2012年3月29日

アメリカの宗教

 In God We Trust
アメリカの紙幣にも最高裁判所の壁や台座にも刻印してあるのを見ます。これを見る度に、アメリカの建国精神には、キリスト教の神の理念が重要な位地を占めていた事を考えさせられます。この God は、一般的な神ではなく、一神教の神を指しています。現在のアメリカは、世界各国からの移民で構成されているので、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の一神教信者の他にも、仏教、ヒンズー教の人、また無宗教の人も住んでいます。それなのに、いまだに何かにつけて一神教の神を持ち出すのは、政教分離の精神に反すると思うのですが、それをあまりとやかく言う人はありません。

元々アメリカはイングランド国教会と相容れなかったピューリタンが新天地を求めて次々と入植して広がった植民地です。ピューリタンは、遊興や子づくり目的以外の性交渉を一切禁止するような厳格な宗派だったそうです。時代が進むにつれて、ピューリタン以外の移民も入って来て、今ではピューリタンと呼ばれる宗派すら聞きませんが、その快楽に対して厳格な精神は今でもアメリカに生きていると書いたら、多くの人は驚くと思います。アメリカは、主に自由の国、快楽の国、フリーセックスの国、女性の権利が強い国と思われがちですが、その一方でヨーロッパの各国よりも生活全般に及ぶ宗教の影響が強い事は、あまり知られていないかも知れません。

人工妊娠中絶を法的に全廃しようとしているグループも、厳格なキリスト教の思想を持つ団体(主にアメリカ南部に住むキリスト教右派、主に福音派の人々)です。かつての禁酒法もキリスト教団体によって持ち出された法律だし、いまでも週末にアルコール類の販売を禁止している州は南部を中心に存在します。

アメリカではイスラム教徒の数も急速に伸びています。モハメッド・アリのようにそれまではキリスト教徒だった黒人が、イスラム教に改宗し、名前もイスラム風に変えるというのは珍しくありません。中東やアジアからのイスラム系の移民も多く、私が住んでいる地域でもハラル・ミートは簡単に手に入ります。

他にも、ユダヤ人は昔から独特の文化を守り続けているし、南米からの移民の増加によってカトリックはどんどん信者を増やしています。仏教も少ないですが、都市部を中心に若い人々の関心を集めています。ただ、アメリカ人が仏教徒になると、実際にお経をあげたり、座禅を組んだりと、信仰の為の行為を必ず行うので、日本の葬式仏教のように普段は何もしない仏教とは少々異なります。つまり、何も信仰がない、無宗教であるということの方が、アメリカでは稀なのです。

アメリカで大学に通っていた頃、講師が「信仰なしで、人は幸せになれるのか」という質問をしました。殆どの生徒の答えはノーでした。人の幸福感は信仰と深く結びついている、信仰がなければ幸せとはいえないというのが理由です。ところが逆に多くの日本人には、何故幸せになることと信仰が関係あるのか理解できないだろうと思います。日本は、宗教が不在の世界的に見てもとても珍しい国なのです。



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2012年3月26日

J-Pop Talk Show アメリカ版

サタデーナイトライブという70年代から続く土曜の深夜番組があります。時の話題をいち早く取り入れ、コメディアン達がそれを面白おかしいスキットに仕立ててライブで見せている番組です(実際は、再放送がかなり多いのですが)。

ごく稀に、日本文化が紹介される事もあります。日本文化自体を紹介するというよりも、一部の日本文化に傾倒している一部のアメリカ人のパロディーを描いていると言った方が分かりやすいかも知れません。下に貼付けたビデオは、日本文化好きのアメリカ人大学生が怪しい日本語を使いながら、ミシガン大学の校内テレビ放送を行っている想定です。

やけにハイテンションに演出してあっておかしいのですが、おそらく日本のアニメやコスプレ文化、J-Popは、このようにアメリカ人の目に映っているのでしょう。ステレオタイプではあるのですが、嫌みなく仕上がっており、若い世代のアメリカ人の日本文化への関心の強さが伺えます。

 



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2012年3月25日

フロリダの少年射殺事件

フロリダの高級住宅地で、親戚の家に遊びに来ていた17才の少年が、地域の自警団長に射殺されるという事件が起りました。少年は缶紅茶とキャンディーを買った帰りで、銃やナイフの類は全く持っておらず、ただ歩いている所を追跡され射殺されたようです。少年が黒人であるという事とフード付きのジャケットを着ていたというのが、自警団長が警戒した理由らしいのです。自警団長は、警察から委託されているわけでも、特別な自警の訓練を受けたわけでもなく、拳銃を持ち歩いている全くの素人のようですが、射殺は正当防衛だったと主張している為に警察に逮捕さえされていません。

