2012年12月30日

ヒンズー寺院の地下食堂 (2)

久々に友人と南インド料理を堪能してきました。本当のヒンズー寺院の地下にある質素なカフェテリア(食堂)ですが、これがなかなか癖になります。本格的な各国の料理を安価に楽しめるのは、ニューヨークに住む醍醐味の一つです。

そこで食事をしている95%位はインド人です。たまに、私達のような異分子が混じっているのですが、特別にジロジロ見られたりする事はありません。

普通インド料理レストランで食べるのは、パンジャブ地方(北西部)の料理なのだそうです。南インド料理はそれとはかなり異なっています。インドは12億人以上の人びとが800以上の言語を話している広大な国なので気候や食べ物もそれぞれの地域で異なります。

インド料理なので、スパイスが効いていて辛いのですが、ベジタリアンなのでお腹いっぱい食べても後で胃がもたれないのが中年の私達には有り難いのです。左側のが友人が食べた Butter Paneer Masala Dosa、右側のが私が食べた Rava Masala Dosa です。

沢山メニューがあって、初心者は何を注文していいのか全く分からず大いに迷いますが、あれこれ質問すると、親切なインド人が丁寧に説明してくれたりします。


ドーサ (Dosa)というのは、クレープのようなパリパリの薄い生地で、そのまま焼いたり、それにスパイスを混ぜ入れたり、中にカレー味のジャガイモ等を包んだりします。必ずついて来るのが上の写真にもあるように緑色のココナツ・チャツネとオレンジ色のサンバールという野菜の辛いシチューのようなものです。このチャツネとサンバールにドーサをつけながら食べるのです。

私達は更にマサラ・ティーをオーダーしました。牛乳で煮出してあるここのマサラ・ティーは本当に美味しいです。たっぷりと砂糖を入れて、炎上している口の中を静めます。夏にはマンゴーアイスも美味しいです。

写真をみても分かるように高級レストランではありませんが、とても奇麗に掃除してあるし、寺院の地下だからか穏やかな雰囲気の流れている所です。バスも通っているようですが、フラッシングの奥まった所にあるので、車がないと行き辛いのが難点です。

45-57 Bowne Street,
Flushing, NY 11355
(718) 460-8493
Open 8:00 am to 9:00 pm daily



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2012年12月29日

どこかの教会かシナゴーグ

夫はユダヤ人として育てられ、ユダヤ人の親戚がいて、自分もユダヤ人としてのアイデンティティーを持っていますが、私達一家はシナゴーグに属していません。私はカトリックですが教会に行かないので、息子は自分の宗教のアイデンティティーを持っていないだろうと思います。

私は日本の一般的なアニミズムの中で葬式仏教徒として生まれ育ったので、宗教の概念のない生活を不自然だとも不健康だとも思いません。でもアメリカ人の夫は、子供に宗教の枠組みを与えないのはよろしくないと感じているようです。

それでは一体何処に行けば良いのかと考えると、これがなかなか難しい問題です。ユダヤ教のシナゴーグに属したいならば、私が日本人なので戒律が一番緩やかなリフォーム系のグループにしか属せないだろうと思います。

ただ、自らリフォーム系のユダヤ人として育った夫が言うには、リフォーム系の教えは余りにも水で薄められていて、宗教としては物足りなさを感じてしまうのだそうです。

私が勉強してユダヤ教に改宗すれば、もっと実質的なオーソドックス系のグループに入れる可能性もありますが、そのためにかなりの努力が必要です。生活をコーシャーに変えるのも私には出来ません。

そして、何よりもシナゴーグに属するのを躊躇するのは、年間費が少なくとも数十万円かかるからです。費用はシナゴーグによって異なり、裕福な地域では高く、そうでない地域では安い傾向にあります。ユダヤ教ではシナゴーグは独立していて、それぞれが独自にラバイ(聖職者)を雇ったり建物を維持しているので、会費なしではコミュニティーが存続できないしくみになっています。

