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2012年12月24日

全米ライフル協会の言い分(ビデオ)

コネチカットの大量殺人の後、一週間程NRAは沈黙を守っていましたが、ついに「重大発表」というのを先日行いました。

日本のマスコミ論調はNRAの発表を充分に理解していないような気がします。ラピエール代表の主張の核心は「銃を持つ悪い奴と対抗する為には、銃を持つ良い奴が必要である」ということです。つまり、もっとアメリカに銃を増やす事こそが安心して生活できる社会になると言っているのです。

ラピエールは、頭がおかしい精神病患者や残忍なビデオは野放し状態であり、そういう悪から子供達を守る為には銃が必要である、各学校には武装した警官を置いて学校の職員も武装すべきであると言っています。

NRAは、言いわけなどしていないし、守りにも入っていません。様々な統計調査によると、約半数のアメリカ人は銃規制に反対しているという背景があるので、コネチカットの件があっても守りに入る必要性を全く感じていないようです。

スピーチには完全な責めの姿勢が見られます。今までもそうであったように、今回も結局はNRAの勝利に終わり、さらなる銃規制撤廃に繋がると確信しているのです。

健康保健と同様、これはアメリカの正念場だと思います。やりようによっては、今回は今までとは違った結果となる可能性を含んでいます。銃規制を求める人びとと団体に必要なのは、NRAよりも多くの資金とNRAを恐れない政治家です。





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2012年12月18日

銃規制と精神科医療への僅かな希望

おそらく、今回の小学校での銃撃事件は、銃による犯罪に鈍感になってしまったアメリカ人にとっても衝撃的だったのでしょう。20人もの小学校1年生が殺され、無事だった子供達もその場を目撃しなければならなかったというのは、惨すぎます。

今までかたくなに銃規制に反対していた議員達が、一人二人と意見を変えて来ています。全米で最も強大な圧力団体と言われている全米ライフル協会は、今の所黙ったままです。かねてから銃規制を呼びかけていたニューヨークのブルームバーグ市長は、この機会をつかんで国家レベルでの銃規制法案を通過させようと活発に動き回っています。

私は、アメリカの銃政治に飽き飽きしていますが、もしかしたら今回ばかりは今までと違うかもしれないと僅かながら希望と期待を持って状況を見守っています。例え銃規制が一時の流行のようなものでしかなくても、法案を成立させる事ができるのならば、それはそれで意味があります。

また、銃規制と同時にアメリカで精神科医療を多くの人の手が届くものにする事も重要です。犯人の精神状態や家庭の崩壊、人間関係の希薄さに全ての責任を被せるつもりは全くありませんが、犯人が特殊な精神状況にあったのは事実のようです。銃撃犯人アダム・ランザは、アスペルガーだったと言われています。

アスペルガーは高機能の自閉症で、非常に高い知能指数を持っていながら他人との関係を築く事ができません。パッと見た目は普通な場合が多いのですが、同じクラスにアスペルガーの子供がいれば、クラスメートはその違いに気がつきます。アスペルガーを持つ人は、虐められたりして被害者になるケースは多いものの、事件の加害者になるのは極めて稀です。

犯人の母親は数年前に離婚した前夫から年間2千万円以上にも及ぶ生活費と養育費、及び健康保健を受け取っていたようです。裕福な地域にある大きな家で息子に家庭教育を与えながら二人で住んでいましたが、その母親が第一番目の被害者となりました。もしも犯人が精神科やセラピストに通っていたならば、そこから犯人の動機や精神状態が分かって来るかも知れません。

アメリカの健康保健は精神疾患の治療をカバーしない事が多く、保険の一部負担がなければ精神科の医師やセラピストの費用は全て各自が支払わなければなりません。精神科の医療はかなり高額な場合が殆どなので、精神科の治療を受けたくても受けられない人びとは沢山います。

精神分裂症のような深刻な精神疾患でなくても、たとえばパニック症候群や鬱病などのよくある病気でも診療を受ける事ができなければ悪化する事は目に見えています。アメリカのホームレスの半数以上は何らかの精神疾患を負っているというデータもあります。

被害者やその家族に対する追悼の言葉も、同じ事を繰り返さないという確固とした覚悟と約束がなければ、ただ空しく響くのみです。銃に対する何らかの規制を行い、精神科の医療を一般の人びとが受けられるようにする事こそが、本当の意味での被害者の追悼になるのだろうと思います。



