2012年4月6日

アメリカの肉(鶏胸肉、ピンクスライム)

アメリカ人は一般的に鶏の胸肉をもも肉よりも好みます。脂肪分が少なくタンパク質が豊富であるという理由です。スーパーでも胸肉はもも肉の倍位の値段がします。日本では胸肉の人気があまりないせいか、もも肉の方が高く売られているのは、興味深いところです。

ある時にふと「アメリカの胸肉は、やたらと大きい」という事に気がつきました。個体差はありますが、日本で売っている胸肉のおよそ2~3倍ぐらいはあるでしょうか。それをあまり気にも留めず、得したぐらいに最初は思っていたのです。

そのうちにニュースや Food Inc.等のドキュメンタリー映画を見て、アメリカの鶏の胸肉が大きいのは偶然ではなく、より高く売れる胸肉を沢山作る為に、様々な方法で意図的に大きな胸を持つ鶏を育てているのだと知りました。鶏に運動制限を課して歩けない程に太らせたり、病気にならないようにあらかじめ抗生物質や精神安定剤をエサに混ぜたりと、全部は書きませんが、かなり劣悪な生育環境です。鶏が可哀想というよりも、その肉を食べて体に良いわけがないと思いました。

これが私がオーガニックを買う事になったきっかけです。ただ、オーガニックは高いのです。より効率的に生産された一般の肉や野菜と比べて、手間もかかるし生産量も少ないオーガニックの値段が高くなるのは理解できるのですが、いくら健康のためだとは言え、オーガニック食品だけを食べ続けるのは我が家では無理です。最近は、どの野菜や果物に残留農薬が多いか、どの野菜や果物は一般的な農法でも殆ど農薬を使わないで生産できるかを見て、買い分けています。

仕事のミーティングの際、ふとした事で肉の値段が話題に上った事があります。あるアメリカ人は「70年代頃までは、肉の値段がもっと高かったんだよね。」と言っていました。より多くの人により安いタンパク質を提供して、より効率的に農業をしようとした結果、肉の値段はかなり下げる事ができたけれど、その過程で巨大農業ビジネスが業界を殆ど独占する形になってしまったようです。

ピンクスライムというものが、最近アメリカで話題になりました。ピンクスライムとは、牛肉のスジや隙間の部分から作られた食品添加物で、脂肪分を取り去り、細菌を殺すためにアンモニア等で処理してあります。それだけでは市販されないものの、市販の牛挽肉には15%まで混入することが許されていて、ピンクスライムの有無を商品に明記する必用はありません。ABC ニュースの調査によると、一般のスーパーで売られている牛挽肉の70%にピンクスライムが何%か混入していたそうです。

これが、学校給食にも使われていたらしく、かなりの物議を醸し出しました。勿論、マクドナルドやバーガーキングでもピンクスライム入りの牛肉が使われていました。ところが、報道によって人々の関心が集まって来ると、バーガーチェーン店も学校も、ピンクスライムの使用を取りやめるという声明を出さざるを得なくなってきたようです。

栄養価は高く、安価で安全なタンパク源なので、動物やペットのエサに使うには最適でしょうが、人間の食べる物ではないような気がします。



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