ニューヨークのように土地が高く、裕福なユダヤ人が沢山住んでいる地域で、おそらく私達が属せるようなシナゴーグは皆無だろうと思います。更に、子供が13才になるとユダヤ教ではバー・ミズパというのを行い、盛大なパーティーでお祝いをするのですが、そのための費用も数十万円はかかります。そういう経験もさせてあげたいとは思いますが、今の私達の経済状況では手がでません。

夫は、ユニタリアン教会という宗教っ気が全く無い教会に一度足を運んでも良いのではないかと提案しています。マンハッタンのレキシントン・アベニューにもあります。一体宗教っぽくない教会というのはどういうものなのか、私には皆目見当もつきませんが、今度週末に行ってみようかと思っています。



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2012年12月27日

セクシーな名前の美味しいインスタント麺

タイのMAMAというインスタント麺のブランドは結構美味しいので、中国系スーパーに行くと幾つか買って来る事があります。先日フラッシングへ行った時に、インスタント麺売り場を徘徊していたら、MAMAの新製品を見つけました。ビーフ味とチキン味と2種類出ていたので、両方とも早速買って来ました。

べトナムのフォーという麺をインスタントにしたもののようです。買物をしている最中には、じっくりと袋を見なかったので見逃していましたが、写真をとっている最中に、漢字で書いてある商品名が妙にセクシーな事を発見。それぞれ「快熟鶏肉裸條」「快熟牛肉裸條」と書いてあります。


袋の後ろに書いてあった作り方の手順によると、器に移してお湯を注いで数分間待つというチキンヌードル形式のようですが、私はいつもの癖で鍋で作りました。

MAMAブランドのインスタント麺は、大抵スープベースに唐辛子が既に入っていて、そのまま作って食べても充分辛いのですが、この二種類のフォーは全く辛くありませんでした。べトナム料理店で食べるフォーと同じとは言えないけれど、かなり美味しいんでビックリしました。

アメリカでは、べトナム人人口がそれなりに多いので、フォーを食べさせる店もあちこちにあります。何処の店もべトナム人が経営しているようで、安くて美味しいのです。時々無性に食べたくなるので、一人でも食べに行ってしまいます。

数年前に日本で東南アジア系のレストランで友人と食事をしたのですが、やはりかなり割高だなと思いました。MAMAのインスタント麺は、フラッシングの中国系スーパーでは50¢ぐらいで売られています。日本で手に入れば、レストランで食べるフォーの代用になると思います。



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2012年12月25日

クリスマスには中華料理

多くの日本人は、たとえキリスト教ではなくてもクリスマスを特別な日とみなして、恋人と過ごしたり友達とパーティーをしたりして過ごすのだろうと思います。

キリスト教人口が多いアメリカでは、クリスマスは家族と過ごす日で、会社もお休みになります。日本で例えれば、お正月やお盆と似ています。クリスマスには、故郷に帰省するものなのです。

ユダヤ人の夫は、クリスマスは意地でも祝いたくないようです。子供へのプレゼントもユダヤ教の風習に則って、8日間に渡るハヌカにあげるので、クリスマスの日にプレゼントはあげません。

私自身はカトリックですが、それをサポートしてくれる家族やグループが近くにいるわけでもありません。ユダヤ人として育てられ、ユダヤ人の親類がいる夫の習慣に従った方が子供も何かに属している実感があるだろうと思っています。子供も我が家ではハヌカは祝うけれどもクリスマスを祝わないというのを最近では理解しています。

ニューヨークのような様々な宗教を持つ人達が暮らす大都会では、クリスマスの宗教的な意味合いが薄れているのも事実です。それでも世間でクリスマスだと大騒ぎしている時に、その日に何もしないのはちょっと寂しいのです。

アメリカに住むユダヤ人も大多数のキリスト教信者に囲まれて、昔からクリスマスを居心地が悪い日として過ごして来たようです。聞いた話によると、彼らにとってクリスマスは中華料理を食べて映画を見に行く日と相場が決まっているのだそうです。

