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2012年12月24日

全米ライフル協会の言い分(ビデオ)

コネチカットの大量殺人の後、一週間程NRAは沈黙を守っていましたが、ついに「重大発表」というのを先日行いました。

日本のマスコミ論調はNRAの発表を充分に理解していないような気がします。ラピエール代表の主張の核心は「銃を持つ悪い奴と対抗する為には、銃を持つ良い奴が必要である」ということです。つまり、もっとアメリカに銃を増やす事こそが安心して生活できる社会になると言っているのです。

ラピエールは、頭がおかしい精神病患者や残忍なビデオは野放し状態であり、そういう悪から子供達を守る為には銃が必要である、各学校には武装した警官を置いて学校の職員も武装すべきであると言っています。

NRAは、言いわけなどしていないし、守りにも入っていません。様々な統計調査によると、約半数のアメリカ人は銃規制に反対しているという背景があるので、コネチカットの件があっても守りに入る必要性を全く感じていないようです。

スピーチには完全な責めの姿勢が見られます。今までもそうであったように、今回も結局はNRAの勝利に終わり、さらなる銃規制撤廃に繋がると確信しているのです。

健康保健と同様、これはアメリカの正念場だと思います。やりようによっては、今回は今までとは違った結果となる可能性を含んでいます。銃規制を求める人びとと団体に必要なのは、NRAよりも多くの資金とNRAを恐れない政治家です。





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2012年12月18日

銃規制と精神科医療への僅かな希望

おそらく、今回の小学校での銃撃事件は、銃による犯罪に鈍感になってしまったアメリカ人にとっても衝撃的だったのでしょう。20人もの小学校1年生が殺され、無事だった子供達もその場を目撃しなければならなかったというのは、惨すぎます。

今までかたくなに銃規制に反対していた議員達が、一人二人と意見を変えて来ています。全米で最も強大な圧力団体と言われている全米ライフル協会は、今の所黙ったままです。かねてから銃規制を呼びかけていたニューヨークのブルームバーグ市長は、この機会をつかんで国家レベルでの銃規制法案を通過させようと活発に動き回っています。

私は、アメリカの銃政治に飽き飽きしていますが、もしかしたら今回ばかりは今までと違うかもしれないと僅かながら希望と期待を持って状況を見守っています。例え銃規制が一時の流行のようなものでしかなくても、法案を成立させる事ができるのならば、それはそれで意味があります。

また、銃規制と同時にアメリカで精神科医療を多くの人の手が届くものにする事も重要です。犯人の精神状態や家庭の崩壊、人間関係の希薄さに全ての責任を被せるつもりは全くありませんが、犯人が特殊な精神状況にあったのは事実のようです。銃撃犯人アダム・ランザは、アスペルガーだったと言われています。

アスペルガーは高機能の自閉症で、非常に高い知能指数を持っていながら他人との関係を築く事ができません。パッと見た目は普通な場合が多いのですが、同じクラスにアスペルガーの子供がいれば、クラスメートはその違いに気がつきます。アスペルガーを持つ人は、虐められたりして被害者になるケースは多いものの、事件の加害者になるのは極めて稀です。

犯人の母親は数年前に離婚した前夫から年間2千万円以上にも及ぶ生活費と養育費、及び健康保健を受け取っていたようです。裕福な地域にある大きな家で息子に家庭教育を与えながら二人で住んでいましたが、その母親が第一番目の被害者となりました。もしも犯人が精神科やセラピストに通っていたならば、そこから犯人の動機や精神状態が分かって来るかも知れません。

アメリカの健康保健は精神疾患の治療をカバーしない事が多く、保険の一部負担がなければ精神科の医師やセラピストの費用は全て各自が支払わなければなりません。精神科の医療はかなり高額な場合が殆どなので、精神科の治療を受けたくても受けられない人びとは沢山います。

精神分裂症のような深刻な精神疾患でなくても、たとえばパニック症候群や鬱病などのよくある病気でも診療を受ける事ができなければ悪化する事は目に見えています。アメリカのホームレスの半数以上は何らかの精神疾患を負っているというデータもあります。

被害者やその家族に対する追悼の言葉も、同じ事を繰り返さないという確固とした覚悟と約束がなければ、ただ空しく響くのみです。銃に対する何らかの規制を行い、精神科の医療を一般の人びとが受けられるようにする事こそが、本当の意味での被害者の追悼になるのだろうと思います。



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2012年12月17日

ハヌカと小学校の大量殺人

ユダヤ教のハヌカは8日間に及ぶ光の祝日です。クリスマスと同時期の為か、ハヌカを祝っている間の毎晩、子供にプレゼントをあげる習慣があります。今年のハヌカは8日(土)の日没から16日(日)の日没まででした。

このハヌカの最後の数日を伴に祝う為に、私達家族はフィラデルフィアの郊外に住む夫の親戚の家へ招待されました。14日(金)の午前10時頃、私達家族は荷物をまとめて出発しました。

夫の親戚の人びとは、オーソドックスのユダヤ人です。金曜日の日没から土曜日の日没までは安息日となっているので、一切の労働をしない事になっています。それに間に合わせようと、慌てて地下鉄や電車を乗り逃がさないようにしたので、金曜日の日没ギリギリの頃に親戚の家へ到着しました。

一切の労働をしないというのは、働く事も料理もテレビを見る事もコンピューターを使う事も電気をつけたり消したりする事も含まれます。そのため、金曜日に起きたライフル乱射大量殺人の事件はしばらく後に携帯を見るまで知りませんでした。

