2012年5月18日

ブランディング

他人と同じである事が安全であり、目立ちすぎない事が尊ばれる日本では、あまりブランディングという事は声高に叫ばれません。ブランディングとは平たく言えば、自社のサービスや製品がいかに他社と異なっているかを際立たせる作業です。以前使っていたのと同じ物やサービスが欲しい買い手の立場を考えた場合、より良い製品やサービスを提供しようとしても利点にはならないと考えるのかも知れません。

ネームバリューだけでも売れるような大企業ならば、新製品や新サービスを出して他社との差をアピールするような冒険を犯しても消費者は興味を持ってくれるだろうし、その改革的な態度が評価される事はあるでしょうが、既に評価の定まった品物やサービスを提供する日本の中小企業は未だにブランディングを避けて通るものと考えるのが一般的なようです。

ところが、世の中は良くも悪くもどんどんグローバル化しており、その影響はどのような職種にもどのような国にも訪れています。生産の拠点は東南アジアへ移り、食品は輸入され、税理士は税金のソフトウェアーに変わり、弁護士は安価なオンラインシステムに変わり、商店街が大型ディスカウントストアに変わり、中小企業は大企業に次々と駆逐されていきます。

時代の流れだと言ってあきらめてしまえばそれまでなのですが、ちょっと視点を変えてみると別の事が見え始めます。中小企業にできて大企業に出来ないサービスや品揃えというのは何か、どこまでカスタマイズできるのか、何故その商売をしているのか、自社の特色とは何か… この考え方がブランディング作りの第一歩です。

全てに渡って自由競争が徹底しているアメリカでは、中小企業が生き抜く為に、またはこれから台頭しようとする小さいけれど野心的な会社が成功するために、ブランディングの力はとても重要です。大企業では企業内にブランディング戦略を考える部署を置いている場合が多いのですが、それだけの経済的余裕がない中小企業はコンサルティング会社を雇います。私が行うのは、アメリカ進出を考えている日本の中小企業の為のブランドコンサルティングです。

どこの街に行ってもみな同じような髪型をして、同じような服を着て、同じディスカウントストア、スーパー、ファーストフードレストランで用を足すような世の中はあまりにも味気ないと思います。もっと個性的で魅力的な日本の会社が日本や世界で沢山活躍して欲しいと思っています。



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2012年5月14日

肌の色

ニューヨークタイムスの週末版教育セクションに "Why Don't We Have Any White Kids?" と題された少々長い記事がありました。ニューヨークの公立小中学校では人種による隔離が進んでいるために、子供達に良い影響を与えないという内容です。

ニューヨークは、地域によって人種による住み分けがはっきりしています。例えば、マンハッタンは、ハーレム、イーストハーレムを除いて白人居住者の多い地域、スタテンアイランドは圧倒的にイタリア系の多い地域、ブロンクスは黒人と南米系の多い地域、ブルックリンは地域によって白人地域と黒人地域が別れていて、クイーンズは新しい移民が多く人種的な混在が見られます。と言っても、これはかなり大雑把な線引きで、実際はクイーンズのフォーレストヒルズには白人と中国人韓国人が多いとか、ブルックリンのクラウンハイツには黒人とウルトラオーソドックスのユダヤ人が多いとか、それぞれのコミュニティーにはそれぞれの特徴があります。

記事にある学校は特にブルックリンのチャータースクールという種類の公立学校に関してです。地域には白人の家族も住んでいるのですが、その子供達は優秀な子供達のみが入れる地域外の公立学校や私立学校に通っており、近隣の公立学校に入る子供達は黒人の子供達のみという状況になっているようです。

住んでいる地域も黒人が多く、社会的な繋がりや学校で顔を会わせるのも黒人のみという隔離された状況は、実際のアメリカ社会とは大きく異なります。そういう環境で育った子供達が学校を卒業して社会に出たり大学に進学した時に、他の人種の人々と顔を合わせてコミュニケーションを取らなければならない状況に置かれても、相手の肌の色しか目に入って来ないのではないか、とある保護者は記事の中で懸念していました。

そもそも日本人には、「相手の肌の色しか目に入って来ない」というのがどういう事なのか全く理解できない人もいると思います。例えば日本の公立小学校に若い白人アメリカ人の女性の英語教師が配属されたとします。その地域に白人は住んではいるけれど、特別に交流があるわけでもない程度の状況で、学校にいるたった一人の白人教師は、いつまでたっても白人教師でしかありません。その人がどういう教育信念を持った人なのか、どんな社会的な考え方を持った人なのかという人格がなかなか浮き出て来ないのが現状だと思います。

肌の色や表面的な雑作ではなく、その人物の内面を知る為には、儀礼的な挨拶だけではなく、もっと突っ込んだ会話が必要です。子どもだったら、同じクラスに違う肌の色をしていて、違う価値観を持った子どもがいると、そのクラスメートとの会話、友情、衝突、軋轢を通して、世の中には自分と異なった人々が存在するのだというのを経験として学ぶ事ができます。

当然ながら、日本では多彩な人種がいる小学校のクラスというのは、望んでも得られるものではないのですが、だからこそ日本のようなモノカルチャーの世界で生まれ育つ人間は、これからの国際化された世界を生きるにあたって、ある種のハンデキャップを潜在的に抱えていると理解するのは重要だろうと思います。



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2012年5月7日

電線からぶら下がるスニーカー

ニューヨークでは、マンハッタンの電線は全て地中に埋め込んであるようですが、それ以外の地域では、相変わらず電線が電柱からぶら下がっています。アストリアというクイーンズ地区にある自宅の近所も例外ではありません。