必ずバラやかすみ草などの花があしらわれている
写真メニューが壁に掲げてあります。
商売熱心な中国人は、イラク戦争が始まって間もない頃、それをチャンスだと思ってバグダッドにいち早く中華料理店をオープンするような根性を持っています。アメリカのテイクアウト主体の中華料理店も、どんな休日でも祝日でも営業しています。

私達は今年のクリスマスをどう過ごすのか、まだ決めていませんが、おそらく映画でも見に行くのだろうと思います。






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2012年12月24日

ネットで眼鏡を入手

ある日、Firmoo.comという所からメールが来て、タダで処方箋の入った眼鏡を提供するので、それに関するブログを書いて欲しいという旨が書いてありました。

私は視力には恵まれていて、今までどんなに目を酷使しても視力が落ちる事などありませんでした。ところが最近は年齢のせいか、遠くが霞んで見えるようになって来て、数ヶ月前に産まれて初めて眼鏡を作った所でした。

小学生の頃から視力が悪くて眼鏡やコンタクトレンズなしでは殆ど何も見えない夫に「スペアーの眼鏡は持っていた方がいいから、タダなら作っておけば?」と言われたのですが「でも、本当にタダなの?後で莫大な金額を請求されるとか、クレジットカードからお金が知らないうちに支払われてるとか、そういうんじゃないの?」とも言われ、二の足を踏んでいました。

ネットで調べてみて、怪しくないというのを確認した後、オーダー作業に取りかかったら、面倒くさい事に視力の他に瞳の間の距離が必要だと言う事が判明しました。そんなの眼科では計ってくれなかったし、眼鏡屋に行った時もそんなのは聞かれませんでした。この問題は、別のサイトで瞳の間を計る物差しを見つけ解決しましたが、ちょっと不便だと思いました。

日本で眼鏡を作った事がないのですが、人の話によると、日本では眼鏡を一人一人に合わせて微調整をしてくれるとか… 私が眼鏡を買った眼鏡屋ではそんな事はしてくれませんでした。たしか、夫が眼鏡を買ったときもそんな丁寧な事はしてくれなかったと思います。

実際に眼鏡屋で眼鏡を試してみると、多くの眼鏡は少し右上がりだったり左上がりだったりします。一つ一つ試してみて、Mr.オクレみたいに曲がって見える眼鏡は没にしました。見た目だけでなく、痛くない、邪魔にならない事なども考慮すると、一つの眼鏡を選ぶのに結構時間がかかりました。

そういう経験があるので、ネットで眼鏡をオーダーするのは躊躇しましたが、何しろタダなので、思い切ってオーダーしてみました。自分では決して買わないようなデザインの物をあえて選び、数日したら本当に眼鏡が届きました。

心配していたようなMr.オクレ状態にはならず、とても軽い眼鏡なので、競歩をする時に便利に使わせてもらっています。

また、サイトを見て気がついたのですが、10ドル以下で買える眼鏡もあり、眼鏡屋で買うよりもかなり安いのは事実です。デザインが限られているのが難点ですが、非常用の眼鏡が必要な人や、緊縮財政で眼鏡に何百ドルも使いたくない方にはおすすめです。

調べてみたら、一番最初のオーダーが送料のみで眼鏡自体はタダになるというプログラムもあるようです。日本からのオーダーも$18.75の送料がかかりますが、可能なようです。英語のサイトなのですが、興味のある方はどうぞ。





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全米ライフル協会の言い分(ビデオ)

コネチカットの大量殺人の後、一週間程NRAは沈黙を守っていましたが、ついに「重大発表」というのを先日行いました。

日本のマスコミ論調はNRAの発表を充分に理解していないような気がします。ラピエール代表の主張の核心は「銃を持つ悪い奴と対抗する為には、銃を持つ良い奴が必要である」ということです。つまり、もっとアメリカに銃を増やす事こそが安心して生活できる社会になると言っているのです。