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2012年12月17日

ハヌカと小学校の大量殺人

ユダヤ教のハヌカは8日間に及ぶ光の祝日です。クリスマスと同時期の為か、ハヌカを祝っている間の毎晩、子供にプレゼントをあげる習慣があります。今年のハヌカは8日(土)の日没から16日(日)の日没まででした。

このハヌカの最後の数日を伴に祝う為に、私達家族はフィラデルフィアの郊外に住む夫の親戚の家へ招待されました。14日(金)の午前10時頃、私達家族は荷物をまとめて出発しました。

夫の親戚の人びとは、オーソドックスのユダヤ人です。金曜日の日没から土曜日の日没までは安息日となっているので、一切の労働をしない事になっています。それに間に合わせようと、慌てて地下鉄や電車を乗り逃がさないようにしたので、金曜日の日没ギリギリの頃に親戚の家へ到着しました。

一切の労働をしないというのは、働く事も料理もテレビを見る事もコンピューターを使う事も電気をつけたり消したりする事も含まれます。そのため、金曜日に起きたライフル乱射大量殺人の事件はしばらく後に携帯を見るまで知りませんでした。

今回ばかりは、一切の外界から遮断されたような3日間を過ごせた幸運に感謝しました。おそらく、アメリカ中の小さい子供を持つ親は、子供達になるべく事件のニュースを見せないように務めていたはずです。小さい心は毎日楽しく過ごしているべきで、今のアメリカの一番醜い姿をこのような形で見るべきではありません。

これでもう何度目の銃による無差別大量殺人か分かりません。しかも今回は、20人の小学1年生を含む27人が犠牲者となっています。アメリカは素晴らしい国だと思いますが、子供の生命や教育、医療よりも胎児の人権や銃を所有する自由が優先されている事実には反吐が出ます。

惨事を生き残った子供達にとって一番必要なのは、同じような事が二度と起らないと言う約束と確認です。残酷な事に、今のアメリカはその基本的とも言える安心を子供達に約束できません。

何故アメリカで銃規制に反対する人が多いのかはそれなりの理由があり、以前ブログにもその説明は書きました。でも歴史や個人の銃を保有する権利が、年間3万人以上の銃による犠牲者よりも価値があるとは私には思えません。

銃規制に反対する人びとは、家庭の崩壊や人びとの心の荒廃が大量殺人の原因だと主張します。でもそれは何処の国でも同じです。アメリカ以外の国で、銃による大量殺人事件が度々起きないのは、銃が巷に氾濫していないからです。

アメリカが建国されつつあり、州の自衛団が独立の為にイギリスと戦った当時は、ライフルから銃弾を一発発射した後、二発目を発射するのに二分程かかったと聞きました。今では一分間に自動小銃を使って何十人もの殺人が可能です。人間関係だけでなく銃も、アメリカ建国の当時とは大きく異なっている事をアメリカ人自身が知るべきです。

例えこのような惨事を何度も経験し、何百人の子供が殺されたとしても、私にはアメリカが銃規制に成功するとは思えません。オバマ大統領は、何らかの意味のある変化を約束すると言っていますが、私は懐疑的です。

それでも僅かばかりの銃規制法案を通過させる可能性があるとすれば、今しかないというのが多くの銃規制を支持する人びとの見方です。オバマ大統領は二期目でアメリカの大統領は三選がない為に、もう選挙に勝つ事を考える必要がありません。

アメリカ国民の怒りや悲しみがまだ新たなうちに、銃規制法案は議会で討論されるべきです。



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2012年10月22日

チャリティーイベント

アメリカ癌協会が主宰する、乳がんの治療を支援するチャリティーイベントに行って来ました。私と夫と息子とでセントラル・パークを4マイル歩いて来ました。朝方は少し風が冷たかったので、私達は色々着込んで出かけたら、11時位までにはかなり暖かくなっていて、タンクトップ姿の人も見かけた程です。

私の内科医はかつて乳がんを患った事があるそうで、毎年10月になるとそのイベントにグループ参加しているのです。私自身歩くのは好きだし、毎年声がかかるので特別な用事がない限りは参加しています。

