2012年1月28日

iPhoneとアンドロイド

最近、iPhoneの電話回線を提供しているVerizonを途中解約して、アンドロイドとウィンドーズのスマートフォンしか提供していないT-Mobilに乗り換えました。iPhoneにはとても満足していて、できれば使い続けたいのですが、Verizonのカスタマーサービスが酷すぎたのが原因です。携帯会社として行うべき事を行わないのに高額な請求ばかり送って来るのです。去年の5月からトラブルの解決の為に費やした時間は、合計でおそらく20時間以上になるはずです。

何でも使ってみなければ、本当の所は分からないものです。アンドロイドを使い始めてiPhoneと比べると、それぞれに長所短所があるのだと分かりました。写真の質は、明らかにiPhoneの方が上です。これが携帯の写真かと思える程の高画質の写真をiPhoneは撮ります。それと比べるとアンドロイドの写真の質は機種にも寄るのでしょうが、見劣りします。使い勝手もiPhoneの方が簡単で、アンドロイドの方が分かりにくいようです。アップルは良いUIデザイナーを持っているんだとつくづく感じます。また、これも機種に寄るのでしょうが、バッテリーもiPhoneの方が長持ちします。

アンドロイドでなるほどと思ったのが、グーグルのスケジュールとの相互性の良さです。アンドロイドもグーグルが開発したものなので、相互性が良いのは当たりまえなのですが、例えば次の予定の入っている時間を常時教えてくれるというのは有り難いです。他にもGPSナビゲーションがiPhoneでは有料だったのにアンドロイドでは無料など、何故だか分からないけれどiPhoneの方が高くつくようにできているようです。

要するに、優れたスマートフォンの機種さえ選べば、アンドロイドの方がオペレーティングシステムとしては良いのかも知れません。

さて問題は、Verizonと契約途中破棄に関する罰金の戦いです。Verizon側は、途中破棄の罰金を半分にするからどうかと言って来たのですが、夫は契約破棄の罰金は無しにしてもらわないと怒りが収まらないようです。でも、そんな下らないカスタマーサービスとのやり取りにも1時間足らずかかったりします。ただ、こちらの強みは、すでに今まで使っていた携帯の番号を他の携帯会社に移行済みで、Verizonのサービスはもう使っていないので、Verizon側がいくら「支払いがない場合にはサービスを中断します」と脅しをかけて来ても、痛くも痒くもないのです。ゆっくりやらせてもらいます。



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2012年1月27日

中間層の消滅

21日付けのニューヨークタイムスに、How the U.S. Lost Out on iPhone Work という記事と今日の Average Is Over という記事は心にずっしりと重く響きました。最初の記事には、アップルは2002年頃までは、アメリカ国内で一体型のiMacを製造して "Made in the U.S.A." が売りの一つでもあったのに、現在ではiPhoneを含めた全てのアップル製品は中国などで作られています。どうしてそのような結果になったのか、という経緯がよく描かれています。

アップルが海外に生産拠点を移したのは比較的最近の事で、その分野では決して先駆者とは言えません。PCやテレビ、家電のメーカーは、もっと以前からアジアや南米での生産をしていました。工場の生産ラインは、沢山の技術者や工員を雇う大口の雇用者なので、それが海外へ移れば、当然失業者は増えるわけです。中国人はアメリカ人よりも遥かに安い値段で長時間働き、工場の隣の宿舎で寝起きし、そしてさらに企業がまさに必用としている技術を持っているのだそうです。

でも、これは何も工場などの第二次産業のみに言える事ではなく、同じ現象は第三次産業にまで既に及んでいます。ウェブサイトの制作やデザインを東欧や南米の労働力が安い地域で行うというのは、数年前から私も知っているし、カスタマーサービスも殆どがインド、フィリピン、パナマ等にあってアメリカ人が電話の向こうで答えるというのは今では稀です。様々な事務的な仕事もコンピューターが処理するようになったので、人員削減をしてより少ない安い労働力で今までと同じ事ができるようになりました。

記事にあった極めつけの挿話は、ウェイトレスの代わりに注文をとるiPadのような端末です。各テーブルに置いてあるタブレットには、メニューやカロリー、栄養分、値段が表示されるようになっており、注文も会計もそこからできるそうです。タブレットはウェイトレスのように注文を間違える事もないし、給料もチップもいらない。レストランには料理を作る人とバスボーイが数人いれば良いだけなので、経費もかなり節約できます。

要するに、そこそこの平均的な人間では、今のアメリカで仕事がないということなのです。ずば抜けて優秀であるとか、経営者であるとか、作家や芸術家のように他の人が代行不可能な個人的な特技や技術がある人以外は、失業してしまう可能性が高いのです。かつては、一つの産業が衰退しても、別の産業が台頭して来ていたので、うまい具合に失業者がすくいあげられていましたが、今回はその気配すらありません。

これが、Occupy Wall Street が始まったもう一つの側面なのだろうと思います。なぜ不況になったか、銀行の無謀なビジネスは、今回の不況の幕開けですが、金融業界を直せば景気が元にもどるというわけではないということをアメリカ人は感じています。



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2012年1月26日

一般教書演説 (State of the Union Address)

昨晩の9時からオバマ大統領の一般教書演説がありました。我が家では、子どもが途中で水を飲みたいと言って途中で起きて来るなどの中断がありましたが、大体は見る事ができました。

バラク・オバマという人は、演説をさせれば右に出る者がいないくらい上手です。演説のうまさで頭角を現し、大統領になったと言っても過言ではないと思います。昨日の演説は、少々ゲキの飛ばし過ぎだとも思いましたが、どん底状態にある今のアメリカにはそれが必用です。

