2012年12月30日

ヒンズー寺院の地下食堂 (2)

久々に友人と南インド料理を堪能してきました。本当のヒンズー寺院の地下にある質素なカフェテリア(食堂)ですが、これがなかなか癖になります。本格的な各国の料理を安価に楽しめるのは、ニューヨークに住む醍醐味の一つです。

そこで食事をしている95%位はインド人です。たまに、私達のような異分子が混じっているのですが、特別にジロジロ見られたりする事はありません。

普通インド料理レストランで食べるのは、パンジャブ地方(北西部)の料理なのだそうです。南インド料理はそれとはかなり異なっています。インドは12億人以上の人びとが800以上の言語を話している広大な国なので気候や食べ物もそれぞれの地域で異なります。

インド料理なので、スパイスが効いていて辛いのですが、ベジタリアンなのでお腹いっぱい食べても後で胃がもたれないのが中年の私達には有り難いのです。左側のが友人が食べた Butter Paneer Masala Dosa、右側のが私が食べた Rava Masala Dosa です。

沢山メニューがあって、初心者は何を注文していいのか全く分からず大いに迷いますが、あれこれ質問すると、親切なインド人が丁寧に説明してくれたりします。


ドーサ (Dosa)というのは、クレープのようなパリパリの薄い生地で、そのまま焼いたり、それにスパイスを混ぜ入れたり、中にカレー味のジャガイモ等を包んだりします。必ずついて来るのが上の写真にもあるように緑色のココナツ・チャツネとオレンジ色のサンバールという野菜の辛いシチューのようなものです。このチャツネとサンバールにドーサをつけながら食べるのです。

私達は更にマサラ・ティーをオーダーしました。牛乳で煮出してあるここのマサラ・ティーは本当に美味しいです。たっぷりと砂糖を入れて、炎上している口の中を静めます。夏にはマンゴーアイスも美味しいです。

写真をみても分かるように高級レストランではありませんが、とても奇麗に掃除してあるし、寺院の地下だからか穏やかな雰囲気の流れている所です。バスも通っているようですが、フラッシングの奥まった所にあるので、車がないと行き辛いのが難点です。

45-57 Bowne Street,
Flushing, NY 11355
(718) 460-8493
Open 8:00 am to 9:00 pm daily



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2012年12月29日

どこかの教会かシナゴーグ

夫はユダヤ人として育てられ、ユダヤ人の親戚がいて、自分もユダヤ人としてのアイデンティティーを持っていますが、私達一家はシナゴーグに属していません。私はカトリックですが教会に行かないので、息子は自分の宗教のアイデンティティーを持っていないだろうと思います。

私は日本の一般的なアニミズムの中で葬式仏教徒として生まれ育ったので、宗教の概念のない生活を不自然だとも不健康だとも思いません。でもアメリカ人の夫は、子供に宗教の枠組みを与えないのはよろしくないと感じているようです。

それでは一体何処に行けば良いのかと考えると、これがなかなか難しい問題です。ユダヤ教のシナゴーグに属したいならば、私が日本人なので戒律が一番緩やかなリフォーム系のグループにしか属せないだろうと思います。

ただ、自らリフォーム系のユダヤ人として育った夫が言うには、リフォーム系の教えは余りにも水で薄められていて、宗教としては物足りなさを感じてしまうのだそうです。

私が勉強してユダヤ教に改宗すれば、もっと実質的なオーソドックス系のグループに入れる可能性もありますが、そのためにかなりの努力が必要です。生活をコーシャーに変えるのも私には出来ません。

そして、何よりもシナゴーグに属するのを躊躇するのは、年間費が少なくとも数十万円かかるからです。費用はシナゴーグによって異なり、裕福な地域では高く、そうでない地域では安い傾向にあります。ユダヤ教ではシナゴーグは独立していて、それぞれが独自にラバイ(聖職者)を雇ったり建物を維持しているので、会費なしではコミュニティーが存続できないしくみになっています。

ニューヨークのように土地が高く、裕福なユダヤ人が沢山住んでいる地域で、おそらく私達が属せるようなシナゴーグは皆無だろうと思います。更に、子供が13才になるとユダヤ教ではバー・ミズパというのを行い、盛大なパーティーでお祝いをするのですが、そのための費用も数十万円はかかります。そういう経験もさせてあげたいとは思いますが、今の私達の経済状況では手がでません。

