階級社会であるフランスの方が社会階級間の移動が容易だといういくつかの研究結果さえでています。

貧富の差は、既に子供の頃から受けられる教育の差として顕著に現れているという記事が今年2月のニューヨークタイムスにありました。過去数十年の間にアメリカでの人種間における教育の格差は大きく改善されたものの、収入による教育の格差は広がる一方だというのです。裕福な家庭は、子供を少人数制クラスの私立学校に入れたり、ピアノやスポーツなどの様々な習い事に行かせるだけの経済的余裕を持ち、子供と一緒に過ごす時間も比較的多く取れます。一方貧しい家庭の子供は1クラスに沢山の子供がいる公立の学校に通い、お金のかかる習い事などに通う事も容易ではありません。親は生活を支える為に仕事を掛け持ちしている事も多いので、子供と過ごす時間も簡単には作れません。そしてその生活レベルの差が子供の学力や可能性の差となり、さらなる貧富の差を産み出すという構図です。

本来ならば、実力があれば成功できるように作られた社会の仕組みが、すでに成功した人々が自分の現在持つ権利を更に拡大し、その上かつて自分達が登ったハシゴを外す事によって決定的にしようと試みているのが現在のアメリカの姿であると見ている人は少なくありません。政治家も選挙戦を勝ち抜くための多額の政治献金を得る為に、一部の特権階級と結びつき、そして特権階級はその政治家からの見返りを期待します。もはや、政治は一般の国民のためにあるものではなくなりつつあります。

将来のアメリカは、一部の特権階級が大多数の貧しい市民を支配するような国になってしまうのか、今から5年後にはその答えが既に出ているはずです。



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2012年7月11日

ニューヨークの日本人社会

多くの日本人が行う小規模なアメリカでのビジネスは、在米日本人を対象としています。それはそれで需要があるし、在米日本人も日本の物やサービスが必要なので、私達からすれば有り難い事ではあります。でも在米日本人の絶対数が少ない為に、全体的なパイの大きさは当然小さくなります。その中で、多くの日本人が小さいパイの一切れを得ようと必死になっているのが、ニューヨークの日本人社会だろうと思います。

在米の日系の会社の給料はかなり安い所が多く(日本でも同程度なのかは知りません)デザイナーなどは時給にして15ドル程のようです。日系の雑誌のエディターでも2万ドル程度の給料しかもらえないと聞いた事もあります。日系の会社なので、残業があるのは当然のようで、問い合わせをすると必ず残業が可能かどうか聞かれます。そんな程度の時給では到底生活して行けないのですが、それでもビザ欲しさと日本語が使える環境で働きたい気持ちから、応募者は絶えません。会社もその事情を熟知しており、応募者の足元を見ているのです。

せっかくニューヨークに住んでいるのなら、ちょっと視点を変えてみれば、もっと大きな世界が広がっているのです。在米日本人を対象にしたビジネスではなく、一般のアメリカ人を対象にできれば、パイの大きさはそれまでと比べ物にならないくらい遥かに大きくなります。ビザに関しても、現在はかなり厳しい状況ですが、求める物には与えられるのがニューヨークです。求めれば、必ず手を差し伸べてくれる人が出て来るのです。英語だって、コミュニケーション能力の高い人は、英語力があまりなくてもそれほど不自由しないというのは、いままでに何度も見て来ました。

ニューヨークに長年住んでいて困った事の一つに、日本人には中国人や韓国人のような在米日本人を対象としてサービスを行う援助団体が殆どないという事です。日系のビジネス団体や、有料のグループ、近所の日本人の主婦の集りならばいくらでもあるのですが、そうではなくて、居住者に無料で様々なアメリカのサービスを日本語で行う団体がもっと必要なのです。

おそらく、かつてのニューヨークに住んでいた日本人が裕福で援助が必要なかったため、日本人の絶対数が少ないため、(実際は日本は大きな社会福祉国家であるにも関わらず)多くの日本人は社会福祉を悪とみなしがちなために、なかなか日本語を話す日系人に対するサービスが発展しないのだろうと思います。様々な年齢や社会階級の日本人がニューヨークに来ることによって、そういう現状も変わって行くのではないかと思います。