多くのメディアは、黒人差別とフロリダの行き過ぎた正当防衛の法律の二つの面から、この事件に関して報道しています。もしも少年が黒人ではなかったら、おそらく怪しいと思われる事もなかっただろうし、射殺される事もなかったと思います。黒人が大統領になっても黒人差別があるというのは事実だし、正当防衛ならば何をしても許されるという法律もおかしいと思いますが、銃規制に関しても語られなければ、この問題への取り組みは片手落ちだと思います。残念ながら、これを機に銃規制についてもう少し考えてみようという団体や報道は見当たりません。ナショナル・ライフル・アソシエーションの得体の知れない恐ろしさを改めて感じます。

日本でも明らかに日本人ではないと分かる人が、地方の小さな街を歩いていたら、住民は振り返って見るだろうし、よそ者、外人という事で、警戒するだろうと思います。ヨーロッパにも黒人、アラブ人、東洋人に対する差別は根強くあります。おそらくどんなに文明が進んでも、なんらかの差別は存在すると思います。ただ、アメリカ以外の先進国では一般人が銃を持つ習慣がないので、差別こそ存在しても、それによって死者が出る事は稀なのです。



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2012年3月24日

アメリカ人の顔に書いてある

アメリカ人には、分かりやすい人が多いと思います。こういう人かなと思ったら、やっぱりそういう人だったという事が多く、少々拍子抜けしてしまいます。例えば、初対面でとても良い人そうだけれど、本当に信頼できるのか迷っているとします。もう少し相手を良く知るようになって、やはり最初に感じたように信頼できる人だったと確信するケースが殆どです。怪しそうな人も結構一目見て分かるので、危険そうな人には近寄らないようにするというのも、あまり難しい事ではありません。

稀に、どうもよく分からない人々もいます。いい人なのか、騙そうとしているのか、それとも裏があるのか… なかなか腹の内が読めない人には、当然ながら注意が必用です。とても複雑な人もいるし、隠れたアジェンダを持っている人もいます。 

多くのアメリカ人の顔には、どういう人なのかあたかも書いてあるようなのです。あまり裏表がなく、こちら側が相手の本心を読もうとする努力をしなくても良いというのは、最初のうちはびっくりしましたが、却って気が楽です。英語で open book という表現がありますが、これは文字通り開いた本、秘密がなく全てが簡単に読まれてしまうような人を指します。そこまで単純な人はさすがにあまりいませんが、アメリカ人の人となりを察するのは比較的簡単です。

私自身も日本人ですが、日本人は本当に腹の底が読めない人が多いと思います。殆どの人は、表面上はそつがなく礼儀正しいのですが、本当は何を考えているのか明かさない複雑な人が多いのです。知り合って長々と会話が弾んで意気投合したのかと思ったのに、後日メールを出しても全く返事がなかったりすると、アメリカ人は困惑してしまうのです。おそらく、意気投合したと思っていたのはアメリカ人だけで、日本人はただ合わせていただけなんでしょうが、その辺をアメリカ人に読めと言っても無理です。

アメリカ人のビジネスマンは、日本人とのコミュニケーションの難しさを痛い程良く知っています。数回の話し合いを重ねて、お互いに合意が得られたと思ったら、実は日本側は不満だらけで話が決別し、わざわざ日本まで出かけて行った時間と苦労は一体何だったんだろうと後味の悪い思いだけが残ってしまいます。

もしかしたら、相手の心理を読みあうのが日本流、自分の心理を分かりやすく伝えるのがアメリカ流なのかもしれません。

アメリカ人でも、幼い子どもはまだ相手に自分の言いたい事を伝える事に長けていないので、大人がそれを察しないとかんしゃくを起こす事があります。そういう場合に大人は、子どもに自分の言いたい事は言葉にして現さないと誰も理解できない事を教えます。私の夫が息子に向かって "I am not a psychic. I don't understand if you don't speak what you want." 「お父さんは超能力者じゃないんだから、何が欲しいか言ってくれないとわからないよ。」と言うのを何度も聞いた事があります。

日本人だって、自分の意見を持っていないわけではありません。ただ自己表現をする人よりも他人に合わせる人が好まれがちな日本社会では、自分の意見はずっと人目に触れないようにしてあるだけです。アメリカでは、その大切に閉まってある自分の意見を持ち出さなければなりません。言わなければ、誰にも聞こえません。

いつも黙って聞いている人から、自分の意見が言えるまでになるのには訓練も必用ですが、自分の外側と内側が一致すれば、精神的なストレスも軽減されます。元々、相手を観察して理解するという術に優れている日本人が、自己表現の方法をマスターすれば、コミュニケーションの達人になれると思います。



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2012年3月18日

コーンビーフ

昨日は、セント・パトリックス・デーでした。昨日はコーシャーに関して書いたばかりなのですが、夫の母親はアイリッシュ系だったので、我が家ではセント・パトリックス・デーもコーンビーフで祝いました。