夫は、ユニタリアン教会という宗教っ気が全く無い教会に一度足を運んでも良いのではないかと提案しています。マンハッタンのレキシントン・アベニューにもあります。一体宗教っぽくない教会というのはどういうものなのか、私には皆目見当もつきませんが、今度週末に行ってみようかと思っています。



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2012年12月27日

セクシーな名前の美味しいインスタント麺

タイのMAMAというインスタント麺のブランドは結構美味しいので、中国系スーパーに行くと幾つか買って来る事があります。先日フラッシングへ行った時に、インスタント麺売り場を徘徊していたら、MAMAの新製品を見つけました。ビーフ味とチキン味と2種類出ていたので、両方とも早速買って来ました。

べトナムのフォーという麺をインスタントにしたもののようです。買物をしている最中には、じっくりと袋を見なかったので見逃していましたが、写真をとっている最中に、漢字で書いてある商品名が妙にセクシーな事を発見。それぞれ「快熟鶏肉裸條」「快熟牛肉裸條」と書いてあります。


袋の後ろに書いてあった作り方の手順によると、器に移してお湯を注いで数分間待つというチキンヌードル形式のようですが、私はいつもの癖で鍋で作りました。

MAMAブランドのインスタント麺は、大抵スープベースに唐辛子が既に入っていて、そのまま作って食べても充分辛いのですが、この二種類のフォーは全く辛くありませんでした。べトナム料理店で食べるフォーと同じとは言えないけれど、かなり美味しいんでビックリしました。

アメリカでは、べトナム人人口がそれなりに多いので、フォーを食べさせる店もあちこちにあります。何処の店もべトナム人が経営しているようで、安くて美味しいのです。時々無性に食べたくなるので、一人でも食べに行ってしまいます。

数年前に日本で東南アジア系のレストランで友人と食事をしたのですが、やはりかなり割高だなと思いました。MAMAのインスタント麺は、フラッシングの中国系スーパーでは50¢ぐらいで売られています。日本で手に入れば、レストランで食べるフォーの代用になると思います。



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2012年12月25日

クリスマスには中華料理

多くの日本人は、たとえキリスト教ではなくてもクリスマスを特別な日とみなして、恋人と過ごしたり友達とパーティーをしたりして過ごすのだろうと思います。

キリスト教人口が多いアメリカでは、クリスマスは家族と過ごす日で、会社もお休みになります。日本で例えれば、お正月やお盆と似ています。クリスマスには、故郷に帰省するものなのです。

ユダヤ人の夫は、クリスマスは意地でも祝いたくないようです。子供へのプレゼントもユダヤ教の風習に則って、8日間に渡るハヌカにあげるので、クリスマスの日にプレゼントはあげません。

私自身はカトリックですが、それをサポートしてくれる家族やグループが近くにいるわけでもありません。ユダヤ人として育てられ、ユダヤ人の親類がいる夫の習慣に従った方が子供も何かに属している実感があるだろうと思っています。子供も我が家ではハヌカは祝うけれどもクリスマスを祝わないというのを最近では理解しています。

ニューヨークのような様々な宗教を持つ人達が暮らす大都会では、クリスマスの宗教的な意味合いが薄れているのも事実です。それでも世間でクリスマスだと大騒ぎしている時に、その日に何もしないのはちょっと寂しいのです。

アメリカに住むユダヤ人も大多数のキリスト教信者に囲まれて、昔からクリスマスを居心地が悪い日として過ごして来たようです。聞いた話によると、彼らにとってクリスマスは中華料理を食べて映画を見に行く日と相場が決まっているのだそうです。

必ずバラやかすみ草などの花があしらわれている
写真メニューが壁に掲げてあります。
商売熱心な中国人は、イラク戦争が始まって間もない頃、それをチャンスだと思ってバグダッドにいち早く中華料理店をオープンするような根性を持っています。アメリカのテイクアウト主体の中華料理店も、どんな休日でも祝日でも営業しています。