アメリカには嫌な所も沢山あるけれど、一番良い所はだれでも受入れる懐の深さだと思います。そして、求めればかならず何かが見つかります。



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2012年6月23日

児童虐待

昨日、全米の注目を集めている児童虐待の裁判が結審しました。ペンシルバニア州立大学のアメリカンフットボールのコーチが長期間に渡って複数の少年を性的に虐待していた疑いです。ペンシルバニア州立大学は、アメリカンフットボールの名門大学として知られており、この前コーチは、様々な問題のある子供達にアメリカンフットボールを教えるという非営利団体も運営しており、犠牲者はそこに通う子供達でした。

8才ぐらいから14才ぐらいまでの少年が、代わる代わる何十年にも渡って虐待されていた事を関係者は本当に知らないでいたのか、それとも問題がある事を知りながらスキャンダルを避ける為に組織的なもみ消し工作をしていたのかも、コーチ自身の裁判と合わせて問題になっています。

少し前には、カトリック教会の神父が信者の子供達(主に男の子)を性的に虐待し続け、それを教会側は知りながら警察に通報せず隠蔽し続けていたために、虐待を行った神父は何十年にも渡って少なくとも何十人(何百人?正確な数は分かりません)もの男の子を虐待し続けたという事実が全米各地で次々と明るみに出た事もありました。カトリック教会の児童に対する性的虐待は、アメリカに限った事ではなく、同様の事件がアイルランドでも頻発していた事が判明し、大きな問題になりました。

以前は、幼児や児童の性的虐待というと、女の子が被害者であるという概念が一般的だったと思いますが、過去20年位に渡って男の子も女の子と同様に性的に虐待されている事が実際の悲惨な事件を通して明らかになって来ました。ただ、男の子の方が、女の子よりも性的に虐待された事を言い出せない場合が多いのだろうと思います。また、勇気を出して親に虐待の事実を伝えたとしても、親がそれを子供に口止めするケースも少なくなかったようです。

これは、自由のタガが外れてしまったアメリカのみの問題なのか、それとも実は世界中に存在するけれど、言論の自由が強く保障され、しかも訴訟社会であるアメリカだからこそ表に出て来ているのか、それは何とも分かりかねます。



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2012年4月17日

日米の疑心暗鬼

アメリカに住んで、早くも19年が過ぎました。まだまだ日本で生活して来た年数の方が長いけれど、19年も住んでいるとアメリカという国の様々な内状が見えて来ます。日本にニュースや映画、テレビドラマ等を通じて伝わるアメリカは、ごく一部のアメリカでしかありません。

日本に関しても、あれこれかんがえます。日本のように変貌が早く激しい国は、ほんの少しいないだけであっという間に状況が変わってしまうので、私がかつて生活していた日本と今の日本は既に大きく異なっています。

日本とアメリカの関係は、どの角度から見ても、お互いになくてはならないパートナーなのですが、お互いの不信感に恒常的に悩まされているように思えます。お互いに相手の事を「抜け目のない、信用できない奴だ」と思っているのです。

日本人からしてみれば、アメリカはかつての占領国で、憲法第九条を押し付けた国、そしてその後自衛隊を作らせた国。アメリカは自国に都合がいいように日本を作り上げようとしました。ところが、アメリカ人からしてみれば、日本が経済大国になったのはアメリカのおかげなのに、日本の取り決めはいつも不透明で交渉がし辛いと思っています。

そしてお互いに自分の国の方が損しているように思っているのです。お互いに独立した国家なので、自国の利権が一番大切で、相手の国には不満や要望がいろいろあって当然なのですが。アメリカで生活している日本人としては、日米間の様々なレベルの疑心暗鬼がとても歯がゆく思われます。

日本人とアメリカ人は共通点がとても少ないのですが、だからこそお互いを知る事が大切です。ブログを通じて、これからもアメリカの現状や文化等を伝えて行きます。



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