今回ばかりは、一切の外界から遮断されたような3日間を過ごせた幸運に感謝しました。おそらく、アメリカ中の小さい子供を持つ親は、子供達になるべく事件のニュースを見せないように務めていたはずです。小さい心は毎日楽しく過ごしているべきで、今のアメリカの一番醜い姿をこのような形で見るべきではありません。

これでもう何度目の銃による無差別大量殺人か分かりません。しかも今回は、20人の小学1年生を含む27人が犠牲者となっています。アメリカは素晴らしい国だと思いますが、子供の生命や教育、医療よりも胎児の人権や銃を所有する自由が優先されている事実には反吐が出ます。

惨事を生き残った子供達にとって一番必要なのは、同じような事が二度と起らないと言う約束と確認です。残酷な事に、今のアメリカはその基本的とも言える安心を子供達に約束できません。

何故アメリカで銃規制に反対する人が多いのかはそれなりの理由があり、以前ブログにもその説明は書きました。でも歴史や個人の銃を保有する権利が、年間3万人以上の銃による犠牲者よりも価値があるとは私には思えません。

銃規制に反対する人びとは、家庭の崩壊や人びとの心の荒廃が大量殺人の原因だと主張します。でもそれは何処の国でも同じです。アメリカ以外の国で、銃による大量殺人事件が度々起きないのは、銃が巷に氾濫していないからです。

アメリカが建国されつつあり、州の自衛団が独立の為にイギリスと戦った当時は、ライフルから銃弾を一発発射した後、二発目を発射するのに二分程かかったと聞きました。今では一分間に自動小銃を使って何十人もの殺人が可能です。人間関係だけでなく銃も、アメリカ建国の当時とは大きく異なっている事をアメリカ人自身が知るべきです。

例えこのような惨事を何度も経験し、何百人の子供が殺されたとしても、私にはアメリカが銃規制に成功するとは思えません。オバマ大統領は、何らかの意味のある変化を約束すると言っていますが、私は懐疑的です。

それでも僅かばかりの銃規制法案を通過させる可能性があるとすれば、今しかないというのが多くの銃規制を支持する人びとの見方です。オバマ大統領は二期目でアメリカの大統領は三選がない為に、もう選挙に勝つ事を考える必要がありません。

アメリカ国民の怒りや悲しみがまだ新たなうちに、銃規制法案は議会で討論されるべきです。



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2012年11月14日

軍の上層部を取り巻く人びと

ペトレイアス将軍の不倫発覚事件は、思いがけない方向に飛び火して、質の悪いテレビドラマの様相を見せています。今度は現役の将軍から一般市民への機密漏洩の可能性が出て来ました。正直言って、他人の情事は放っておけと思うのですが、それに国家機密が絡んでいればそうも行かないのでしょう。

このスキャンダルに登場する二人の女性、ジル・ケリーさんとポーラ・ブロードウェルさんの写真を見た時に、アメリカのとある会社にいた「将軍の娘」と言われていた女性を思い出しました。アメリカ軍の上層部を取り巻く女性には既婚で派手な人が多いような気がします。

私が知る「将軍の娘」は、40代後半ぐらいでとある会社のコンサルタント的な立場でした。彼女が側に来るとクシャミをしてしまう程いつも大量の香水をまとい、10センチはあるヒールを履いていたのが印象に残っています。会社にはたまにしか顔をださないものの、自分の持つ人脈を使って将軍達が集るパーティーには頻繁に出席して、軍関係の仕事を会社に持って来る役割を担っていると人づてに聞きました。

将軍や大佐のような軍の要人に近づくには男性よりも女性の方が有利なのでしょうか。勿論、全ての関係が性的な関係だとは思いませんが、ケリーさんもブロードウェルさんも「将軍の娘」もソフトな面とハードな面が微妙に入り交じっているような印象を受けます。

将軍や大佐と懇意になると、私にはわからない様々なメリットがあるのでしょう。



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2012年11月12日

将軍の情事

大統領選挙の興奮も覚めやらぬ金曜日、現在のアメリカで最も有名な将軍とも言えるペトレイアス氏がCIA長官の職を辞任するという発表がありました。原因は、彼の伝記筆者であるブロードウェルさんとの不倫関係です。

ペトレイアス将軍は、将軍らしく落ち度がない規律の取れた人物として知られています。以前から伝記筆者の若い女性が将軍から優遇を受けているのは周囲の知る所ではあったようですが、まさか不倫をしているとは誰も夢にも思わなかったようです。

発覚の発端は、ブロードウェルさんからの強迫メールがとある女性に送られた所から始まります。この女性が身の危険を感じてFBIに通報し、そこから操作が始まったそうです。メールの内容は明らかにされていませんが、将軍とその女性の関係を疑った為の強迫だったようです。

そして捜査の過程で、実は将軍とブロードウェルさんのgmailの通信記録が明らかになり、不倫関係も判明したそうです。

アメリカは政治家にモラルを求める国です。他の国ならば、不倫をしようが不義の子が出現しようが、政治手腕にさえ長けていれば国民は見て見ぬ振りをする事もあるのでしょうが、アメリカでは私生活に汚点があると、政治家や国家の役職につく事は非常に困難です。