日本でコーンビーフというと、ノザキのコーンビーフを思い浮かべますが、おそらくあれは、コーンビーフ・ハッシュ(写真右)のコーンビーフから来たのだろうと思います。あれはあれで、美味しいと思います。コーンビーフ・ハッシュは、賽の目に切ったジャガイモと細かくしたコーンビーフを一緒に炒めたもので、それに目玉焼きを乗っけたものは、外で食べる朝食として人気があります。

アメリカで言うコーンビーフは、普通カンヅメではありません。塩漬けにしてある大きな塊の肉でそれを買って来てジャガイモやキャベツも加え、2〜3時間茹でて作ります。デリカテッセン(ハムやソーセージを売っている所)でも、薄くスライスしてある調理済みのコーンビーフを売っていますが、それはサンドイッチの具に使われるのもので、コールスローやトマト等と一緒にパンに挟んで食べると大変美味です。


さて、我が家でも2kg弱の塊のコーンビーフをコストコで買って来ました。あまり大きくて鍋に入らないので、今日はそれを半分だけ使いました。ジャガイモ、キャベツ、人参も入れて茹でていると、とても良いにおいがアパート中に広がり、何とも食欲をそそります。調理が終わった後、ゆで汁から取り出して約15分程休ませた後、肉の繊維と垂直方向に薄くスライスします。食べる時に、マスタードを付けて、ビールと一緒に堪能しました。大変美味しかったです。ごちそうさま。





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コーシャー(ユダヤ人の食事)

多分、殆どの日本人はコーシャーと聞いても何の事か分からないと思いますが、ユダヤ教の食事や生活に関する戒律の事です。私の夫は、ユダヤ人の父親に育てられたため(ユダヤ教の戒律では、母親がユダヤ人でないと子どもは生来のユダヤ人として認められないので、母親がユダヤ人ではない夫は厳密にはユダヤ人ではないのですが)ユダヤ人としてのアイデンティティーを持っています。

かといって、毎週土曜日に礼拝に行くわけでもなく、厳しい食事の戒律を守っているわけでもなく、殆ど宗教とは関係ない日常生活を過ごしています。ただ、ユダヤ教で食べる事が禁止されている貝類、甲殻類、豚肉は殆ど食べませんが、それはどうも本人があまりその手の食材を好まないという事の方が理由としては大きいようです。

基本的にコーシャーは、果物や野菜など、人の手で二次的加工がされていない食べ物は、特別な物を選ぶ必用はないのですが、牛乳やボトルに入った水、蜂蜜、ジュースなど、パッケージされたものや、スナック菓子、ドライフルーツ、アイスクリーム、チーズ、調理された食品等は、コーシャーとしての認定マークの付いているものを選びます。肉類は、屠殺の仕方がコーシャーに則っていないといけないし、グラット・コーシャーとそうでないコーシャーの違いもあるようなので、それを普通のスーパーで見つけるのは少々困難です。

アメリカで一般に出回っている食品の多くには、コーシャーの認定マークが付いています。私はコーシャーにこだわって買物をしていませんが、ざっと家にある食品を調べてみると、かなりの数のコーシャー認定マークが付いたものが見つかりました。

厳しく戒律を守るユダヤ人は、台所も食器もコーシャーにしています。どういう事かと言うと、コーシャーでない食品をキッチンに持ちこまず、肉類用の食器や鍋類と乳製品用の食器や鍋類を分け、流しも肉用と乳製品用に分けてあります。コーシャーでは、肉と乳製品を一緒に食べてはいけないという決りがあるので、それを完璧に守る為です。

もう一つ特徴的なのは、金曜の日没から土曜の日没まではシャバト(サバス、もしくは安息日)なので、労働をしてはいけない事になっています。仕事は勿論の事、コンピューターの操作、電化製品の操作、車の運転、電灯を点けたり消したりする事、電話で話す事、そして料理も全て労働をみなされるので、金曜の夕食は日没前に調理を全て終えていなければなりません。ただ、それを守っているのは戒律の厳しいオーソドックスの人々のみです。

同じユダヤ人でも、ニューヨーク市長のブルームバーグやウッディ・アレン、デミ・ムーア等はリフォーム(戒律の緩いグループ)なので、金曜の午後も普通に5時まで仕事をしているだろうし、厳密にコーシャーを守ってはいないと思います。ところが、ニューヨークにある B&H というかなり大きな写真に関する道具を売っている店などは、オーソドックスの人々がやっているビジネスなので、金曜は2時ぐらいで店を閉めてしまいます。

実は、夫の甥と姪がリフォームからオーソドックスに改宗したので、私もなんとなくこういう事を知るようになりました。例えば、家を尋ねる時にも、コーシャーのマークがしっかりと付いたものでないと、持って行っても親戚の人々は食べられないのです。