私達は今年のクリスマスをどう過ごすのか、まだ決めていませんが、おそらく映画でも見に行くのだろうと思います。






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2012年12月24日

ネットで眼鏡を入手

ある日、Firmoo.comという所からメールが来て、タダで処方箋の入った眼鏡を提供するので、それに関するブログを書いて欲しいという旨が書いてありました。

私は視力には恵まれていて、今までどんなに目を酷使しても視力が落ちる事などありませんでした。ところが最近は年齢のせいか、遠くが霞んで見えるようになって来て、数ヶ月前に産まれて初めて眼鏡を作った所でした。

小学生の頃から視力が悪くて眼鏡やコンタクトレンズなしでは殆ど何も見えない夫に「スペアーの眼鏡は持っていた方がいいから、タダなら作っておけば?」と言われたのですが「でも、本当にタダなの?後で莫大な金額を請求されるとか、クレジットカードからお金が知らないうちに支払われてるとか、そういうんじゃないの?」とも言われ、二の足を踏んでいました。

ネットで調べてみて、怪しくないというのを確認した後、オーダー作業に取りかかったら、面倒くさい事に視力の他に瞳の間の距離が必要だと言う事が判明しました。そんなの眼科では計ってくれなかったし、眼鏡屋に行った時もそんなのは聞かれませんでした。この問題は、別のサイトで瞳の間を計る物差しを見つけ解決しましたが、ちょっと不便だと思いました。

日本で眼鏡を作った事がないのですが、人の話によると、日本では眼鏡を一人一人に合わせて微調整をしてくれるとか… 私が眼鏡を買った眼鏡屋ではそんな事はしてくれませんでした。たしか、夫が眼鏡を買ったときもそんな丁寧な事はしてくれなかったと思います。

実際に眼鏡屋で眼鏡を試してみると、多くの眼鏡は少し右上がりだったり左上がりだったりします。一つ一つ試してみて、Mr.オクレみたいに曲がって見える眼鏡は没にしました。見た目だけでなく、痛くない、邪魔にならない事なども考慮すると、一つの眼鏡を選ぶのに結構時間がかかりました。

そういう経験があるので、ネットで眼鏡をオーダーするのは躊躇しましたが、何しろタダなので、思い切ってオーダーしてみました。自分では決して買わないようなデザインの物をあえて選び、数日したら本当に眼鏡が届きました。

心配していたようなMr.オクレ状態にはならず、とても軽い眼鏡なので、競歩をする時に便利に使わせてもらっています。

また、サイトを見て気がついたのですが、10ドル以下で買える眼鏡もあり、眼鏡屋で買うよりもかなり安いのは事実です。デザインが限られているのが難点ですが、非常用の眼鏡が必要な人や、緊縮財政で眼鏡に何百ドルも使いたくない方にはおすすめです。

調べてみたら、一番最初のオーダーが送料のみで眼鏡自体はタダになるというプログラムもあるようです。日本からのオーダーも$18.75の送料がかかりますが、可能なようです。英語のサイトなのですが、興味のある方はどうぞ。





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全米ライフル協会の言い分(ビデオ)

コネチカットの大量殺人の後、一週間程NRAは沈黙を守っていましたが、ついに「重大発表」というのを先日行いました。

日本のマスコミ論調はNRAの発表を充分に理解していないような気がします。ラピエール代表の主張の核心は「銃を持つ悪い奴と対抗する為には、銃を持つ良い奴が必要である」ということです。つまり、もっとアメリカに銃を増やす事こそが安心して生活できる社会になると言っているのです。

ラピエールは、頭がおかしい精神病患者や残忍なビデオは野放し状態であり、そういう悪から子供達を守る為には銃が必要である、各学校には武装した警官を置いて学校の職員も武装すべきであると言っています。

NRAは、言いわけなどしていないし、守りにも入っていません。様々な統計調査によると、約半数のアメリカ人は銃規制に反対しているという背景があるので、コネチカットの件があっても守りに入る必要性を全く感じていないようです。

スピーチには完全な責めの姿勢が見られます。今までもそうであったように、今回も結局はNRAの勝利に終わり、さらなる銃規制撤廃に繋がると確信しているのです。

健康保健と同様、これはアメリカの正念場だと思います。やりようによっては、今回は今までとは違った結果となる可能性を含んでいます。銃規制を求める人びとと団体に必要なのは、NRAよりも多くの資金とNRAを恐れない政治家です。