このCIA長官不倫、辞任騒動も「それが報道されて辞任にまで追い込まれるような類のものなのだろうか」と疑問を持つ人もいます。ただ、ハニー・トラップという言葉があるように、セックスを使って近づいてそれを元に情報を引き出すという手口は007映画だけでなく現実のもののようです。

今回は、CIA長官が強迫されていたわけではないのですが、特別な優遇を受けていたブロードウェルさんは、やろうと思えば簡単に機密情報を入手したり、将軍の個人gmailアカウントから政府のメールアカウントにハッキングする事も不可能ではないそうです。政治家や政府の高官は、任期中には私生活さえろくに持てないのかも知れません。



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オバマ陣営のデータとサイエンスとマーケティング

Pew Social & Demographic Trends
大統領選挙に関しては既に色々と書いたのですが、最後にもう一つだけ特筆すべき事があります。今回のオバマ陣営の勝利は大統領自身の勝利よりもデータとサイエンスと多様化の勝利と言えると思います。

オバマチームは2010年の国勢調査のデータと過去のデータを元に、2012年の人種別人口分布をより正確に把握したと言われています。一方ロムニーチームは、南米系やアジア系アメリカ人の人口増加率を実際よりも低く見積もっていた所に大きな敗因があったようです。

そのために、最後の最後まで、ロムニーチームは勝利を疑わなかったようで、実際に負けたと分かったときの狼狽ぶりはテレビでも放送されていました。

私は、数学もまともに出来ない完全な文系人間なのですが、データとサイエンスの重要さは最近痛切に感じます。自分の主義主張やイデオロギーに反するデータやサイエンスを「嘘である」と決めつけるようになったらおしまいです。それをしないオープンな物の見方を出来る人達が科学者であり、その探究心を私自身も見習うべきだと思っています。

一つのデータが怪しいと思ったら、同じ内容を調査している別のグループが発表しているデータを入手して比べるべきです。いくら自分が正しいと思う事でも、データによるバックアップがなければ、事実とは証明されないのです。探求もせずに、嘘だとわめき散らしているだけでは、メッキが剥がれるのも時間の問題です。

マイノリティーのデータを正しく把握できなかったというのは、今の共和党にとって象徴的な敗因だったと思います。ダーウィンの進化論を信じない、レイプされた女性は妊娠しないと主張する… これらは私には全て現実逃避という同じ問題の根源があるように思えます。



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2012年11月9日

何故ロムニーが負けたか

大統領選挙が終わってから、各メディアではロムニー陣営の参謀が揃って「我々は白人だけの支持ベースでは勝利できない事に気がついた。もっとマイノリティーを取り込む努力をしなければならない。」というような分析を行っています。

「は???」というのが私の率直な意見です。本当に今頃共和党はそんな事に気がついたのでしょうか。白人票のみで選挙を乗り切れると思っていたロムニー陣営は、幻想を追っていたのでしょうか。アメリカの人種構成で白人の割合が毎年着実に減っているのは今更ニュースにもならない古いネタです。

白人の高齢者層は投票率が非常に高いグループです。おそらくロムニー陣営は、将来はともかく今回は白人票のみで乗り切れると思っていたのでしょう。ところが、オバマ陣営のデータを駆使してターゲットを絞った選挙戦は、白人以外の投票率を激戦区で伸ばすことに成功しました。

共和党の政策は、社会的な保守と経済的な保守の二本柱です。経済的な保守には、多くの日本人が共感しているように思います。財政赤字をなくし、税金を撤廃し、できるだけ政府を小さくする事が経済の発展に繋がるという考え方です。年金や失業保険、生活保護などの社会補償は労働意欲のない個人を助長することになるので好ましくないと考えています。また、仕事を産み出す企業は高所得者層には、税制の優遇措置を取るべきであるとも言っています。

社会的な保守とは、アメリカ的な生活や考え方を重要視し、受精卵は人格を持つので人工妊娠中絶は全廃し、避妊は神の意思に反するので禁止し、強制的な健康保健制度は自由の剥奪であり、同性愛も神の意思に反するので禁止し、学校ではダーウィンの進化論ではなく、聖書の創世記を教えるというような考え方です。おそらく、日本人が共感できる部分は少ないはずです。

現在のアメリカ共和党は、この二つの財政的な保守と社会的な保守をストイックなまでに押し進めようとしています。それに心から共感できるのは、裕福なキリスト教の白人ぐらいのものでしょう。選挙活動中に演説を聞きに集った人びと、また共和党と民主党の大統領選挙の開票パーティーに集った人びとの写真を比べてみれば、一目瞭然です。

一切の妥協を許さない態度は、少数の熱狂的な支持者を喜ばせることは出来ますが、それ以外の人びとからは敬遠されます。共和党の支持者の中にも、「共和党は国民の寝室から退出すべきである。」と考える人はいますが、そういう人びとは徐々に共和党と距離を取り始めました。

アメリカに於いて将来、裕福な白人層が増加する見込みはありません。今のままの支持層では共和党は次の選挙を戦って行けないと、共和党は言っているのですが、私にはそんな事を今更のように言い出す思考回路が全く理解できないでいます。



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2012年11月8日

アメリカ大統領選挙

4年前にヒラリー・クリントンが民主党の大統領候補の座を狙っていた時に、小額の寄附をしました。ヒラリーの力強さ、政治家としての狡猾さ、公共事業への信念に共感したからです。