今年のパスオーバー(過ぎ越しの祭り)はそのお宅に呼ばれました。キリスト教徒の人は知っていると思いますが、パスオーバーは、古代エジプトで奴隷だったユダヤ人がモーゼに導かれて自由の身になった事を記念する、ユダヤ教の中で一番重要な祭日です。キリストはパスオーバーの直後に処刑され、3日後に復活したという事になっているので、キリスト教のイースター(復活祭)も同時期です。

普段は全く宗教と関係ない日常生活を送っているユダヤ人も、パスオーバーは必ず祝います。慣習として、礼拝に行くのではなく、各家庭でモーゼがエジプトで行ったように記念の晩餐、セーダーというのを行うので、沢山の宗教的儀式の入ったとても長い夕食になります。

パスオーバーの説明も含めた内容は、後日ブログに書きます。


  


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2012年3月16日

アフガン住民の米兵による殺害

この件に関しては、どうも釈然としない事が多いと思っています。本当に嫌な事件です。

アメリカのマスコミは、ペンタゴンからの発表が極めて少ないという事もあるのでしょうが、未だに突っ込んだ報道をしていません。今日のニューヨークタイムスの記事を読むと、殺戮を行った米兵は、2001年に志願してから合計で4回も戦地に送られていて、アメリカに住む妻との関係も悪く、ストレスを溜めていたという事が書いてあります。

記事のずっと下の方に読者のコメントが沢山寄せられていますが、米兵やその家族に同情的な記事とは異なり、かなり厳しいものばかりです。「誰でもストレスはあるけれど、だからと言って銃を持ち出して子ども達を殺したりはしない」「帰還兵がアメリカでアメリカ人を殺害した場合には、すぐにでも名前が公表されるのに、兵士がアフガニスタンでアフガン人を殺害した場合には、どうしてここまで隠蔽工作がなされるのか」というような、日本でも殺人事件の犯人に対して頻繁に言われるような事柄です。

ペンタゴンがここまで米兵を庇護するのは、近年のアメリカの戦争が全て志願兵のみによって戦われているのと関係があります。今のアメリカには徴兵制がありません。アメリカは次々と戦争を始めているにも関わらず(沢山の戦争をしている為に)、兵士の数が足りないのです。
  • 戦争に行けば、負傷したり悪くすれば死ぬ事もある
  • 戦闘に参加した兵士は余りにもトラウマが大きい為に、帰還しても平常の生活にもどる事が困難である
  • 負傷しても、国からの援助があまりない
  • 兵士が足りない為に、何度も戦場に送られてしまう
等の理由から、9/11の直後には沢山いた志願兵も、今では殆どなりたい人がいません。何年か前までは、失業率が高い貧しい地域から志願兵が沢山出たのですが、いくらお金をもらっても命や正気と引き換えにアフガニスタンに行く価値はないと気づいたのでしょう。

時折思うのですが、人の命の重さには差があります。国家の力が大きければ大きい程、その国民の命も尊いのです。建前上は、全ての命は平等に尊いのですが、現実社会では明らかにアメリカ人の命はアフガン人の命よりも重いのです。コメントの一つにあるように、もしも問題の米兵が、アメリカでアメリカ人の女性や子どもを含む16人を殺害した場合には、もっとセンセーショナルな報道になるはずです。残念ながら、人間というのは、自国民の痛みは感じる事ができても、国も、人種も、言葉も、宗教も、生活習慣も異なる人々の痛みは、なかなか親身に感じる事ができないもののようです。

日本のアメリカ軍基地の周囲でアメリカ兵が時折起こす事件とそれに対する日本人の怒りも思い出されます。今回の事件を起こしたアメリカ兵の始末に関しては、アフガン側の意見を聞き入れ、アメリカは予定よりも早くアフガニスタンから引き上げるしかないでしょう。

今後はアメリカも徴兵制を再開するべきだと思います。アメリカ本土が戦地にならない限り、志願兵のみの戦争は、所詮「誰かがやってくれる戦争」で、今回のような事件は「頭のおかしな奴が行った事だから社会から取り除けば良い」という他人事になってしまいます。でも同様の事件は、実は場所を変えて人をかえて、繰り返し起きています。帰還兵が自殺したり家族を殺したりする話は、珍しくないのです。アメリカ人は根本的に考え方を変えないと、これからも同様の事件は起き続けるのだろうと思います。



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ヒラリー・ロダム・クリントン

現アメリカ国務長官のヒラリー・クリントンは、今期が終了した後は、次期の国務長官はやらずにゆっくりすると公言しています。引退するのか、それともオバマ政権の後にもう一度大統領選に立候補するのかを十分に考慮する時間を取るのだろうと思います。