私の友人と夫の義理の姉も乳がん経験者で、それぞれ苦しい闘病生活を一時期送っていた事があります。幸い3人とも早期発見だったので、乳がんは完治しています。今では普通に働いて生活しているのを見ると、乳がんの宣告は必ずしも死刑宣告ではなくなったのだと実感します。

このように乳がんが早期発見され完治できるようになったのは、大勢の人の寄附により多額の研究費用が注ぎ込まれるようになったり、マモグラムを保険を持たない人にも行う努力をしてきたからです。

乳がん関係のイベントの先頭に立ち、寄附を多額に集め、乳がん治療に大きく貢献してきたのがコーメン乳がん基金という団体です。アメリカで最も信頼されている非営利団体と言われるそうですが、2012年1月にはその信頼に大きな傷がつきました。その後は方向修正したようで、これからも沢山の支持を受けて行く事は間違いないと思います。

アメリカ人が寄附を頻繁に行うのは、アメリカ人の気質というのもあるかも知れませんが、日本と異なり非営利団体に寄附した金額は税金の控除になるという事実もあります。全ての寄附した金額が控除として扱われるのではなく、細かい規定が色々とあるのですが、不動産を持つ人、家のローンを支払っている人、多額の寄附がある人は、この控除を受けるのに有利です。つまり、この控除はある程度の資産を持っている人にしか当てはまらず、借家に住んでいる人が100ドルの寄附をしたところで、その額は税金の控除にはなりません。

チャリティーは、とても意味がある事で私も自分の考えと同様のチャリティーは支援したいと思っています。でも貧しい人が国のシステムによってでなく、チャリティーによってしか援助を受けるられない国家は、先進国とは言えないと思います。



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2012年10月1日

持てる者と持たざる者

何ヶ月か前、まだ共和党が大統領指名候補争いをしていた頃、車を運転しながらラジオから誰かが次のような事を言っているのを聞きました。
次のアメリカ大統領選挙の本当の焦点は、イデオロギーの違いでも、中絶問題でも、同性愛問題でも、外交問題でも、経済再建問題でも何でもなく、ただ単に持てる者と持たざる者の争いになる…
その時にはそうかしれないと思って聞いていましたが、いまではそうだと確信しています。1980年頃から、アメリカの中間層の所得は伸び悩み、最近では90年中頃の所得まで落ち込んでいます。失業者も相変わらず多く、不景気が長引けば長引く程持ちこたえられなくなる家庭も増えています。

それに比べて裕福層は、所得を倍増させています。アメリカの最も裕福な1%は、1979年から2011年までに所得を275%増やしています。同時期に中間層の所得の倍増は僅か18%です。

成功した人が評価されて、高い報酬を得る事に対して、アメリカ人はとても寛容なのですが、果してこれほどまで差をつけるべきなのかと思う人が増えています。

富の再分配という考え方さえアメリカ人は嫌います。一生懸命働いた高所得者の報酬を働かない人びとに分配するのは倫理的にも正しくないと考えるからです。でも、過去20年程の間、アメリカでは中間層の富が裕福層に再分配される結果となっています。

今まで雇用されていた会社から解雇された後、同じ会社から契約社員としてのオファーをもらい、今までの半分程の給料で医療保険も付いていないのに、以前と全く同じ仕事をしている人は増えているようです。損だとは分かっていても、それしかオファーがなければ甘んじて受けるしかないのです。

来週に大統領候補の討論があるので、それによって世論が少し動く事はあるとは思いますが、ロムニー候補が「持たざるものの生活を向上させてくれる」とアメリカ国民が感じる確立はかなり低いのではないかと思います。



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2012年9月8日

変わるアップルのイメージ

私は長年デザイン関係の仕事に携わっているので、Macを使い続けています。今では必ずしもMacを使わなくてもデザインは出来ます。でもMacの使い心地自体好きだし、長年の慣れとウィンドーズに変えようとするとアプリケーションを揃えたりする初期投資にも費用がかかってしまう為に今更スイッチする気はありません。

アップルは不況のアメリカにあって業績を爆発的に伸ばしている会社です。以前Macintoshコンピューターが売れない時代には、アップル製品はカリフォルニアで生産されていた為に、たとえそれがPCよりも割高でもアップル製品を買うのはアメリカにとって国産品を買う事で、倫理上正しい事でした。