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2012年12月22日

年齢を重ねるロックスターの頭髪

アメリカにも団塊の世代と言うのは存在します。これから引退を迎える60代の人びとがそれにあたるようです。60年代に薬物に浸りながらロックを聞いていた世代で、このパワフルな世代がいる限りローリングストーンズを始めとするミュージシャンは健在です。

ついこの前も、121212 というハリケーン・サンディの被害者の為のベネフィット・コンサートがありました。ボン・ジョビやブルース・スプリングスティーンなどニュージャージーに縁の深いミュージシャンを始め、ベテランのミュージシャンがチャリティーの目的で出演しました。

夫とそのコンサートの模様をテレビで見ていたのですが、最初にステージに上がったジョン・ボン・ジョビのフサフサの髪を見て「コレはフェイクだろう。」と言い続けていました。ボン・ジョビは、まだそれほど年齢も行っていないはずだと思ったら、既に50才なので驚きました。

確かに、これだけ豊かな髪の50才は、あまりいないでしょう。夫曰く「ロックスターにとって、豊かな髪は財産だよ。髪が抜けるのはお金が逃げて行くのと同じじゃないかな。貼付けても植え付けても、何か乗っかってなきゃダメだよ。」

早くから頭髪が薄くなり、今ではもう諦めている50代の夫には、他人のものが気になって仕方がないようです。女性は有名人がフェイスリフト(シワ延ばし)をしているかとか豊胸手術をしてるかなどか気になるのですが、男性は頭髪の具合が気になるのでしょうか。

若い頃に長い髪を波打たせていたミュージシャン達は多いのですが、だからと言って禿げない訳ではありません。ウィリアム王子の件もあるように、白人男性は20代後半から薄くなる人もいます。

ベネフィット・コンサートに出演していたポール・マッカートニーは70才にもなるので、毛がない方が普通の年だと思います。ミック・ジャガー(69才)も、あの年であの髪はあり得ないと夫はテレビを見ながら断言していました。

23才のロバート・プラントと最近のロバート・プラント

今朝の番組では、若い頃はとてもゴージャスな金髪だった、現在64才のロバート・プラントがインタビューを受けていました。薄くはなっているものの、地毛のように見えますが、夫はそれさえも怪しいと言います。

ピート・タウンゼント(67才)やスティング(61才)、フィル・コリンズ(61才)などの若い頃から長髪のイメージがあまりない人は、すんなりと生え際の後退を受入れられるのでしょう。



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2012年12月20日

不味いインスタントラーメン

ニューヨークにある中国系のスーパーで、アジアのインスタントラーメンがずらりと勢揃いしているのは圧巻です。やはり中国のインスタント麺が中心ですが、出前一丁やサッポロ一番も必ずと言っていい程取り揃えてあるので、日本人でも利用している人はいると思います。

私が特に好きなのは、タイと韓国の麺類です。特に、タイのインスタント麺は、スープも麺も美味しいと思います。韓国のインスタント麺では、辛ラーメンが良く知られていますが、白いスープのラーメンもかなりイケます。

安売りしているインスタント麺があると、興味があるので、買って試す事がよくあります。大抵のインスタント麺はそれなりに美味しいのです。でも先日買った5袋セットの排骨雛味麺という台湾製のラーメンは、かなり不味かったです。

私は週末に自分と麺類の好きな息子の分のお昼にこのインスタントラーメンを作ったのですが、息子は一口食べて放棄してしまいました。確かに、スパイスの一種だと思いますが、何とも言えない妙なニオイがするのです。

私は味覚の許容範囲は人一倍広いと自負しています。何処の国の料理にも興味があるし、中華料理などは完全に守備範囲です。ところがこのインスタント麺ばかりは、臭くてダメでした。

あと三食分も残っていて、捨てるのも勿体ないと思い、どうにかして食べられないか研究してみました。どうやら臭いのは、透明の袋に入った調味油のようなもののようで、それを入れなければ普通の塩ラーメンのような味でした。

