2012年12月17日

ハヌカと小学校の大量殺人

ユダヤ教のハヌカは8日間に及ぶ光の祝日です。クリスマスと同時期の為か、ハヌカを祝っている間の毎晩、子供にプレゼントをあげる習慣があります。今年のハヌカは8日(土)の日没から16日(日)の日没まででした。

このハヌカの最後の数日を伴に祝う為に、私達家族はフィラデルフィアの郊外に住む夫の親戚の家へ招待されました。14日(金)の午前10時頃、私達家族は荷物をまとめて出発しました。

夫の親戚の人びとは、オーソドックスのユダヤ人です。金曜日の日没から土曜日の日没までは安息日となっているので、一切の労働をしない事になっています。それに間に合わせようと、慌てて地下鉄や電車を乗り逃がさないようにしたので、金曜日の日没ギリギリの頃に親戚の家へ到着しました。

一切の労働をしないというのは、働く事も料理もテレビを見る事もコンピューターを使う事も電気をつけたり消したりする事も含まれます。そのため、金曜日に起きたライフル乱射大量殺人の事件はしばらく後に携帯を見るまで知りませんでした。

今回ばかりは、一切の外界から遮断されたような3日間を過ごせた幸運に感謝しました。おそらく、アメリカ中の小さい子供を持つ親は、子供達になるべく事件のニュースを見せないように務めていたはずです。小さい心は毎日楽しく過ごしているべきで、今のアメリカの一番醜い姿をこのような形で見るべきではありません。

これでもう何度目の銃による無差別大量殺人か分かりません。しかも今回は、20人の小学1年生を含む27人が犠牲者となっています。アメリカは素晴らしい国だと思いますが、子供の生命や教育、医療よりも胎児の人権や銃を所有する自由が優先されている事実には反吐が出ます。

惨事を生き残った子供達にとって一番必要なのは、同じような事が二度と起らないと言う約束と確認です。残酷な事に、今のアメリカはその基本的とも言える安心を子供達に約束できません。

何故アメリカで銃規制に反対する人が多いのかはそれなりの理由があり、以前ブログにもその説明は書きました。でも歴史や個人の銃を保有する権利が、年間3万人以上の銃による犠牲者よりも価値があるとは私には思えません。

銃規制に反対する人びとは、家庭の崩壊や人びとの心の荒廃が大量殺人の原因だと主張します。でもそれは何処の国でも同じです。アメリカ以外の国で、銃による大量殺人事件が度々起きないのは、銃が巷に氾濫していないからです。

アメリカが建国されつつあり、州の自衛団が独立の為にイギリスと戦った当時は、ライフルから銃弾を一発発射した後、二発目を発射するのに二分程かかったと聞きました。今では一分間に自動小銃を使って何十人もの殺人が可能です。人間関係だけでなく銃も、アメリカ建国の当時とは大きく異なっている事をアメリカ人自身が知るべきです。

例えこのような惨事を何度も経験し、何百人の子供が殺されたとしても、私にはアメリカが銃規制に成功するとは思えません。オバマ大統領は、何らかの意味のある変化を約束すると言っていますが、私は懐疑的です。

それでも僅かばかりの銃規制法案を通過させる可能性があるとすれば、今しかないというのが多くの銃規制を支持する人びとの見方です。オバマ大統領は二期目でアメリカの大統領は三選がない為に、もう選挙に勝つ事を考える必要がありません。

アメリカ国民の怒りや悲しみがまだ新たなうちに、銃規制法案は議会で討論されるべきです。



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