そのうちに世の中ではメモリーチップやハードドライブがどんどん安くなり、アップルもiMac、iPhone、iPad等を続々と発売していつの間にか生産拠点も中国に移って、以前に比べて生産コストは安くなりました。でもアップル製品は已然高いままです。そしてその利潤は会社に莫大な利益をもたらしています。

私もデザインを生業としているので、ブランドイメージを作り上げて維持する為にはそれなりの費用がかかるというのは十分に認識しています。大企業だけではなく、中小企業ももっとブランディングを大切にして、商品やサービスの付加価値を高めるべきだと常日頃言っています。

ただ、私が消化不良を感じるのは、アップルには人と地球に優しいイメージが定着しているのに、生産拠点のフォックスコンでは、劣悪な労働条件の元に多くの中国人が働いている事です。それが世間に知られていない訳ではないのに、アップルのイメージは不思議な事に無傷なのです。

今の所、世界中はアップル製品に魅せられています。オキュパイ・ウォール・ストリートもアップルを攻撃しませんでした。いつかアップルもウォール・マートのように不買運動のターゲットとなる日が来るのでしょうか。カリスマ的なスティーブ・ジョブズ亡き今、これからのアップルは製品開発だけでなくブランドイメージを注意深くコントロールする事が更に重要になったはずです。


追記:やはり、カッコイイ、ブランドイメージが良い、トレンドセッター達を味方につけているというのが、アップルがその人気を維持できる理由なのだろうと思います。ウォール・マートが執拗に糾弾された理由は、強引なマーケティングもあるだろうけれど、貧困層を相手にした格好悪い商売だからなのでしょう。

アップルをバッシングするためには、バッシングする側(同種の製品を売る会社にしてもオキュパイのようなノン・プロフィットの団体にしても)がアップルよりもさらにクールなイメージがないと勝算はないのだろうと思います。



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2012年8月27日

空腹なアメリカの子供達

豊かな国アメリカでお腹を空かせている子供達が実は沢山いるのだと書いたら、驚く人がいるかも知れませんが、2010年の統計によると1,600万人の子供達が食料確保の難しい家庭に育っているのだそうです。先日のニューヨークタイムスの記事にもアメリカの教育費の削減や食費援助プログラムの縮小によって更に多くの子供達がまともな教育が受けられないどころか食べる物にも事欠くようになれば、2030年頃には中国やインドとの競争力をさらに失うと書いてありました。

私の息子の通う学校は住宅地の中にある公立の小学校で、子供達の人種も家庭の経済状況も実に様々です。少し離れた所から通って来る比較的裕福な家庭の子供がいる一方、家庭で充分な食事がとれない子供もいます。それを現実に目の当たりにしたのはある日、何かの都合で息子を少し遅れて登校させたときでした。

学校側に直接渡したい書類もあったため、息子と供に職員室まで行った時に、もう一人遅れて来ている子供がいました。ちょうどその場に居合わせた校長がその子に朝食を食べて来たかどうか質問していました。子供が食べていないと言うと、校長は「お腹が空いていては勉強に集中できないから、カフェテリアに行きましょう。何かあると思うから。」と言ってその子の手を引いて職員室から出て行きました。

普通、子供は無理矢理にでも親に朝ご飯を食べさせられてから登校するものだと私は思っていましたが、アメリカでは事情が少し異なるようです。アメリカの小学校は、子供の食料事情にまで気を使わなければならないのかと驚いた反面、校長の行動には敬服しました。

ニューヨーク市の学校給食は一人一食$1.50でまかなっていますが、経済的に困窮していて支払いが困難な場合には、前もってそれを証明する書類を提出すれば、給食費は減額若しくは全額免除になります。朝食を家庭で食べるのが困難な子供達は、朝少しだけ早く登校すれば学校で無料の朝食を食べる事も出来ます。

アメリカの学校の給食は日本の栄養バランスにも優れた美味しい給食と比べれば本当にお粗末なものですが、そんな給食でも食べるのを楽しみにしている生徒が少なからずいます。アメリカの子供達の約5人にひとりは年収が約2百万円以下の貧困家庭に育っており、毎日夕食が食べられるとは限らないので、給食がとても重要な栄養補給の場になっています。そういう子供達の為に、ニューヨーク市では夏休みの間にも学校を開けて朝食と昼食を子供達に食べさせている所が地域にかならず一つはあります。子供がその学校に通っている必要はなく、ただ子供をそこに連れて行けば、子供は無料で食事が出来るようになっています。