それでもちょっと物足りないので、ライムを絞ってみたり、ナンプラーを入れてみたり、ごま油を入れてみたり、唐辛子ペーストを加えてみたり… 幾つかのコンビネーションを試してみました。美味しいと言う程ではないものの、臭くもないし、何とか食べられます。

野菜も入れたいと思い、冷蔵庫に余っていた紫キャベツを入れたら、スープが何とも不味そうな紫色になってしまいました。

出来上がった紫スープのインスタント麺にライムを絞ったら、それまで青紫だったスープが赤紫に変色してしまいました。化学反応が起きたんでしょうね。

これに懲りずに、他の未知のインスタント麺にも将来チャレンジするつもりです。



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2012年12月18日

銃規制と精神科医療への僅かな希望

おそらく、今回の小学校での銃撃事件は、銃による犯罪に鈍感になってしまったアメリカ人にとっても衝撃的だったのでしょう。20人もの小学校1年生が殺され、無事だった子供達もその場を目撃しなければならなかったというのは、惨すぎます。

今までかたくなに銃規制に反対していた議員達が、一人二人と意見を変えて来ています。全米で最も強大な圧力団体と言われている全米ライフル協会は、今の所黙ったままです。かねてから銃規制を呼びかけていたニューヨークのブルームバーグ市長は、この機会をつかんで国家レベルでの銃規制法案を通過させようと活発に動き回っています。

私は、アメリカの銃政治に飽き飽きしていますが、もしかしたら今回ばかりは今までと違うかもしれないと僅かながら希望と期待を持って状況を見守っています。例え銃規制が一時の流行のようなものでしかなくても、法案を成立させる事ができるのならば、それはそれで意味があります。

また、銃規制と同時にアメリカで精神科医療を多くの人の手が届くものにする事も重要です。犯人の精神状態や家庭の崩壊、人間関係の希薄さに全ての責任を被せるつもりは全くありませんが、犯人が特殊な精神状況にあったのは事実のようです。銃撃犯人アダム・ランザは、アスペルガーだったと言われています。

アスペルガーは高機能の自閉症で、非常に高い知能指数を持っていながら他人との関係を築く事ができません。パッと見た目は普通な場合が多いのですが、同じクラスにアスペルガーの子供がいれば、クラスメートはその違いに気がつきます。アスペルガーを持つ人は、虐められたりして被害者になるケースは多いものの、事件の加害者になるのは極めて稀です。

犯人の母親は数年前に離婚した前夫から年間2千万円以上にも及ぶ生活費と養育費、及び健康保健を受け取っていたようです。裕福な地域にある大きな家で息子に家庭教育を与えながら二人で住んでいましたが、その母親が第一番目の被害者となりました。もしも犯人が精神科やセラピストに通っていたならば、そこから犯人の動機や精神状態が分かって来るかも知れません。

アメリカの健康保健は精神疾患の治療をカバーしない事が多く、保険の一部負担がなければ精神科の医師やセラピストの費用は全て各自が支払わなければなりません。精神科の医療はかなり高額な場合が殆どなので、精神科の治療を受けたくても受けられない人びとは沢山います。

精神分裂症のような深刻な精神疾患でなくても、たとえばパニック症候群や鬱病などのよくある病気でも診療を受ける事ができなければ悪化する事は目に見えています。アメリカのホームレスの半数以上は何らかの精神疾患を負っているというデータもあります。

被害者やその家族に対する追悼の言葉も、同じ事を繰り返さないという確固とした覚悟と約束がなければ、ただ空しく響くのみです。銃に対する何らかの規制を行い、精神科の医療を一般の人びとが受けられるようにする事こそが、本当の意味での被害者の追悼になるのだろうと思います。



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2012年12月17日

ハヌカと小学校の大量殺人

ユダヤ教のハヌカは8日間に及ぶ光の祝日です。クリスマスと同時期の為か、ハヌカを祝っている間の毎晩、子供にプレゼントをあげる習慣があります。今年のハヌカは8日(土)の日没から16日(日)の日没まででした。

このハヌカの最後の数日を伴に祝う為に、私達家族はフィラデルフィアの郊外に住む夫の親戚の家へ招待されました。14日(金)の午前10時頃、私達家族は荷物をまとめて出発しました。