オバマ大統領は、頭がいいし、ハンサムだし、有能だし、自分の意見をゴリ押しするよりもコンセンサスを取って強力を得るタイプの政治家のように見えますが、それを一部の共和党議員に逆手に取られて翻弄されたように見える時がありました。その点ヒラリーは、自分が正しいと思う事ならば、どんな手段を使っても強引に成し遂げるタイプのように見えます。その上、オバマよりもかなりリベラルなので、共和党から一番嫌われている政治家の一人です。

共和党の大統領候補が経済や外交の話題よりも女性の避妊や人工妊娠中絶を論じるのに懸命になっている中、アメリカの女性の中には、もしも共和党が政権を握ったら女性の人権は100年前に逆戻りするのではないかという危機感を持つ人もいます。こんな時には、世界中の女性の人権を積極的に擁護しようとするヒラリーがひときわ頼もしく見えます。

ヒラリーを観察していると、いくつかの事に気がつきます。側近を含め、彼女のスタッフは、殆ど全てが女性です。いくら女性の就労率が高いアメリカとは言え、政界や財界のトップまで登り詰める女性はごく少数です。おそらくヒラリーは、将来のアメリカ政治を担えるような有能な女性を意識的に登用し、育成しているのでしょう。

アフガニスタンに訪問したときも、圧倒的な男性社会のアフガニスタンで活動している女性の人権運動活動家と会い、真剣に興味を持って話を聞いている様子が伺えました。そしてその後、本当にアフガニスタンのキャビネットにプレッシャーをかけ、女性のポストを一つ作らせたようです。内政干渉であると思う人もいるかも知れませんが、残念ながら外国からのプレッシャーがなければ、女性や下層市民の人権を全く無視するような国がいまだに沢山存在します。

ヒラリーの問題は年令です。彼女は現在64才で、2018年には68才になります。殆どのアメリカ大統領は就任年令が50代、70代で大統領になった人はいません。それを考えると、68才というのはギリギリなのです。ヒラリーがどのような決断をするのか、興味を持って見守っている人は少なくないはずです。



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2012年3月14日

ジーンズの履き方

おそらく日本でも、ルーズにずり落ちたジーンズからトランクスやブリーフを見せているファッションが一部で流行っている事と思います。日本では腰パンもしくは腰履きと呼ばれているのをウィキで知りました。ヒップホップのファッションで、元々は囚人がサイズに合わないズボンを履かされていた所から始まったそうです。そうかと言って、こういうジーンズが安く買えるわけではありません。それどころか、腰履きスタイルがファッションとして定着した今では、それなりのブランドがあり、それなりの値段がします。

実は、他にもずり落ちたジーンズを昔から履いている人々が南部に見られます。主に太った白人の中年男性なのですが、彼らの場合、ずり落ちたジーンズから見えるのは、下着ではなくてお尻の割れ目です。勿論、ファッションでやっているのではなく、かっこいいわけでもなく、中年になって太って体型が崩れると、アメリカ人男性はこうなりがちなようです。脂肪分の多い料理が沢山あり、肥満率が特に高い南部ならではだろうと思います。

逆にジーンズがピチピチだと、カントリー歌手かホモセクシュアルのように見えてしまう事もあります。カントリー歌手もホモセクシュアルも別の意味で男という事を強調するので、どちらもピチピチの着こなしが好まれるのでしょう。ずいぶん以前ですが、ゲイに見えるのが嫌だという理由で、ジーンズを上まで引き上げず、わざとゆるめに履いている男性もいました。

アメリカは、ジーンズの国なので、年寄りも、子どもも、太っている人も、痩せている人も、ゲイも、ホモフォビアも、格好いい人も、不格好な人も、金持ちも、貧乏も、全てジーンズを履きます。これだけ広く愛用されている衣類なので、それぞれのライフスタイルに合わせて多様化しやすいのでしょう。



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2012年3月12日

異常な中での正常な状態

東北地方太平洋沖地震から1年ということで、各地で色々なイベントが行われています。私はニューヨークに住んでいるので、揺れも何も感じませんでしたが、去年の今頃は日本に住む家族や友人の安否が気になり動揺していました。

今の日本人の心の状況を考えると、私がニューヨークで体験したワールド・トレード・センター崩壊後のニューヨーカーの心理状況と重なります。と言っても、日本で起った地震の被害は、ごく局地的なワールド・トレード・センターの被害と比べると途方もなく甚大で、しかも問題の原子力発電所は未だにくすぶっている状態なので、被害にあった方々は、今でも毎日大変な思いをされている事と思います。

高校時代の友人のツイートを読みました。「NHK『3・11のマーラー』、震災の日に予定されていたコンサートを決行した新日本フィルの当日のドキュメント。観客も含め、今の場所で自分のなすべきことを成し遂げることも大事、音楽は人の心を救うものだとしみじみ感じた。(@tokoestcontente)」それを読んで、そういえば自分にもそんな事があっのだと思い出しました。