色々と考えさせられます。



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2012年7月26日

ペンシルバニア州立大学への罰則

少し前のブログで、ペンシルバニア州立大学のアメリカン・フットボールチームでコーチをしていた人が長年に渡って10才前後の多数の少年を性的に虐待していた事が明るみに出た事に触れました。そのコーチは有罪となり、現在服役中です。

その後、大学側もアメリカン・フットボールの名門校としての名声を保ちたかった為に、コーチの一人が少年に対する性的虐待を行っているのを知っていたにも関わらず、それを止めさせるような措置を何も取らなかった事も明らかになりました。そのためNCAAは、大学側にも重大な責任があると見て、約4億7千万円の罰金、1998年からの同校のアメリカン・フットボールチームの輝かしい記録の抹消、向こう4年間の試合の禁止などの厳しい罰則をペンシルバニア州立大学に言い渡しました。4年間試合を禁止されれば、おそらくフットボールチームの再起は不可能だろうと言われています。

ペンシルバニア州立大学と有罪になったコーチの関係は、日本の学校で起るいじめとそれを隠蔽しようとする学校側の体質に良く似ています。どちらも学校側が体裁を保つ為に、校内の汚点を見て見ないふりをしていたのです。日本でもいじめによる自殺が度々あり、ようやく大津市中学生の自殺をきっかけに何かが変わろうとしているように思えます。



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2012年7月22日

次の銃撃事件

残念ながら、もはや珍しくなくなってしまったアメリカの無差別銃撃事件ですが、今回の事件は死傷者が多数出た事とバットマンの新作映画を上映中の映画館で起った為にかなり注目を集めています。テレビでの扱いを見てみると、2001年にニューヨーク市郊外の住宅地に旅客機が墜落して265人が死亡した時よりも多くの時間が割かれているように思います。それだけアメリカ人にとってもショッキングで国民の関心度も高いのでしょう。

まだ、犯人の動機や事件の背景などの詳しい事は分かっていないのですが、しばらくの間は銃規制の問題が話題になるのだろうと思います。アメリカもニューヨーク市長を含めた都市部の市長達は、銃に関する法律が比較的緩やかな南部の州から流れて来る銃によって引き起こされる様々な事件に頭を悩ませているので、かねてから何らかの銃規制が必要だと繰り返し言っています

銃規制は、例え銃による無差別殺人が何度繰り返されても、アメリカでは昔から人気のない話題です。今年末の大統領選挙でも銃規制を論点にすれば負けることが分かっているので、オバマもロムニーもわざわざ火中の栗を拾うような真似はしないはずです。

しばらく前にエコノミスト誌で興味深い記事を見ました。アメリカで一番強力なロビイストだと言われている全米ライフル協会は、実際は世間で思われている程の影響力は既にないのではないかというものです。全米ライフル協会の会員の多くは南部に住む中年白人男性なので、将来の会員数は、白人中年男性の人口減少とともに減少するだろうとエコノミスト誌は見ているからです。

ただ、全米ライフル協会に属さないアメリカ人や自分で銃を保持しようとも思わないアメリカ人でさえ、銃規制と聞くと「自由の剥奪」や「憲法違反」という言葉を自動的に連想するほど、アメリカの銃を肯定する教育は一般の市民に浸透しています。いくら全米ライフル協会の力が弱まったとしても、アメリカ人一般の銃に関する考え方を変えて行くのは容易なことではないと思います。



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2012年6月23日

児童虐待

昨日、全米の注目を集めている児童虐待の裁判が結審しました。ペンシルバニア州立大学のアメリカンフットボールのコーチが長期間に渡って複数の少年を性的に虐待していた疑いです。ペンシルバニア州立大学は、アメリカンフットボールの名門大学として知られており、この前コーチは、様々な問題のある子供達にアメリカンフットボールを教えるという非営利団体も運営しており、犠牲者はそこに通う子供達でした。

8才ぐらいから14才ぐらいまでの少年が、代わる代わる何十年にも渡って虐待されていた事を関係者は本当に知らないでいたのか、それとも問題がある事を知りながらスキャンダルを避ける為に組織的なもみ消し工作をしていたのかも、コーチ自身の裁判と合わせて問題になっています。