夫の親戚の人びとは、オーソドックスのユダヤ人です。金曜日の日没から土曜日の日没までは安息日となっているので、一切の労働をしない事になっています。それに間に合わせようと、慌てて地下鉄や電車を乗り逃がさないようにしたので、金曜日の日没ギリギリの頃に親戚の家へ到着しました。

一切の労働をしないというのは、働く事も料理もテレビを見る事もコンピューターを使う事も電気をつけたり消したりする事も含まれます。そのため、金曜日に起きたライフル乱射大量殺人の事件はしばらく後に携帯を見るまで知りませんでした。

今回ばかりは、一切の外界から遮断されたような3日間を過ごせた幸運に感謝しました。おそらく、アメリカ中の小さい子供を持つ親は、子供達になるべく事件のニュースを見せないように務めていたはずです。小さい心は毎日楽しく過ごしているべきで、今のアメリカの一番醜い姿をこのような形で見るべきではありません。

これでもう何度目の銃による無差別大量殺人か分かりません。しかも今回は、20人の小学1年生を含む27人が犠牲者となっています。アメリカは素晴らしい国だと思いますが、子供の生命や教育、医療よりも胎児の人権や銃を所有する自由が優先されている事実には反吐が出ます。

惨事を生き残った子供達にとって一番必要なのは、同じような事が二度と起らないと言う約束と確認です。残酷な事に、今のアメリカはその基本的とも言える安心を子供達に約束できません。

何故アメリカで銃規制に反対する人が多いのかはそれなりの理由があり、以前ブログにもその説明は書きました。でも歴史や個人の銃を保有する権利が、年間3万人以上の銃による犠牲者よりも価値があるとは私には思えません。

銃規制に反対する人びとは、家庭の崩壊や人びとの心の荒廃が大量殺人の原因だと主張します。でもそれは何処の国でも同じです。アメリカ以外の国で、銃による大量殺人事件が度々起きないのは、銃が巷に氾濫していないからです。

アメリカが建国されつつあり、州の自衛団が独立の為にイギリスと戦った当時は、ライフルから銃弾を一発発射した後、二発目を発射するのに二分程かかったと聞きました。今では一分間に自動小銃を使って何十人もの殺人が可能です。人間関係だけでなく銃も、アメリカ建国の当時とは大きく異なっている事をアメリカ人自身が知るべきです。

例えこのような惨事を何度も経験し、何百人の子供が殺されたとしても、私にはアメリカが銃規制に成功するとは思えません。オバマ大統領は、何らかの意味のある変化を約束すると言っていますが、私は懐疑的です。

それでも僅かばかりの銃規制法案を通過させる可能性があるとすれば、今しかないというのが多くの銃規制を支持する人びとの見方です。オバマ大統領は二期目でアメリカの大統領は三選がない為に、もう選挙に勝つ事を考える必要がありません。

アメリカ国民の怒りや悲しみがまだ新たなうちに、銃規制法案は議会で討論されるべきです。



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2012年11月22日

感謝祭(サンクスギビング)

明日の木曜日はサンクスギビングで、アメリカ中が様々な事に感謝を捧げる日です。元々はイギリスで行われていた宗教的な意味合いを持つ収穫祭だったようです。初期のピューリタン達がアメリカに移住してからは、原住民から土地にあった農耕法などを教わりそれで収穫した作物等を料理して3日間に渡る祝宴を原住民と伴に行った所にあるそうです。

元々は宗教的な意味合いを強く持つサンクスギビングは、アメリカでは上記の原住民との逸話からか宗教とは関係ない国の祝日として捉えられています。アメリカに住む人の全ては、サンクスギビングに七面鳥を食べるべき日なのです。

サンクスギビングの日には人が集ります。親戚の家に集ったり、友人を招待したりされたり、また全く知らない人を招待することもよくあります。

話は変わりますが、今日は11キロ程歩いて主治医の所まで行って来ました。秋晴れの気持ちの良い空気の中を歩いていると、住宅地のなかにいきなり行列が現れました。多くは年配の人びとだったと思いますが、中には小さな子供を連れた人もいました。