自宅の近所の電線からぶる下がるスニーカー
その電線から、スニーカーがぶら下がっている事がよくあります。一つや二つの時もあれば、まとめて沢山ぶる下がっている場合もあり、一体どういう事なのか過去に疑問に思って調べてみた事がありましたが、その時にははっきりした事は分かりませんでした。いままでに自ら電線にスニーカーをぶら下げた事があると証言する人に会った事もありません。

ウィキに載っていたサンディエゴにある
靴がぶら下がっている木
ところが、今日検索をしてみたら、ウィキに Shoe Tossing という題名で説明が付いているのを見つけました。やはり何故スニーカーを電線にぶら下げるのかには異説があるようで、一節によるとドラッグの取引場所を示すマークであるとか、または誰かが死んだ時に死者の靴をぶら下げるのだとか、ほかにも諸説が色々書いてありました。でも実際は、ニューヨークだけで行われている事ではなくて、ロサンジェルスのような都会や田舎でも、またカナダやヨーロッパの国々やオーストラリアの砂漠の真っただ中でも行われているようで、特別に珍しい光景でもないようです。人間の習性なのでしょうか。ニューヨークの場合は、スニーカーが多いのですが、場所によってはブーツだったり、靴を電線にぶら下げるのではなく、木の枝やフェンスに引っ掛ける所もあるようです。

変だなと思うのは、本物のスニーカーでだけはなく、厚紙に印刷されたスニーカーまでたまに電線からぶら下がっています。スニーカーを電線に引っ掛けてなくしてしまうのは嫌だけれど、でも引っ掛けたいという人の為にちゃんとそれ用の既製品もあるという事なのでしょうか。需要があるからこそ、供給もうまれるのでしょうが、こんな用途にまで出来合いの品があるとは、可笑しいです。



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2012年5月3日

日米の経済

先日、日米首相会談がホワイトハウスでしめやかに行われたようです。最近5年間で6人目の首相ということで、アメリカ政府も野田首相がいつまでもつのか皆目見当がつかないようで、いま重要な交渉をしても半年後に首相が交代したら、全てが振り出しに戻る可能性もあり困惑していると各メディアは伝えています。

ラジオを聞いていたら、かなり興味深い日本に関するレポートがあったので、ついつい聞き入ってしまいました。Japan: Over the hill? というタイトルはつけられていたものの、レポートの内容は日本の経済はなかなか健全であるというものです。日本はGDPこそ下がりましたが、一人当たりのGDPは下がっておらず、実際に日本人の生活を見る限り、困窮しているようには見えないと説明していました。私も日本からのニュースを見る限り、あれこれと物を買う多くの日本人の生活には余裕さえ見られると思っています。貧困家庭が急増しているアメリカとは大違いです。

ラジオのショーではその理由を、経済のシステムにあげていました。日本の経済のシステムは規制が沢山あり、アメリカのように規制をことごとく取り払った経済とは対局にあります。そのために西欧諸国は日本の経済を常々快く思っておらず、その成功を認めたくないのだと言っていました。

興味深い事に、現在西欧諸国が抱えている不況は、本来必要であった規制まで取り払ってしまった結果、引き起こされたものです。アメリカでは、更に規制を取り払うべきだと主張する政治家がまだ沢山いるのは驚くべき事実ですが、規制というのは経済の健全な成長には必要なものなのだとやっと理解できたアメリカ人もいるはずです。もしかしたら、これから日本式の経済が世界で注目を浴びるようになるのかも知れません。

日本人のなかには、日本はアメリカの子分で全て言う事を聞いていると思う人もいると思います。でも実際にアメリカに住んで、その政治経済を目の当たりにすると、アメリカは思い通りにならない日本に対して歯ぎしりをしているのが見えます。1940年代50年代にはかなり強かったアメリカの影響力も、今ではかなり薄いのです。中東も、イラクも、アフガニスタンも、アメリカが当初思い描いたようには事が運んでいません。

貿易交渉になると、いつも規制を撤廃しろと詰め寄るアメリカになかなか話を合わせない日本。牛肉をもっと日本に輸出しようとしても、アメリカ産の牛肉を嫌う日本人。異なる文化が交流するのですから、そこで様々な問題が持ち上がるのは当然なのです。



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日焼けマニア

ニュージャージー在住の日焼けマニアの女性は、5年前から日焼けサロンに通い続けているらしいのですが、そこに5才の娘を同行して、娘にも日焼けベッドを使わせたという疑いをかけられているという妙なニュースを今朝テレビで見ました。

日焼けは皮膚がんを誘発するため、ニュージャージー州では14才以下の子どもが日焼けサロンへ行って日焼けベッドを使用する事は法的に禁じられています。5才の女の子は、母親と日焼けサロンに行った事を幼稚園で先生に言い、その時に少し日焼けの後があった為に、学校の先生は幼児虐待ではないかと疑い、通報したのだそうです。

テレビに出ていた5才の女の子を見る限り、真っ白で日焼けの後などなく、おそらく日焼けと言ってもちょっと赤くなっていただけなのだろうと思います。赤毛で色白なので、ほんの少しの間、太陽の光にさらされただけでたちまち赤くなってしまいそうです。

ところが、隣に座っている日焼けマニアのお母さんは、かなり年季が入っているようで、白人とは思えない程真っ黒です。日焼けというよりも、焦げてます。テレビのインタビューでの話もちょっと異様な感じだったので、ユーチューブのビデオを貼付けておきます。





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