少し前には、カトリック教会の神父が信者の子供達(主に男の子)を性的に虐待し続け、それを教会側は知りながら警察に通報せず隠蔽し続けていたために、虐待を行った神父は何十年にも渡って少なくとも何十人(何百人?正確な数は分かりません)もの男の子を虐待し続けたという事実が全米各地で次々と明るみに出た事もありました。カトリック教会の児童に対する性的虐待は、アメリカに限った事ではなく、同様の事件がアイルランドでも頻発していた事が判明し、大きな問題になりました。

以前は、幼児や児童の性的虐待というと、女の子が被害者であるという概念が一般的だったと思いますが、過去20年位に渡って男の子も女の子と同様に性的に虐待されている事が実際の悲惨な事件を通して明らかになって来ました。ただ、男の子の方が、女の子よりも性的に虐待された事を言い出せない場合が多いのだろうと思います。また、勇気を出して親に虐待の事実を伝えたとしても、親がそれを子供に口止めするケースも少なくなかったようです。

これは、自由のタガが外れてしまったアメリカのみの問題なのか、それとも実は世界中に存在するけれど、言論の自由が強く保障され、しかも訴訟社会であるアメリカだからこそ表に出て来ているのか、それは何とも分かりかねます。



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2012年6月20日

アジア系移民の増加

アメリカでは、今移民に関する2つのニュースが関心を集めています。一つはオバマ大統領が発表した勅令です。両親によって子供の頃に違法にアメリカに連れて来られた、現在30才以下の移民に労働許可を与えるというもの。もう一つは、アジア系移民がヒスパニック系にとって変わって、アメリカの新移民の最多数派になったというニュースです。

一つ目の大統領の勅令のニュースは、多くの若いヒスパニック系違法移民に当てはまります。より良い生活と子供の将来の為に、違法にアメリカへ入国したメキシコや南米からの移民は多く、そのアメリカで育った子供達が大学を出て就職しようとしても、ソーシャルセキュリティー番号がない為に仕事につけないでいます。大統領選挙が年末に控えている為、この勅令はヒスパニック系の票集めではないかとの批判もあります。

ヒスパニック系移民は以前程増加していません。移民法が厳しくなった事と、アメリカの景気が悪いために自国へ自発的に帰る移民も多く、メキシコとの国境を超える人の出入りは、去年同数になったというニュースもしばらく前にありました。

一方、アジア系移民の増加は、アメリカにいれば誰でも感じます。アジア系移民は、英語が話せない人もいて労賃も安く、2〜3の仕事を掛け持ちしなければならない人も多いのですが、子供に勉強を強く奨励するのが特徴で、奨学金で有名大学に入れてしまう事も珍しくありません。ニューヨーク市立の優秀な子ばかりが受験で入るような高校には、アジア系学生の割合がかなり高くなっています。英語が話せない親達の為に、通訳のサービスを設けている高校さえあります。

ただアジア系移民と言っても、日本人は少数派で、殆どが中国人、韓国人、べトナム人などです。私もアメリカ人の目から見れば完璧な中国人で(おそらく、一部の移民の中にも、日本人も中国人の一種だと思っている人もいるはずです。)それを茶化された事も何度かあります。今までは、差別と言えば黒人とヒスパニック系のみが当てはまるような風潮がありましたが、これからはアジア系の移民への差別も差別として認識されるようになるのだろうと思います。



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アグリビジネス

私はなるべくオーガニック食品を食べるようにしていますが、実はそれで健康になれるとか癌にかかりにくくなるとは思っていません。ただ、オーガニックの野菜や鶏肉等がとても美味しいのと、アメリカのアグリビジネス(農業ビジネス)のあり方に大いに疑問を感じるので、オーガニックを食べるべきだと思っているからです。

アメリカのアグリビジネスは、今世間で叩かれている儲け至上主義の企業と全く同じ原理で経営されており、日本人が考える「農業」とは大きくかけ離れた産業です。より効率的に、より安く、より大量に、規格品を生産する事に重点が置かれすぎている為に、味や栄養分が犠牲になってしまいました。