何かと思って列の先頭まで歩いた時に覗いてみると、学校の小さな校庭の様な所で、食料の配布をしていました。軽いショックと言いようのない寂しさを感じました。

明日のサンクスギビングを前にして、七面鳥の料理の仕方や飛行機や高速道路の混み具合をテレビでは放送していますが、全てのアメリカ人が親類や友人と食卓を囲める訳ではないのです。アメリカの子供の貧困率は20%を超えており、先進国の中では異様に高い数字です。

ここ数年、私たち家族も経済的に苦しいのですが、今年も家族揃って健康な事、食事が出来る事などを心から感謝します。



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2012年11月14日

軍の上層部を取り巻く人びと

ペトレイアス将軍の不倫発覚事件は、思いがけない方向に飛び火して、質の悪いテレビドラマの様相を見せています。今度は現役の将軍から一般市民への機密漏洩の可能性が出て来ました。正直言って、他人の情事は放っておけと思うのですが、それに国家機密が絡んでいればそうも行かないのでしょう。

このスキャンダルに登場する二人の女性、ジル・ケリーさんとポーラ・ブロードウェルさんの写真を見た時に、アメリカのとある会社にいた「将軍の娘」と言われていた女性を思い出しました。アメリカ軍の上層部を取り巻く女性には既婚で派手な人が多いような気がします。

私が知る「将軍の娘」は、40代後半ぐらいでとある会社のコンサルタント的な立場でした。彼女が側に来るとクシャミをしてしまう程いつも大量の香水をまとい、10センチはあるヒールを履いていたのが印象に残っています。会社にはたまにしか顔をださないものの、自分の持つ人脈を使って将軍達が集るパーティーには頻繁に出席して、軍関係の仕事を会社に持って来る役割を担っていると人づてに聞きました。

将軍や大佐のような軍の要人に近づくには男性よりも女性の方が有利なのでしょうか。勿論、全ての関係が性的な関係だとは思いませんが、ケリーさんもブロードウェルさんも「将軍の娘」もソフトな面とハードな面が微妙に入り交じっているような印象を受けます。

将軍や大佐と懇意になると、私にはわからない様々なメリットがあるのでしょう。



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2012年11月12日

将軍の情事

大統領選挙の興奮も覚めやらぬ金曜日、現在のアメリカで最も有名な将軍とも言えるペトレイアス氏がCIA長官の職を辞任するという発表がありました。原因は、彼の伝記筆者であるブロードウェルさんとの不倫関係です。

ペトレイアス将軍は、将軍らしく落ち度がない規律の取れた人物として知られています。以前から伝記筆者の若い女性が将軍から優遇を受けているのは周囲の知る所ではあったようですが、まさか不倫をしているとは誰も夢にも思わなかったようです。

発覚の発端は、ブロードウェルさんからの強迫メールがとある女性に送られた所から始まります。この女性が身の危険を感じてFBIに通報し、そこから操作が始まったそうです。メールの内容は明らかにされていませんが、将軍とその女性の関係を疑った為の強迫だったようです。

そして捜査の過程で、実は将軍とブロードウェルさんのgmailの通信記録が明らかになり、不倫関係も判明したそうです。

アメリカは政治家にモラルを求める国です。他の国ならば、不倫をしようが不義の子が出現しようが、政治手腕にさえ長けていれば国民は見て見ぬ振りをする事もあるのでしょうが、アメリカでは私生活に汚点があると、政治家や国家の役職につく事は非常に困難です。

このCIA長官不倫、辞任騒動も「それが報道されて辞任にまで追い込まれるような類のものなのだろうか」と疑問を持つ人もいます。ただ、ハニー・トラップという言葉があるように、セックスを使って近づいてそれを元に情報を引き出すという手口は007映画だけでなく現実のもののようです。

今回は、CIA長官が強迫されていたわけではないのですが、特別な優遇を受けていたブロードウェルさんは、やろうと思えば簡単に機密情報を入手したり、将軍の個人gmailアカウントから政府のメールアカウントにハッキングする事も不可能ではないそうです。政治家や政府の高官は、任期中には私生活さえろくに持てないのかも知れません。



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オバマ陣営のデータとサイエンスとマーケティング

Pew Social & Demographic Trends
大統領選挙に関しては既に色々と書いたのですが、最後にもう一つだけ特筆すべき事があります。今回のオバマ陣営の勝利は大統領自身の勝利よりもデータとサイエンスと多様化の勝利と言えると思います。