たった$25位の寄附だったと思いますが、それを機会に私の名前は民主党の支持者のリストに永久に刻印されてしまったようで、事ある毎に民主党からボランティアのお誘いや寄附の要請などのメールが送られて来ます。勿論、私にはアメリカの選挙権はありません。

私の夫は政治キチガイで民主党支持者なので、ここ数日も4年前もオバマ陣営のボランティア活動をしていました。それでも夫の名前は民主党の支持者リストには入っていないようです。一度も政治ボランティアをした事がない私の所へは、一日に何度も民主党からのメールが来るのに…

選挙の数日前から、それまで拮抗していると言われていた大統領選挙なのですが、実はオバマがリードしているという情報が流れ始めました。テレビ局は臨場感を出して視聴率を上げたい為か、接戦だと報じ続けていたのですが、結果から見るとやはりオバマ有利の情報は正しかったようです。

オバマの勝利は、ハリケーン・サンディに助けられたという意見があります。サンディ対策に国家レベルでの援助が迅速に行われた事、災害時には地方自治体レベルだけの対応では到底不十分である事を国民が実感した事、またライバルの共和党であるニュージャージーのクリスティー知事はオバマ大統領の災害対応にとりわけ大きな感謝を示した事がその理由として上げられます。

でも、4年前の熱狂的なロックスター並みの支持を失ったオバマ大統領が再選されたのは、激戦区と言われる地方で現地のボランティアが早くから地道にオバマの支持活動を行っていたからでもあります。ロムニー候補にもボランティアの地方スタッフはいますが、ロムニー候補の為のボランティアではなく、共和党のボランティアだというのがオバマ陣営との大きな違いなのだそうです。

オバマ陣営が選挙民の様々なデータを持っているというのはよく言われている事です。データを駆使してよりターゲットを絞った選挙活動ができる効率の良さは、従来の選挙活動のやり方と大いに異なり、それが今回の激戦区と言われていた各州での大きな勝利に繋がったようです。

ブッシュ前大統領の選挙戦を率いたカール・ローブ(左)とオバマ大統領の選挙戦を率いたデビッド・アクセルロッド(右)はそれぞれ政治家ではないのですが、アドバイザー(顧問)として就任しており、間違いなく政権の立役者です。双方ともやり方は異なりますが、どんなに姑息な手段を使っても絶対にに成功しようとする計算高さには背筋が寒くなります。

アメリカ人もこの二人にはあまり好意的な印象を持っていないようで、それぞれ政権の影の帝王のような存在です。カール・ローブやデビッド・アクセルロッドのような存在は、選挙戦に勝つ為の必要悪なのでしょうか。

4年後の大統領選挙では、オバマの三選はないので、共和党からも民主党からも候補が多数出て来ます。今年よりも更に汚い選挙戦になるのかと思うと、早くも食傷気味になってしまいます。



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2012年11月6日

アメリカという国の勉強

ハリケーンで学校が休みの間、子供が家で退屈していたので、担任にメールで何をさせたら良いか質問をしました。色々な教育関係のウェブサイトや教材の他に、ヒストリーチャンネルで放送されたアメリカの歴史シリーズが良いという返答があったので、そのシリーズのうちの最初の3作を見ました。

アメリカで最初の植民地ジェームスタウン(バージニア州)の惨事と、それとは別にケープ・コッド(マサチューセッツ州)に入植した厳格なキリスト教を信奉するピルグリム達の歴史から始まって、アメリカ人が西へ領土を拡大してカリフォルニアに到達するまでの話でした。

多くの日本人と同様に、私はある程度の世界史の知識はあるものの、アメリカ史に関してはあまり良く知らないままです。(逆にアメリカ人はアメリカの歴史は良く知っているのに世界史の知識が殆どありません。)ヒストリーチャンネルのアメリカ史番組は、ざっと大まかにまとめてあるビデオではありますが、現在のアメリカという国を理解するために役に立つと思いました。

アメリカにヨーロッパから入植して来たのは、その宗教の厳格さ故に迫害されたキリスト教の一派と、大きな成功を手に入れようという欲望を持った人びとです。お互いに相反するような二つの移民勢力。妥協を許さない厳格なキリスト教の思想と、どんなに大きな犠牲を払っても莫大な成功を手に入れようとする現世的な欲望は、現在のアメリカにも見え隠れします。

ただ、今のアメリカ人の中で、建国当時に先祖を見いだせるのはごく僅かなエリートのみです。殆どのアメリカ人は、1776年の建国当時から今日までのいずれかの時期に世界中から様々な理由によってアメリカに来た人びとです。

人種による人口構成も、新しい移民の流入によってどんどん変化しています。建国当時の憲法をアメリカ人は神聖視し、全てを当時のままに保存したがります。でも私のような新参入者から見ると、例えば銃規制への反対や税金を全廃して全てを自己責任でまかなうというような思想は未来を見つめずに過去にしがみついているように見えてしまいます。




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2012年11月4日

ブルームバーグ市長

最近のブルームバーグ市長は、ニューヨークに住んでいれば嫌でも目につきます。先週から災害関係の記者会見に出ずっぱりなのに加え、個人の利益団体の設立、オバマ大統領への推薦、ニューヨークシティー・マラソンの開催に関するゴタゴタなど話題に事欠きません。