スーパーで見るトマトは形も色も綺麗だけれど、子供の頃に食べた臭いのキツい癖のあるトマトとは全く別物です。病気に強くてより短期間で収穫でき、また出荷中にトマトが潰れたり傷ついたりしないように身が堅めのハイブリッド種が市場には出回っています。消費者は見た目がトマトらしいトマトを買う傾向にありますが、形態から味などわかるはずがありません。その結果、美味しいだろうと思って買って来たトマトの殆どが味気ない、トマトの味のしない代物になってしまいます。

オーガニックのトマトやその他の野菜は、野菜が本来持っている味がして、とても美味しいのですが、贅沢品のように値段が高いのが難点です。農薬や化学肥料を使わないオーガニック農法は、それだけ手間や時間がかかるので、スーパーで買う野菜よりも値段が高くなってしまうのは理解できます。でも本当にオーガニックが世間に広く受入れられるようになるには、もうすこし値段が下がる必要があると思います。

アメリカでは、トウモロコシと大豆の生産をする農家には政府からの助成金がでるので、アグリビジネスは大量のトウモロコシと大豆を生産します。その大量に生産された安いトウモロコシと大豆は、家畜の飼料、ハイフラクトースコーンシロップ、コーンスターチ、コーンオイル等になります。またそれが更に加工されて、ソーダやジュース、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、アイスクリーム、お菓子類、ケチャップ、カップ麺など、殆どの安価な食品が出来上がります。牛肉でさえ原料はトウモロコシです。

そのトウモロコシに除草剤などがあらかじめ仕組んである、所謂遺伝子組み換え技術が使われているのは、広く知られたところですが、それを食べても除草剤は体内に入るわけではなく、健康にも支障がないのは科学的に証明されています。それでは何がマズいのかと言えば、安価に生産されたトウモロコシや大豆が貧困層をターゲットとした食べ物だと言う事です。

それなりに経済的に余裕がある家庭は、新鮮なオーガニック野菜や肉を買えますが、限られた少ない予算で5人家族を満足させようと思えば、安くてお腹がいっぱいになる、トウモロコシや大豆の加工品を買うハメになってしまうのが現在のアメリカの現状です。貧困層が多く住む地域には、新鮮な野菜や果物が買える八百屋やスーパーさえあまりありません。加工された食品は、塩分、油脂、硝酸塩、安定剤等を多く含み、それを食べ続ける事によって、高血圧や糖尿病を引き起こします。だから、アメリカでは貧困層に肥満が多いのです。

オーガニックとまでは行かなくても、トウモロコシと大豆への助成金を削り、普通の野菜や果物の生産にそれを回し野菜や果物の値段を下げるのが、アメリカにはびこる肥満と戦う一つのやり方ではないかと多くの人が言い始めています。



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2012年5月14日

肌の色

ニューヨークタイムスの週末版教育セクションに "Why Don't We Have Any White Kids?" と題された少々長い記事がありました。ニューヨークの公立小中学校では人種による隔離が進んでいるために、子供達に良い影響を与えないという内容です。

ニューヨークは、地域によって人種による住み分けがはっきりしています。例えば、マンハッタンは、ハーレム、イーストハーレムを除いて白人居住者の多い地域、スタテンアイランドは圧倒的にイタリア系の多い地域、ブロンクスは黒人と南米系の多い地域、ブルックリンは地域によって白人地域と黒人地域が別れていて、クイーンズは新しい移民が多く人種的な混在が見られます。と言っても、これはかなり大雑把な線引きで、実際はクイーンズのフォーレストヒルズには白人と中国人韓国人が多いとか、ブルックリンのクラウンハイツには黒人とウルトラオーソドックスのユダヤ人が多いとか、それぞれのコミュニティーにはそれぞれの特徴があります。

記事にある学校は特にブルックリンのチャータースクールという種類の公立学校に関してです。地域には白人の家族も住んでいるのですが、その子供達は優秀な子供達のみが入れる地域外の公立学校や私立学校に通っており、近隣の公立学校に入る子供達は黒人の子供達のみという状況になっているようです。

住んでいる地域も黒人が多く、社会的な繋がりや学校で顔を会わせるのも黒人のみという隔離された状況は、実際のアメリカ社会とは大きく異なります。そういう環境で育った子供達が学校を卒業して社会に出たり大学に進学した時に、他の人種の人々と顔を合わせてコミュニケーションを取らなければならない状況に置かれても、相手の肌の色しか目に入って来ないのではないか、とある保護者は記事の中で懸念していました。