オバマチームは2010年の国勢調査のデータと過去のデータを元に、2012年の人種別人口分布をより正確に把握したと言われています。一方ロムニーチームは、南米系やアジア系アメリカ人の人口増加率を実際よりも低く見積もっていた所に大きな敗因があったようです。

そのために、最後の最後まで、ロムニーチームは勝利を疑わなかったようで、実際に負けたと分かったときの狼狽ぶりはテレビでも放送されていました。

私は、数学もまともに出来ない完全な文系人間なのですが、データとサイエンスの重要さは最近痛切に感じます。自分の主義主張やイデオロギーに反するデータやサイエンスを「嘘である」と決めつけるようになったらおしまいです。それをしないオープンな物の見方を出来る人達が科学者であり、その探究心を私自身も見習うべきだと思っています。

一つのデータが怪しいと思ったら、同じ内容を調査している別のグループが発表しているデータを入手して比べるべきです。いくら自分が正しいと思う事でも、データによるバックアップがなければ、事実とは証明されないのです。探求もせずに、嘘だとわめき散らしているだけでは、メッキが剥がれるのも時間の問題です。

マイノリティーのデータを正しく把握できなかったというのは、今の共和党にとって象徴的な敗因だったと思います。ダーウィンの進化論を信じない、レイプされた女性は妊娠しないと主張する… これらは私には全て現実逃避という同じ問題の根源があるように思えます。



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2012年11月9日

何故ロムニーが負けたか

大統領選挙が終わってから、各メディアではロムニー陣営の参謀が揃って「我々は白人だけの支持ベースでは勝利できない事に気がついた。もっとマイノリティーを取り込む努力をしなければならない。」というような分析を行っています。

「は???」というのが私の率直な意見です。本当に今頃共和党はそんな事に気がついたのでしょうか。白人票のみで選挙を乗り切れると思っていたロムニー陣営は、幻想を追っていたのでしょうか。アメリカの人種構成で白人の割合が毎年着実に減っているのは今更ニュースにもならない古いネタです。

白人の高齢者層は投票率が非常に高いグループです。おそらくロムニー陣営は、将来はともかく今回は白人票のみで乗り切れると思っていたのでしょう。ところが、オバマ陣営のデータを駆使してターゲットを絞った選挙戦は、白人以外の投票率を激戦区で伸ばすことに成功しました。

共和党の政策は、社会的な保守と経済的な保守の二本柱です。経済的な保守には、多くの日本人が共感しているように思います。財政赤字をなくし、税金を撤廃し、できるだけ政府を小さくする事が経済の発展に繋がるという考え方です。年金や失業保険、生活保護などの社会補償は労働意欲のない個人を助長することになるので好ましくないと考えています。また、仕事を産み出す企業は高所得者層には、税制の優遇措置を取るべきであるとも言っています。

社会的な保守とは、アメリカ的な生活や考え方を重要視し、受精卵は人格を持つので人工妊娠中絶は全廃し、避妊は神の意思に反するので禁止し、強制的な健康保健制度は自由の剥奪であり、同性愛も神の意思に反するので禁止し、学校ではダーウィンの進化論ではなく、聖書の創世記を教えるというような考え方です。おそらく、日本人が共感できる部分は少ないはずです。

現在のアメリカ共和党は、この二つの財政的な保守と社会的な保守をストイックなまでに押し進めようとしています。それに心から共感できるのは、裕福なキリスト教の白人ぐらいのものでしょう。選挙活動中に演説を聞きに集った人びと、また共和党と民主党の大統領選挙の開票パーティーに集った人びとの写真を比べてみれば、一目瞭然です。

一切の妥協を許さない態度は、少数の熱狂的な支持者を喜ばせることは出来ますが、それ以外の人びとからは敬遠されます。共和党の支持者の中にも、「共和党は国民の寝室から退出すべきである。」と考える人はいますが、そういう人びとは徐々に共和党と距離を取り始めました。

アメリカに於いて将来、裕福な白人層が増加する見込みはありません。今のままの支持層では共和党は次の選挙を戦って行けないと、共和党は言っているのですが、私にはそんな事を今更のように言い出す思考回路が全く理解できないでいます。



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