ラピエールは、頭がおかしい精神病患者や残忍なビデオは野放し状態であり、そういう悪から子供達を守る為には銃が必要である、各学校には武装した警官を置いて学校の職員も武装すべきであると言っています。

NRAは、言いわけなどしていないし、守りにも入っていません。様々な統計調査によると、約半数のアメリカ人は銃規制に反対しているという背景があるので、コネチカットの件があっても守りに入る必要性を全く感じていないようです。

スピーチには完全な責めの姿勢が見られます。今までもそうであったように、今回も結局はNRAの勝利に終わり、さらなる銃規制撤廃に繋がると確信しているのです。

健康保健と同様、これはアメリカの正念場だと思います。やりようによっては、今回は今までとは違った結果となる可能性を含んでいます。銃規制を求める人びとと団体に必要なのは、NRAよりも多くの資金とNRAを恐れない政治家です。





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2012年12月22日

年齢を重ねるロックスターの頭髪

アメリカにも団塊の世代と言うのは存在します。これから引退を迎える60代の人びとがそれにあたるようです。60年代に薬物に浸りながらロックを聞いていた世代で、このパワフルな世代がいる限りローリングストーンズを始めとするミュージシャンは健在です。

ついこの前も、121212 というハリケーン・サンディの被害者の為のベネフィット・コンサートがありました。ボン・ジョビやブルース・スプリングスティーンなどニュージャージーに縁の深いミュージシャンを始め、ベテランのミュージシャンがチャリティーの目的で出演しました。

夫とそのコンサートの模様をテレビで見ていたのですが、最初にステージに上がったジョン・ボン・ジョビのフサフサの髪を見て「コレはフェイクだろう。」と言い続けていました。ボン・ジョビは、まだそれほど年齢も行っていないはずだと思ったら、既に50才なので驚きました。

確かに、これだけ豊かな髪の50才は、あまりいないでしょう。夫曰く「ロックスターにとって、豊かな髪は財産だよ。髪が抜けるのはお金が逃げて行くのと同じじゃないかな。貼付けても植え付けても、何か乗っかってなきゃダメだよ。」

早くから頭髪が薄くなり、今ではもう諦めている50代の夫には、他人のものが気になって仕方がないようです。女性は有名人がフェイスリフト(シワ延ばし)をしているかとか豊胸手術をしてるかなどか気になるのですが、男性は頭髪の具合が気になるのでしょうか。

若い頃に長い髪を波打たせていたミュージシャン達は多いのですが、だからと言って禿げない訳ではありません。ウィリアム王子の件もあるように、白人男性は20代後半から薄くなる人もいます。

ベネフィット・コンサートに出演していたポール・マッカートニーは70才にもなるので、毛がない方が普通の年だと思います。ミック・ジャガー(69才)も、あの年であの髪はあり得ないと夫はテレビを見ながら断言していました。

23才のロバート・プラントと最近のロバート・プラント

今朝の番組では、若い頃はとてもゴージャスな金髪だった、現在64才のロバート・プラントがインタビューを受けていました。薄くはなっているものの、地毛のように見えますが、夫はそれさえも怪しいと言います。

ピート・タウンゼント(67才)やスティング(61才)、フィル・コリンズ(61才)などの若い頃から長髪のイメージがあまりない人は、すんなりと生え際の後退を受入れられるのでしょう。



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2012年12月20日

不味いインスタントラーメン

ニューヨークにある中国系のスーパーで、アジアのインスタントラーメンがずらりと勢揃いしているのは圧巻です。やはり中国のインスタント麺が中心ですが、出前一丁やサッポロ一番も必ずと言っていい程取り揃えてあるので、日本人でも利用している人はいると思います。

私が特に好きなのは、タイと韓国の麺類です。特に、タイのインスタント麺は、スープも麺も美味しいと思います。韓国のインスタント麺では、辛ラーメンが良く知られていますが、白いスープのラーメンもかなりイケます。

安売りしているインスタント麺があると、興味があるので、買って試す事がよくあります。大抵のインスタント麺はそれなりに美味しいのです。でも先日買った5袋セットの排骨雛味麺という台湾製のラーメンは、かなり不味かったです。