ニューヨークシティー・マラソンは、ドタキャンとなりました。このまま多数の反対を押し切って開催するよりも、中止の決断を下せた事に一様の評価はしますが、何故もっと事前にその決定を下せなかったのか、釈然としない気持ちが残ります。ハリケーン・サンディの被害が予想よりも酷いと分かった時点で中止していれば、選手もわざわざ災害でゴタゴタしているニューヨークに来る必要もなかったのに…

被災者に対する対応も、ニュージャージーのクリスティー州知事に比べてどことなく冷たいような気がします。クリスティー州知事が被害の酷かった地域に自ら出向き、悲嘆にくれる被災者を暖かくなぐさめる姿はアメリカ人の脳裏に焼き付いたに違いありません。人びとが政治家に求める姿というのは、こういうものなのだと実感しました。根っからのビジネスマンであるブルームバーグやロムニーに大きく欠けている一面です。

オバマ大統領もロムニー候補も、無所属であるブルームバーグの推薦を勝ち取れば、無所属の有権者に影響を与える事ができると計算したため、双方とも何度かブルームバーグの了解をとりつけようとしていました。今までどちらも推薦を得る事ができずにいたのですが、今回の災害の直後に、ブルームバーグ市長は突然オバマ大統領の推薦を発表して、周囲を驚かせました。

ブルームバーグ市長は、銃規制や同性愛婚だけでなく、地球温暖化に対する懸念も強く持っています。オバマ大統領への推薦は、今回の災害に対する国家レベルでの地方自治体への迅速な援助への評価と、地球温暖化を事実として認めようとする態度への評価もあるようです。

ブルームバーグの前はジュリアーニがニューヨーク市長を務めていたのですが、ジュリアーニの任期の後半はミニ独裁者のような振る舞いが目立ち、市民から大きな反発を買っていました。もしも9/11がなければ、ジュリアーニはもっと酷くこき下ろされていたに違いありません。それに比べればブルームバーグは、異様な振る舞いもないし、それなりの成果をあげたそれなりの市長なのではと思います。



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2012年11月1日

温暖化による気候の変化

ニューヨークのダウンタウンが温暖化によって水没するという話はずいぶん以前からありました。イーストリバー沿いに住んでいる人も「もうかなり長く住んでいるけれど、年々水位が上がって来ている」と8年位前に言っていました。

証券取引所があり、ウォール・ストリートもあるアメリカの経済活動の中心地であるニューヨークのダウンタウン地区が今回のように水没し、地下鉄も動かせなくなってしまうというのはかつてなかった事です。

気象学者によると、海水の表面温度が高くなっているので、これからも巨大化したハリケーン、季節外れのハリケーン、ブリザードがアメリカの東北部を襲う事は考えられると言う事です。今回のような「前代未聞」の被害は、また起るという可能性が十分にあるのです。

ハリケーン・サンディによる被害で、アメリカ人はいよいよ温暖化は本当に起っているという想定の元に都市計画を立てなければならなくなりました。地球温暖化に関しては、その真否を疑う人も多いようですが、運を天に任せて温暖化が起っていないと仮定する方がリスクが大きくなって来たようです。

オバマ大統領もロムニー候補も、地球温暖化に関しては一言も触れていません。環境保護のようなエネルギー業界を敵に回す事になりかねない話題は、選挙では命取りになる可能性が高いからです。しかも沿岸地域に住まない多くのアメリカ人にとって、地球温暖化は未だに他人事でしかありません。

今日の記者会見で、ニューヨーク州知事のクオモも市長のブルームバーグも、それぞれ地球温暖化に関して言及していたのは大変興味深いと思いました。サンディの被害状況が一段落したら、将来に向けて何らかの対策を立てなければいけないと言っていました。



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2012年10月25日

ニューヨーク市長ブルームバーグの計画

大金持ちで無所属のブルームバーグ、ニューヨーク市長は、とてもユニークな立場にある政治家です。億万長者なので資金は全て自費でまかなえるため、選挙献金を集める必要がありません。そのため、規制の利益団体や政党に媚を売る必要もありません。そしてとうとう独自の利益団体を作ってしまいました。

ブルームバーグはかねてから、同性愛婚の許可と銃規制に強い関心を持っていますが、彼の利益団体はそのアジェンダを推進しようとしています。どの政党に属しているか関係なく、同性愛婚と銃規制を公約し、実際にそれに尽力しようとする政治家には選挙資金を与えるというものです。

アメリカの場合、同性愛婚を法的に認めさせようとする政治家は少なくありませんが、銃規制を推進しようとする政治家は政党を問わずあまりいません。ブルームバーグは、政治家は影響力の強い全米ライフル協会にビビっていると言っています。

全米ライフル協会は、協力なロビイストを抱える利益団体です。銃規制を政策としないことの代償として多くの政治家に多額の献金を行っています。ブルームバーグの利益団体は逆に、銃規制を政策とするならば、その政治家には選挙資金を与えるというものです。

今の所、オバマ大統領もロムニー候補も、銃規制に関しては全く言及していので、ブルームバーグはどちらの候補者も推薦していません。度重なる銃による無差別殺人の後も、銃に関する発言は注意深く避けて、銃規制に話題が飛ばないようにしています。銃規制を持ち出すと、全米ライフル協会からの献金がなくなるだけでなく、南部からの得票も失うからです。

ブルームバーグが同性愛婚の実現と銃規制を目的とする利益団体を作った事は、大変好ましい事だとおもうのですが、正直言って「やはりここでも金が物を言うのか」という感想を持ちました。今のアメリカは、ロックフェラー、バンダービルト、カーネギー、グッゲンハイムらの一族が巨額の富を築いた時代と匹敵するほど、貧富の差が開いています。