私はアルゼンチン・タンゴやコンチネンタル・タンゴが大好きなのですが、去年の今頃、地震や原発事故の事で頭がいっぱいで、楽しみにしていたタンゴの演奏とダンスを見に行くのを中止しようかと思っていたのです。起きている間は、ずっとコンピューターにかじりついて、拾える限りの日本の情報を調べまくり、とてもタンゴなど見に行く気持ちにはなれませんでした。そんな私を見て、夫は殆ど無理矢理私を連れ出したのです。

行く途中も、ずっと地震や原発の事が頭から離れず、気が気ではありませんでしたが、不思議な事に演奏が始まり、力強い演奏や歌、ダンスを見ているうちに、どんどんと引き込まれて行って、その間だけは全てを忘れてタンゴだけを堪能する事ができました。

そして、上記の友人のツイートを見て、悲惨な戦時下のサラエボの廃墟の中で演劇がずっと密かに行われていたという話も思い出しました。どうして殺戮やレイプが毎日起っていたようなサラエボで娯楽の事など考える事ができるのかと怪訝に思う人もいるかも知れません。でもサラエボの人々は、異様な状況が日常となっている中で、正常な精神状態を忘れたくなかったのだそうです。演劇を見ることによって、ともすれば狂ってしまいそうな自分の心を正常に保とうとしていたのでしょう。

芸術というのは、一見あまり役に立たない金持ちの道楽で、誰のお腹を満たす事もできないようにも思えますが、実は人間にとってなくてはならないものの一つです。もしも本当に芸術が無用の長物ならば、人は洞窟に壁画を残さなかったし、様々な偶像を残す事もありませんでした。でも芸術は、どんな状況下でも決して廃れる事なく歴史上に存在し続けています。おそらく、芸術は人間がただの動物ではなく、人間であるというのを確認することができる一つの重要な手段なのでしょう。



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NYシングル・マザー事情

アメリカの結婚の半分が離婚に終わるというのは良く知られた事実です。会社でも子どもの友達の親でも私の知り合いでも、一人で子どもを育てている人は沢山います。元々結婚しないで子供を産んだ人もアメリカには多いし、巷にはそんな大人が溢れています。両親ともに揃っていても、子育てというのは決して簡単ではないのだから、それを一人でこなさなければならない親の日々の苦労は並々ではありません。

日本と同様に、アメリカの場合も離婚後の子どもの養育権は女性が取る事が殆どです。アメリカのシングル・マザーの殆どは働いています。元夫から毎月の養育費(時には元妻への生活費も)も大抵の場合支給されていますが、それで母子の生活費の全てをカバーできる程の手当がもらえる事は稀です。

元々、結婚や出産後も仕事を辞めずに働き続けている女性というのもアメリカでは多いし、その生活力が離婚へ踏み切る決断の支えとなる事も多いようです。また、子どもができてから家庭に入っていた女性でも、離婚を機に職場へ戻る人は沢山います。つまり、離婚後は母親でもフルタイムで働かないと、生活が成り立たないのです。

アメリカの場合、離婚したとしても、子どもを連れて親元にもどる人は殆どいません。それでも私の回りを見回してみると、殆どのシングル・マザーは親や親戚が近所に住んでいて、残業が入った時や、子どもと離れて羽を伸ばしたい時には、子どもを預かってくれます。

アメリカ人のシングル・マザーは、例え40代でも50代でもボーイフレンドを見つけたり再婚する気が満々です。子どもの世話、毎日の生活、仕事に追われて多忙な日々を過ごしているにも関わらず、女を捨ててはいないのです。彼女達は、パートナーを見つける為に中年男性のいるバーに行ったり、運動して体型が崩れないように努力しています。それでも、独身女性のように、行きたい時にフラッとバーに立ち寄れるわけでもなく、例え知り合いになったとしても、子供を持った経験のない男性は子どもというものを全く理解できなかったりと、簡単ではないようです。

彼女達の最終目的は、再婚です。再婚して仕事を辞めるとか楽になるとか、そういう意味で再婚したいのではなく、人生のパートナーが欲しいのです。食事を供にし、子どもも含めて一緒に家族として出かけ、安定した長い年月を信頼できる伴侶とともに過ごしたいのです。そして何よりも、シングル・マザーの生活には、成人した男性の存在が欠けていると痛感しているのでしょう。

そんなシングル・マザーのパートナー探しを良く思わない人もいるようです。子どもがいるのだから、自分の色恋は我慢すべきであるという考え方です。そういう批判をするのは、大抵既婚女性です。既婚女性である私には、その批判する気持ちがどこから来るのか推測できます。つまり、自分の安定した生活を棚に上げて、シングル・マザーの恋愛を探し求める生活が少し羨ましいのです。実は、その安定した生活こそ、シングル・マザーの追い求めている物なのに。いつでも、他人の芝生は青く見えるという事でしょうか。