私は週末に自分と麺類の好きな息子の分のお昼にこのインスタントラーメンを作ったのですが、息子は一口食べて放棄してしまいました。確かに、スパイスの一種だと思いますが、何とも言えない妙なニオイがするのです。

私は味覚の許容範囲は人一倍広いと自負しています。何処の国の料理にも興味があるし、中華料理などは完全に守備範囲です。ところがこのインスタント麺ばかりは、臭くてダメでした。

あと三食分も残っていて、捨てるのも勿体ないと思い、どうにかして食べられないか研究してみました。どうやら臭いのは、透明の袋に入った調味油のようなもののようで、それを入れなければ普通の塩ラーメンのような味でした。

それでもちょっと物足りないので、ライムを絞ってみたり、ナンプラーを入れてみたり、ごま油を入れてみたり、唐辛子ペーストを加えてみたり… 幾つかのコンビネーションを試してみました。美味しいと言う程ではないものの、臭くもないし、何とか食べられます。

野菜も入れたいと思い、冷蔵庫に余っていた紫キャベツを入れたら、スープが何とも不味そうな紫色になってしまいました。

出来上がった紫スープのインスタント麺にライムを絞ったら、それまで青紫だったスープが赤紫に変色してしまいました。化学反応が起きたんでしょうね。

これに懲りずに、他の未知のインスタント麺にも将来チャレンジするつもりです。



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2012年12月18日

銃規制と精神科医療への僅かな希望

おそらく、今回の小学校での銃撃事件は、銃による犯罪に鈍感になってしまったアメリカ人にとっても衝撃的だったのでしょう。20人もの小学校1年生が殺され、無事だった子供達もその場を目撃しなければならなかったというのは、惨すぎます。

今までかたくなに銃規制に反対していた議員達が、一人二人と意見を変えて来ています。全米で最も強大な圧力団体と言われている全米ライフル協会は、今の所黙ったままです。かねてから銃規制を呼びかけていたニューヨークのブルームバーグ市長は、この機会をつかんで国家レベルでの銃規制法案を通過させようと活発に動き回っています。

私は、アメリカの銃政治に飽き飽きしていますが、もしかしたら今回ばかりは今までと違うかもしれないと僅かながら希望と期待を持って状況を見守っています。例え銃規制が一時の流行のようなものでしかなくても、法案を成立させる事ができるのならば、それはそれで意味があります。

また、銃規制と同時にアメリカで精神科医療を多くの人の手が届くものにする事も重要です。犯人の精神状態や家庭の崩壊、人間関係の希薄さに全ての責任を被せるつもりは全くありませんが、犯人が特殊な精神状況にあったのは事実のようです。銃撃犯人アダム・ランザは、アスペルガーだったと言われています。

アスペルガーは高機能の自閉症で、非常に高い知能指数を持っていながら他人との関係を築く事ができません。パッと見た目は普通な場合が多いのですが、同じクラスにアスペルガーの子供がいれば、クラスメートはその違いに気がつきます。アスペルガーを持つ人は、虐められたりして被害者になるケースは多いものの、事件の加害者になるのは極めて稀です。

犯人の母親は数年前に離婚した前夫から年間2千万円以上にも及ぶ生活費と養育費、及び健康保健を受け取っていたようです。裕福な地域にある大きな家で息子に家庭教育を与えながら二人で住んでいましたが、その母親が第一番目の被害者となりました。もしも犯人が精神科やセラピストに通っていたならば、そこから犯人の動機や精神状態が分かって来るかも知れません。

アメリカの健康保健は精神疾患の治療をカバーしない事が多く、保険の一部負担がなければ精神科の医師やセラピストの費用は全て各自が支払わなければなりません。精神科の医療はかなり高額な場合が殆どなので、精神科の治療を受けたくても受けられない人びとは沢山います。