財力を持つもののみが政治に影響を与える事ができ、世論も民意も資金さえあれば合法的に操作できるのです。一般人の声が政治に反影されないのは無理もありません。



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2012年10月15日

世界最大のビューティーコンテスト

しばしば言われる事ですが、アメリカの大統領選挙は、ビューティーコンテストです。候補者のイデオロギーや政策は、評論家達によってあれこれ細かく吟味されますが、一般の有権者にとって、実はそんな事はどうでもいいのです。

オバマが4年前に勝ったのも、対戦相手のマッケイン候補よりも遥かにイメージが良かったからです。そのイメージの良さやスター性にダシュル上院議員はいち早く注目して、オバマを大統領にまで仕立て上げたのです。

私はオバマ大統領が外見だけの無能な大統領だと示唆しているのではありません。オバマ大統領は、アメリカの歴史の中でも一番問題が山積している時に就任して、その任務を果たしているとても有能な大統領だと思います。

でも殆どの有権者が見るのは、候補者の表面的なイメージで、自分の投票がどのように将来の自分の生活を変えるかに関してあまり考えないようです。そして結局は、保守的な考え方を自認する人は、候補者がどのような政策を持っていようと共和党を支持し、革新的な考え方を自認する人は民主党を支持します。

たった1回の討論会で支持率に違いが出て来たり、大統領候補の婦人や子供達が選挙戦で大きな役割を担うのも、アメリカの大統領選挙が政策の戦いではなく、イメージの戦いだという証拠です。

理想的な大統領のイメージは、白人男性でプロテスタント、専業主婦の妻と子供がいて、良き家庭人であり(離婚経験などがない)、それまでに行政の実務経験がある人です。今更そんなイメージをアメリカの大統領に求めるのはバカバカしいと思う人もいるかも知れません。私もそう思います。

オバマ大統領もロムニー候補もそれから外れているし、副大統領候補は二人ともカトリックです。でも、オバマ大統領が黒人であるということとロムニー候補がモルモン教徒であるということは、2012年の現在でも決して利点にはなっていないのです。



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2012年10月14日

アメリカと南アフリカ

4年前、私はオバマ候補にそれほど熱狂的ではありませんでした。ヒラリー・クリントンの力強さが好きだったし、彼女ならばやってくれると思っていたからです。ところが、多くのアメリカ人はオバマが大統領になれば、あたかも世界が変わるかのように振舞っていました。

黒人がオバマ候補に熱狂的になったのは、十分理解できます。いくらアファーマティブ・アクションというものが法律で決まっていても、黒人が社会のトップまで登り詰めるのはかなり珍しい事なのです。大学生や若い世代も人種に関わらずオバマを熱狂的に支持していた人は多く、ボランティアはかなりの数に登ったようです。

でも、若くてハンサムで雄弁な黒人が大統領になったからと言って、すぐにアメリカの黒人全体の地位が上がったり、生活が良くなると期待するのは危険だとも思いました。急降下し続けていた経済を安定させ、新しいシステムを構築して雇用を産み出すのには時間がかかるからです。

それと全く同じ事をアメリカ人は1994年に南アフリカがアパルトヘイトを撤廃して、デ・クラーク大統領が退く時に言っていました。「いくらアパルトヘイトが撤廃されたからと言って、国家が一晩にして変わって、次の日から生活が楽になると考えるなら、国民は自分を欺く事になる。社会が変わって行くのには、それなりの年月が必要だ。南アフリカ人が、果してそれを辛抱強く待つ事ができるのか、疑問だ。」

南アフリカは、今でも問題こそ山積しているものの、それなりに持ちこたえていると思います。アパルトヘイト時代に行われた人種差別犯罪を明るみに出すために設定されたけれども、罰しない事が条件のTruth and Reconciliation Commissionには、関心させられました。

オバマ大統領が就任して4年後の今、再選をかけた戦いが続いています。4年前の熱狂は嘘のように冷めていて、人びとが口にするのは「オバマ大統領に裏切られた気がする…」という言葉です。

オバマ大統領は、無謀な二つの戦争と記録的な財政赤字を相続しました。それを4年間で奇麗さっぱり清算して、国民に豊かな生活を提供しないと言ってアメリカ人は「裏切られた」と言っているのです。

今アメリカ人は、1994年に南アフリカに対して言っていた言葉をそっくりそのまま自問すべきです。



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2012年10月11日

マスコミのロムニー叩き

ロムニー候補が先週の討論会で好調だった事から、ロムニー候補の支持率がグンと上がっています。それまでは瀕死状態だったのが、数字ではオバマ大統領とキッチリ肩を並べています。

共和党支持者は大喜びで、大変盛り上がっているようで、このままあと一ヶ月足らずを乗り切りたいと考えているようです。一方オバマ陣営は顔面蒼白で、あと2回の討論会と明日行われる副大統領候補同士の討論会でどうにか挽回したいと必死になっているのが目に見えます。

ニュースはどちらの候補もかなり公平に扱っていると思いますが、トークショーやお笑い番組系統では、先週の討論会以降ロムニー候補がかなり叩かれているのが大変興味深いと思いました。やはりこれは、若年層と女性にはオバマ大統領支持者が多い事を裏付けしているのだろうと思います。