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2012年3月10日

蛇口の怪

日本では、蛇口をひねる方向も、蓋を開ける方向も、全て反時計回りで統一されています。それが普通だとずっと思っていました。ところがアメリカでは、蛇口をひねる方向が統一されていません。

例えば我が家の洗面所の蛇口は、右側が冷水で左側が温水が出るようになっていますが、水を出す時に冷水は反時計回りに、温水は時計回りにひねるのです。時には、冷水温水両方時計回りにひねるように取り付けられている場合もあり、それが一軒の家の中でもバラバラです。大した事ではないのですが、他人の家やホテル等で顔に洗顔料が目一杯付いている時に、水温を調節しようと思っても、どちら側に回せば暖かくなるのか冷たくなるのか分からないというのは、ちょっと不便です。

どうして蛇口をひねる方向が統一されていないのか、日本で生まれ育った私には理解し難いのですが、これにはアメリカ国民の合意性のなさ、良く言えば多様性、悪く言えばルーズな一面が現れているのだろうと思います。

日本人は、粒ぞろいです。おそらくこれは、標準教育レベルの高さと義務感や責任感の強さから来るのだろうと思います。電車も時間通りに来るし、テレビで音声が一時途絶えるような放送事故が合った場合には、ニュースにさえなるし、全てがとてもキッチリとしています。でも、日本以外で同様な事が期待できる国というのは、まずないと思います。

多民族国家であるアメリカには、実に様々な人がいます。言葉も宗教もそれぞれの常識も違うアメリカで、お互いの意思疎通をする為にはありとあらゆるコミュニケーションの方法を取ってだめ押しをするしかありません。大切な事柄は、お互いに会って口頭で意思を確認しあうのはもちろんの事、それをメールで送って文章としての痕跡を残し、更には電話も一本いれて念を押すようにしています。面倒くさいですが、それを怠って痛い目に合った事も何回かあるので、注意するようにしています。それでもたまに失敗はします。

ところで私の住んでいるアパートは、全ての鍵が逆さに取り付けられています。つまり、鍵の切り込みを上にしないと鍵穴に入らないのです。さすがに、これはアメリカでも特異なようで、他の家では見た事がありません。何か呪術的な意味合いでもあるのか、勘ぐってしまいます。

自分では普通だと思う事は、実は普通ではないのです。世の中には様々な人がいて、常識なんていうものは、自分の中だけにしか存在しないのかも知れません。



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2012年3月9日

アッパー・イーストサイド・マダム

最近、ニューヨークのローカルニュースをアッパー・イーストサイド・マダムとして賑わわせている44才の女性がいます。彼女はアッパー・イーストサイドにありがちな、ただのお金持ちの有閑マダムではありません。このマダムは、売春斡旋業をしていたという疑いで最近警察に検挙されました。

この女性、ニューヨーク州のアップステートに住む4人の子持ちでシングルマザー、地方政治家の元夫は、元妻に金銭的援助を続けているようで、特別に働かなくても生活して行けたのだろうと思います。近所ではサッカーマム(子どものサッカーに熱心な親)として知られており、食用にされる豚を救出する事にも情熱を注いでいたそうです。

それだけでも十分忙しくて、毎日がてんてこ舞いだと思うのですが、その上にコールガールの斡旋商売もして大儲けしていたらしいのです。しかも、売春斡旋の商売をネットにまで拡張しようと、モーガン・スタンレーのファイナンシャル・アドバイザーとも融資の話をすすめていたというのだから、変な話ですが、その気力と体力に驚くばかりです。

売春斡旋業のマダムになるのは、その業界にも詳しくて人脈もあるコールガール上がりというのが普通なはずです。この女性は、かつて地方政治家と結婚していたくらいだから、おそらく元コールガールではなかったのだろうと思います。そう考えると、今まで自分が身を置いていなかった業界でいきなり経営を始めて成功してしまうというのも凄いです。元夫や子供達を始め、近所の人々も、この女性が売春斡旋業をしていたとは夢にも思わなかったようです。

やっていた事は勿論違法だし、それを擁護するつもりは毛頭ありませんが、世の中には何でもバリバリとこなせる、とんでもなくパワフルな人がいるものだと妙に関心してしまいました。どうやって時間のやりくりをするのか、どうやったら子どものサッカーから売春に頭を瞬時に切り替えて、次の事に全力で集中できるのか、教えて欲しいくらいです。

訂正:今日のニュースで見たのですが、この方はシングル・マザーではなく、再婚されてますね。現在御主人がいらっしゃいます。



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2012年3月7日

中年女性の刺青への憧れ

ちょっと前に刺青を入れたいとつぶやいたりした事がありました。若い頃は自分が刺青なんて、考えもしなかったのですが、45才を過ぎてから刺青に意義を感じ始めたのです。ブログでも少し触れた事があるのですが、刺青を入れる事に関する潔さや失敗をおそれない姿勢に魅力を感じるようになりました。