精神分裂症のような深刻な精神疾患でなくても、たとえばパニック症候群や鬱病などのよくある病気でも診療を受ける事ができなければ悪化する事は目に見えています。アメリカのホームレスの半数以上は何らかの精神疾患を負っているというデータもあります。

被害者やその家族に対する追悼の言葉も、同じ事を繰り返さないという確固とした覚悟と約束がなければ、ただ空しく響くのみです。銃に対する何らかの規制を行い、精神科の医療を一般の人びとが受けられるようにする事こそが、本当の意味での被害者の追悼になるのだろうと思います。



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2012年12月17日

ハヌカと小学校の大量殺人

ユダヤ教のハヌカは8日間に及ぶ光の祝日です。クリスマスと同時期の為か、ハヌカを祝っている間の毎晩、子供にプレゼントをあげる習慣があります。今年のハヌカは8日(土)の日没から16日(日)の日没まででした。

このハヌカの最後の数日を伴に祝う為に、私達家族はフィラデルフィアの郊外に住む夫の親戚の家へ招待されました。14日(金)の午前10時頃、私達家族は荷物をまとめて出発しました。

夫の親戚の人びとは、オーソドックスのユダヤ人です。金曜日の日没から土曜日の日没までは安息日となっているので、一切の労働をしない事になっています。それに間に合わせようと、慌てて地下鉄や電車を乗り逃がさないようにしたので、金曜日の日没ギリギリの頃に親戚の家へ到着しました。

一切の労働をしないというのは、働く事も料理もテレビを見る事もコンピューターを使う事も電気をつけたり消したりする事も含まれます。そのため、金曜日に起きたライフル乱射大量殺人の事件はしばらく後に携帯を見るまで知りませんでした。

今回ばかりは、一切の外界から遮断されたような3日間を過ごせた幸運に感謝しました。おそらく、アメリカ中の小さい子供を持つ親は、子供達になるべく事件のニュースを見せないように務めていたはずです。小さい心は毎日楽しく過ごしているべきで、今のアメリカの一番醜い姿をこのような形で見るべきではありません。

これでもう何度目の銃による無差別大量殺人か分かりません。しかも今回は、20人の小学1年生を含む27人が犠牲者となっています。アメリカは素晴らしい国だと思いますが、子供の生命や教育、医療よりも胎児の人権や銃を所有する自由が優先されている事実には反吐が出ます。

惨事を生き残った子供達にとって一番必要なのは、同じような事が二度と起らないと言う約束と確認です。残酷な事に、今のアメリカはその基本的とも言える安心を子供達に約束できません。

何故アメリカで銃規制に反対する人が多いのかはそれなりの理由があり、以前ブログにもその説明は書きました。でも歴史や個人の銃を保有する権利が、年間3万人以上の銃による犠牲者よりも価値があるとは私には思えません。

銃規制に反対する人びとは、家庭の崩壊や人びとの心の荒廃が大量殺人の原因だと主張します。でもそれは何処の国でも同じです。アメリカ以外の国で、銃による大量殺人事件が度々起きないのは、銃が巷に氾濫していないからです。

アメリカが建国されつつあり、州の自衛団が独立の為にイギリスと戦った当時は、ライフルから銃弾を一発発射した後、二発目を発射するのに二分程かかったと聞きました。今では一分間に自動小銃を使って何十人もの殺人が可能です。人間関係だけでなく銃も、アメリカ建国の当時とは大きく異なっている事をアメリカ人自身が知るべきです。

例えこのような惨事を何度も経験し、何百人の子供が殺されたとしても、私にはアメリカが銃規制に成功するとは思えません。オバマ大統領は、何らかの意味のある変化を約束すると言っていますが、私は懐疑的です。

それでも僅かばかりの銃規制法案を通過させる可能性があるとすれば、今しかないというのが多くの銃規制を支持する人びとの見方です。オバマ大統領は二期目でアメリカの大統領は三選がない為に、もう選挙に勝つ事を考える必要がありません。

アメリカ国民の怒りや悲しみがまだ新たなうちに、銃規制法案は議会で討論されるべきです。



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