オバマ大統領を笑いのネタにしにくいというのは既によく知られています。いつも完璧でスキがあまりない様子は、格好良くは見えても面白味に欠けるのです。そのかわり、バイデン副大統領は、失言も多い平民キャラクターなので、コメディアンには重宝されています。

ロムニー候補は、いくつかある自宅に車専用のエレベーターをつけたり、カナダへ家族旅行へ行った際に、車の屋根の上に犬が入ったスーツケースをくくりつけたという逸話があったりと、一般の人とはかなり異なる生活感覚を持つあたりがいじくりやすい要因となっているのだろうと思います。

明日は、副大統領候補同士の討論会です。大統領候補の討論会よりも面白いやり取りがあるのではないかと心密かに期待しているのですが、どうなるでしょうか。



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2012年10月10日

中国人街へ

今日は、主治医に新しい処方箋を出してもらうついでにインフルエンザの予防注射もしてもらおうと、ニューヨークの中国人街の一つ、フラッシングへ行って来ました。私の主治医も産婦人科医も両方台湾人なので、フラッシングで開業しているのです。

ニューヨークは人種による住み分けが高度に進んでいるところで、フラッシングは、台湾人の中国人街です。私のような素人には、フラッシングとマンハッタンのチャイナタウンの区別など付きませんが、中国人はちゃんと区別しているようです。

私の住んでいる近所にも内科医や産婦人科医は沢山いるのですが、私の内科医は夫が20年以上も通い続けているかかりつけの医師で、診察にたっぷりと時間を取ってくれるのが特徴です。そのため、待ち時間も長くなってしまう事が度々あるのですが、このような医師は滅多にいないので、わざわざ地下鉄で1時間かけてもそこに行くのです。

フラッシングに行くついでに、中国系のスーパーマーケットで買物をして来ようと、買物リストを片手に和食材料も買って来ました。私の住む近所にも日系のコンビニがあるのですが、やはり少々高いのです。日系のコンビニでしか手に入らない素材以外は、やはり中国系のスーパーで買物してしまいます。

新聞では、中国人が日本人を攻撃とかビジネスをボイコットとか、色々書いてありますが、ニューヨークではそんな事は全く感じません。中国人の主治医も、診療所の受付の人も、スーパーの店員も、以前と全く変わりありません。

駐在員でもなければ、自分の生まれ育った国を自ら離れて他国に住むというのは、かなり大変な作業です。それをあえて行わせるだけの強い動機が、それぞれの在米中国人にも在米日本人にもあったはずです。やはり、私を含めた在米外国人は自分の祖国を少々斜に構えた態度で見ているのでしょうか。それとも報道は、わざと事実よりもセンセーショナルに仕立ててあるのでしょうか。

このままあのちっぽけな島への人びとの関心が薄れて、もっと本当に重要な事にそれぞれの国民が情熱を注いでくれたらと密かに願っています。



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2012年10月3日

演説を見る観客の人種

大統領選挙もあと一ヶ月余りとなり、第一回目の候補者討論会も明日行われる予定で、テレビのニュースでも候補者のニュースを毎日のようにやっています。今日は、1〜2ヶ月前から気になっていた演説を見る観客の人種について書こうと思います。

ニュースを見ていると分かるのですが、オバマ大統領の観客の人種が入り交じっているのに対して、ロムニー候補の観客は見事に白人のみなのです。観客と言っても、演説をしている候補者の後ろに座っていてしっかりとテレビカメラに収まる人達なので、勿論全員サクラではあるのです。でも過去の大統領選挙では、どんな候補者も必ず要所にちらほらと黒人や南米系を配置して、幅広い人種からの支持があるように見せていました。

そういう努力までしていないと言う事は、もはやロムニー候補には白人以外の票を集めようなどという気持ちすらないように見えます。いくら白人の中高齢者は投票にいく傾向が高いと言っても、果たしてそれで勝てるのか疑問です。

選挙演説を見る観客の人種別人数集計みたいなのを、誰かやってないかと思って少し前に探した事があるのですが、見つかりませんでした。結局はサクラだし、カメラが何処まで観客を映すかにもよるので、実際に統計をとっても役に立たないのかもしれません。



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2012年10月1日

持てる者と持たざる者

何ヶ月か前、まだ共和党が大統領指名候補争いをしていた頃、車を運転しながらラジオから誰かが次のような事を言っているのを聞きました。
次のアメリカ大統領選挙の本当の焦点は、イデオロギーの違いでも、中絶問題でも、同性愛問題でも、外交問題でも、経済再建問題でも何でもなく、ただ単に持てる者と持たざる者の争いになる…
その時にはそうかしれないと思って聞いていましたが、いまではそうだと確信しています。1980年頃から、アメリカの中間層の所得は伸び悩み、最近では90年中頃の所得まで落ち込んでいます。失業者も相変わらず多く、不景気が長引けば長引く程持ちこたえられなくなる家庭も増えています。

それに比べて裕福層は、所得を倍増させています。アメリカの最も裕福な1%は、1979年から2011年までに所得を275%増やしています。同時期に中間層の所得の倍増は僅か18%です。

成功した人が評価されて、高い報酬を得る事に対して、アメリカ人はとても寛容なのですが、果してこれほどまで差をつけるべきなのかと思う人が増えています。

富の再分配という考え方さえアメリカ人は嫌います。一生懸命働いた高所得者の報酬を働かない人びとに分配するのは倫理的にも正しくないと考えるからです。でも、過去20年程の間、アメリカでは中間層の富が裕福層に再分配される結果となっています。