そもそも日本人には、「相手の肌の色しか目に入って来ない」というのがどういう事なのか全く理解できない人もいると思います。例えば日本の公立小学校に若い白人アメリカ人の女性の英語教師が配属されたとします。その地域に白人は住んではいるけれど、特別に交流があるわけでもない程度の状況で、学校にいるたった一人の白人教師は、いつまでたっても白人教師でしかありません。その人がどういう教育信念を持った人なのか、どんな社会的な考え方を持った人なのかという人格がなかなか浮き出て来ないのが現状だと思います。

肌の色や表面的な雑作ではなく、その人物の内面を知る為には、儀礼的な挨拶だけではなく、もっと突っ込んだ会話が必要です。子どもだったら、同じクラスに違う肌の色をしていて、違う価値観を持った子どもがいると、そのクラスメートとの会話、友情、衝突、軋轢を通して、世の中には自分と異なった人々が存在するのだというのを経験として学ぶ事ができます。

当然ながら、日本では多彩な人種がいる小学校のクラスというのは、望んでも得られるものではないのですが、だからこそ日本のようなモノカルチャーの世界で生まれ育つ人間は、これからの国際化された世界を生きるにあたって、ある種のハンデキャップを潜在的に抱えていると理解するのは重要だろうと思います。



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2012年3月25日

フロリダの少年射殺事件

フロリダの高級住宅地で、親戚の家に遊びに来ていた17才の少年が、地域の自警団長に射殺されるという事件が起りました。少年は缶紅茶とキャンディーを買った帰りで、銃やナイフの類は全く持っておらず、ただ歩いている所を追跡され射殺されたようです。少年が黒人であるという事とフード付きのジャケットを着ていたというのが、自警団長が警戒した理由らしいのです。自警団長は、警察から委託されているわけでも、特別な自警の訓練を受けたわけでもなく、拳銃を持ち歩いている全くの素人のようですが、射殺は正当防衛だったと主張している為に警察に逮捕さえされていません。

多くのメディアは、黒人差別とフロリダの行き過ぎた正当防衛の法律の二つの面から、この事件に関して報道しています。もしも少年が黒人ではなかったら、おそらく怪しいと思われる事もなかっただろうし、射殺される事もなかったと思います。黒人が大統領になっても黒人差別があるというのは事実だし、正当防衛ならば何をしても許されるという法律もおかしいと思いますが、銃規制に関しても語られなければ、この問題への取り組みは片手落ちだと思います。残念ながら、これを機に銃規制についてもう少し考えてみようという団体や報道は見当たりません。ナショナル・ライフル・アソシエーションの得体の知れない恐ろしさを改めて感じます。

日本でも明らかに日本人ではないと分かる人が、地方の小さな街を歩いていたら、住民は振り返って見るだろうし、よそ者、外人という事で、警戒するだろうと思います。ヨーロッパにも黒人、アラブ人、東洋人に対する差別は根強くあります。おそらくどんなに文明が進んでも、なんらかの差別は存在すると思います。ただ、アメリカ以外の先進国では一般人が銃を持つ習慣がないので、差別こそ存在しても、それによって死者が出る事は稀なのです。



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2012年3月5日

アメリカ大統領選挙の争点

ちょっと固そうな題名を付けましたが、専門的な事ではなくてかなり一般的な内容です。アメリカの今回の大統領選挙は、経済問題で始まり経済問題で終わるはずだと思っていました。勿論、イランやシリアの緊迫した状況やイラク、アフガニスタンも考慮に入れれば、軍事の話題が経済の話題に取って代わる事もあり得ます。

ところが、今共和党の大統領候補者選挙で盛り上がっているのは、経済や軍事の云々ではなく、女性の避妊に関する問題なのです。私も女性だし、避妊や中絶問題に関しては、沢山言いたい事はあります。でも、アメリカの大統領に立候補しようとしている人々が、現在のアメリカの惨憺たる経済状況とキューバ危機以来の緊迫した国際状況を一番の争点として扱わず、避妊が正しいとか正しくないとかあれこれ言いあっているのは、全く恐ろしい限りです。



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