ただ、年をとってから刺青というのも変だろうか、と思ったので、しっかりネット検索もしてみた所、やはり私と同様に感じている女性の人口はアメリカで増加しているというのが、数年前のニューヨークタイムスの記事から分かりました。

記事によると、中流層のまさか刺青を入れているとは予想もできないような中年女性が刺青を入れる例が増えているのだそうです。中年女性の刺青の動機は、離婚、50才の誕生日、昇進など様々だそうですが、いずれにしても刺青を入れるというのはなにかの象徴的な意味合いがあるそうです。

私が感じるのは、老行く事に対する反抗。40才を過ぎると、人生が収束の方向に向かって行くのを嫌でも感じるようになります。45才も過ぎれば、体にガタが来はじめます。でも、私はこのまま静かに引き下がって行くつもりは毛頭ないのです。まだ、やるべき事をやっていない気がします。刺青は、そんな自分を奮い立たせる戒めに使いたいのです。

でも、小心者の私はまだ入れてません。アトピー持ちのために、古い傷が癒えずに皮膚の表面が盛り上がってしまう事もあるので、刺青を入れた皮膚がミミズ腫れのようになったら嫌だなと思う事もあります。美容師の方からも「お客さんで刺青入れたら、肝炎に感染した人がいて…」という話を聞き、躊躇しています。



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2012年3月5日

アメリカ大統領選挙の争点

ちょっと固そうな題名を付けましたが、専門的な事ではなくてかなり一般的な内容です。アメリカの今回の大統領選挙は、経済問題で始まり経済問題で終わるはずだと思っていました。勿論、イランやシリアの緊迫した状況やイラク、アフガニスタンも考慮に入れれば、軍事の話題が経済の話題に取って代わる事もあり得ます。

ところが、今共和党の大統領候補者選挙で盛り上がっているのは、経済や軍事の云々ではなく、女性の避妊に関する問題なのです。私も女性だし、避妊や中絶問題に関しては、沢山言いたい事はあります。でも、アメリカの大統領に立候補しようとしている人々が、現在のアメリカの惨憺たる経済状況とキューバ危機以来の緊迫した国際状況を一番の争点として扱わず、避妊が正しいとか正しくないとかあれこれ言いあっているのは、全く恐ろしい限りです。



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2012年3月2日

先を走る日本

日本とアメリカは全く別の国なのですが、最近日本はアメリカの先を走っていると思う事がよくあります。例を出せば、高齢化と教育費の高騰と経済不況。どちらもあまり喜ばしい事ではありませんが、この件に関して日本は確実に世界のトップを走っており、アメリカも日本がとった(とっている)対策を研究しているようです。

日本のぬかるみのようにいまいち抜けきれない不況は一種独特ですが、日本はアメリカの銀行が怪しい証券等を売りまくっていた間に既に不況の真っただ中で、充分な資金がなかった為に、ヨーロッパ各国のような被害者にならずに済んでいます。この不幸中の幸いのおかげで、日本は一足早く回復の道を歩んでいます。

教育費の高騰も、日本ではなじみ深い問題ですが、アメリカでは新しい問題です。1993年に私がニューヨーク市立のクイーンズカレッジに入学した時には、州外の生徒や外国人の1学期の学費は $1,600 位だったと記憶しています(州内の生徒はその半額)。今学期の学費をネットで調べたら、州内の生徒で $2,565 という事で、インフレ率を考慮したとしてもその高騰ぶりに驚きました。それでもまだニューヨーク市立の大学は学費がかなり安い方で、私立のNYUの今学期の学費は $20,000 にもなります。普通の家庭では支払いきれませんね。

日本では既に前人未到の域に達している高齢化問題も、アメリカでは最近いろいろと騒がれるようになりました。赤字の年金システムに加え、ベビーブーマーが大量に退職する時代を迎えるので、医療と年金をどうするのか、新しい道を摸索しているようです。アメリカでは、成人した親子が同居するというのは、今の不況が始まるまであまりなかったので、子どもが同居の親の面倒を自宅で見るというのも稀なケースでした。多くの老人は、自力で生活ができなくなると、それまで住んでいた家を売り払い、その資金で老人ホームのような所に移るというのが一般的だったと思います。

ただ日本と同様に、大量の高齢者を全て施設に収容するのは無理なので、アメリカもフルタイムのデイケア付きの自宅介護という事になって行きそうです。今の所は、新聞等でも自宅介護の素晴らしさばかりが描かれている記事が目立ちますが、これが将来どうなるのか、自分の将来も考えあわせると気になる所です。



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