今まで雇用されていた会社から解雇された後、同じ会社から契約社員としてのオファーをもらい、今までの半分程の給料で医療保険も付いていないのに、以前と全く同じ仕事をしている人は増えているようです。損だとは分かっていても、それしかオファーがなければ甘んじて受けるしかないのです。

来週に大統領候補の討論があるので、それによって世論が少し動く事はあるとは思いますが、ロムニー候補が「持たざるものの生活を向上させてくれる」とアメリカ国民が感じる確立はかなり低いのではないかと思います。



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2012年9月28日

選挙の投票率

日本にいて日本のメディアからの情報を聞いていると、日本の選挙の投票率は他国と比べてかなり低いのだろうと思います。そして、アメリカにいてアメリカのメディアからの情報を聞いていると、アメリカの投票率はとても高いのだろうと思います。

過去のデータを見ると、1945~98の間の平均投票率は、日本が69%でアメリカが48.3%と日本の方が20%強高いのです。大統領選挙であんなに盛り上がるアメリカの投票率が低いのは、選挙人登録制度をアメリカが設けている事に由来します。

アメリカの場合、日本のように国民ならば誰でも投票権が自動的に与えられる訳ではなく、投票権を得る資格があるのです。私はアメリカ国民ではないので、投票権を得る資格はありませんが、今まで何度か投票権を取得しましょうというハガキが送られて来ました。アメリカ国民でも投票権を持たない人が多数存在するからです。今まで知らなかったのですが、ウィキによると日本のように住民票のある国では概して投票権の必要がないのだそうです。

アメリカの各候補者にとって、有権者に投票権を取らせる事がとても重要なステップとなります。特に、アメリカの法律や慣習に馴染みの薄い新移民は、投票権がないと投票できない事を知らない場合が多いので、私の所にも政府から広報ハガキが送られて来たのだろうと思います。

また、投票権を持っていたとしても、何を投票所に持って行かなければならないのかが州によって異なります。投票カードのみで投票できる州、それに加えて身分証明が必要な州、またどの身分証明が必要なのかもまちまちです。これが今大きな混乱となっていて、裁判がいくつか起っています。各州が発行する運転免許証は、何処の州でも身分証明証として広く認知されていますが、それを持たない人達も少なくありません。

最近の大統領選挙では、せっかく投票所に行っても、必要な身分証明を所持していなかったとして投票出来なかった人もマイノリティーを中心にいたようで、ニュースでも報道されていました。接戦の選挙では、どれだけ投票所の身分証明を厳しくするかも結果に大きく作用するのです。



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2012年9月24日

オバマ政権の二つの地雷

アメリカの大統領選挙まであと数週間です。景気回復はまだまだ遠いものの、その兆しが見えて来たと感じる人は今までになく多いようで、それがオバマ大統領の支持率をささえてもいます。あと数週間の間不測の事態が起らない事を選挙陣営は祈っている事だろうと思います。

その間、オバマ政権には絶対に踏みたくない二つの地雷があります。イランとイスラエルの問題、そして日本と中国の問題です。どちらの問題も一方が手を出せば、地域紛争が膨れ上がる懸念があります。この二つの地域はアメリカにとって軍事的にも経済的にも重要なので、アメリカは事態を悪化させないように必死です。

どのような理由があっても、これ以上アメリカが他国の紛争に軍事介入することは、国民の猛反対を食らいます。アメリカ本土こそ戦争に巻き込まれていませんが、長年の戦争のおかげて財政赤字は膨らみ、国民は憔悴しています。それがリビアへの関与も最小限にとどめ、シリアへの出兵もない大きな理由の一つです。

アメリカには徴兵制度がありません。これ以上の容易な戦争を抑止するために、アメリカにも徴兵制度を導入すべきだとチャールズ・ランゲル下院議員は以前から繰り返し言っています。自分の子供が戦争に取られると思えば、戦争を始める前にもっとよく考えるだろうという意見です。

徴兵制度が今のアメリカにないのは、偶然ではありません。ブッシュ前大統領がイラク戦争を始める前に「この戦争はボランティアでやることが重要だ」と言っていました。兵士の数が十分ではないと最初から分かっていたのに、徴兵制度はあえて設けなかったのです。徴兵制度を設ければ、ベトナム戦争の時のような反戦運動が起る事は必至だと予測したからです。

9/11直後は沢山出た志願兵も、今では殆どないようです。一度志願すれば、人手が足りない為に3度も4度も戦場に送られてしまいます。いくら国の為とはいえ、それで身体的精神的な傷を負ったり、命を失ったりするのは割に合わないと思うのは当然です。戦闘で死亡した場合、国から支払われるのは100,000ドル(約800万円弱)なのだそうです。

イランとイスラエルの問題の方が、日本と中国の問題よりも根が深く狂気を含んでいるように思います。それでもどうにかしてアメリカは今の所イスラエルを制止しています。おそらく尖閣諸島の問題もほとぼりが冷めるのを願って日中の両国を制止し続けるのだろうと思います。

それでもアメリカが全てをコントロールできる訳ではないので、緊張した地域にいる一人の人間が誤って引き金を引いてしまえば、事態は収拾がつかなくなってしまう可能性があります。実際に歴史上の多くの戦争は、そうやって始まっています。イランもイスラエルも日本も中国も賢くあって欲しいと願っています。



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