オバマ大統領の昨日で発表したように全てが執り行われれば、数年のうちにアメリカの経済力は回復して、教育レベルを向上する大きな足がかりができるはずです。ただ当然ながら、全てが大統領の思い通りになるわけではなく、昨日の演説内容の半分位の懸案が法案化される為には、議会での可決承認が必用です。残念ながら、現在の下院でそれが可能だとは思えません。

私のように長い間累進課税に親しんだ日本人に言わせれば、年間$1Million以上の収入がある人が年収$50,000よりも高い税率を課せられるというのは当然の事のように思えます。ところが、現在のアメリカの税法では、年収が$250,000以下の人々の平均課税率は30%なのに対して、$1Million以上の人々は収入の15%以下の税金しか支払っていない事が通常です。何故このような不思議なシステムになっているかと言うと、$1Million以上の収入のある人の収入の内訳の殆どが給料ではなく投資による収入だからです。アメリカでは投資を助長する為に投資に対する税率を意図的に低くしてあるのです。

アメリカ人の多くは、定年退職後の収入を国からの年金と個人レベルでの投資収入でまかなっている為に、投資の税率が高くすると年金生活者の生活を圧迫してしまうという懸念があります。ただ、殆どのアメリカ人、Occupy Wall Street の人々が言うところの99%のアメリカ人の投資収入は微々たるもので、その総額が$1Million近くになる事はありません。それ故に、収入の内訳がどのようなものであれ、特別に生活に余裕がある人(年間収入が$1Million以上の人)には30%の税金を支払ってもらうという事にしてもいいのではないかと思います。

ただ、資産家にもいろいろあるようで、ウォーレン・バフェットのような人は、自分のような億万長者はそれなりの高い課税率を課せられるべきだと公言しているのに対し、共和党のエリック・カンターに代表されるような人々は、資産家への高い課税はアメリカ経済を圧迫すると言っています。

税金は、必ずどこからか集めなければなりません。不況で税収が自然減している時に、さらなる減税をすれば、さらに国の財政は圧迫されるのみです。国の財政を引き締める為に、教育やその他の支出を極限まで削っているのが現在のアメリカです。



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2012年1月25日

インド料理にドップリはまる

相変わらず、インド料理にドップリハマってます。本当は、レストランにも食べに行きたいのですが、子どもは辛いと食べられないし、親子三人で行って飲み食いするとお金もかかるので、もっぱら家で作っています。

左の写真は自作のインド料理3種と玄米。右上のがジャガイモ、玉ねぎ、トマト(缶)、Kasuri Methi の入ったカレーのようなものです。Kasuri Methi は乾燥した Methi という葉ものなのですが、独特のパンチのある香りがあって、食欲をそそります。

左上のが Saag Paneer というインド料理屋でよく見かけるほうれん草のカレーにチーズの入ったもの。今回は買ったチーズで自作の物ではありません。子どもが好きなのですが、インド料理屋で注文すると子どもには辛味が強すぎる為にチーズばかり拾って食べてしまいます。自宅バージョンは唐辛子類を一切入れなかったので、嫌いなほうれん草であるにも関わらず、子どもは喜んで食べました。

写真の下の物は、バターナッツスクアッシュとひよこ豆、ほうれん草のカレー。以前も作って写真をアップロードした事があると思いますが、好評だったので、再度作りました。

3日連続で上の3種のインド料理をそれぞれ一日に一品づつ作って、あまりを次の日に回していたら、3日目には3品のカレーが食卓に並んでゴージャスになりました。私はベジタリアンではないのですが、インド料理にはベジタリアンメニューが多いために、上の写真のものも全てベジタリアンです。脂もあまり沢山使わないようにして調理しているのですが、豆、カボチャ、ジャガイモなどを使っているせいか、物足りない感じはしません。



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2012年1月24日

とうとう来るのか

今後4年間にマグニチュード7規模の首都直下型地震が起る可能性が70%というニュースが先日ありました。驚いて、群馬に住んでいて逗子にも度々訪れる妹にメールを送ったら、早速電話が来て「最近、鎌倉でも津波被害予想の見直しがあったみたいだし、近々来る事はみんな分かってるから、それに備えて急いでるんじゃないの?」と教えてくれました。

南関東で生まれ育った者としては、子供の頃から近々大地震が来ると言われ続け、学校でも防災訓練を繰り返し、祖母は生前に食料や燃料の備蓄を行っていたのを憶えているので、いまさら4年以内に地震が…と言われても、それがとりわけショッキングなニュースではないのは分かります。ただ、一昨年の夏に息子を逗子小学校に体験入学させた際、学校側から必ず揃えて下さいと言われた物の中に防災ずきんがあったので、近づいているんだなと内心思った事も事実です。

妹から聞いた鎌倉の津波被害予想の見直しというのが気になったので、ネットで調べてみました。どうやら、元は昨年の末に、神奈川県から沿岸市町村を対象に通達された新たな神奈川県津波浸水予測図にあるようで、地震のタイプによって、津波の被害程度も大きく異なるため、最悪の場合に備えようという事らしいのです。

特に、鎌倉の津波被害が酷くなると予想される元禄型地震では、二の鳥居まで浸水する可能性があるそうで、鎌倉ではその後津波対策を早急に進めているらしいと妹は言っていました。ネットでも非難ルートマップ等を見つける事ができました。

それでは、実家のある隣の逗子はどうなんだろうと思い、ネットで探しても古い情報しか見当たらず、逗子市のサイトでも県から通達された新たな津波予測図に関しては何も触れられていません。新たな神奈川県津波浸水予測図を見ると、元禄型地震が起った際にはJR逗子駅さえも一部浸水するようなので、気がかりになって来ました。おそらく、逗子も最悪の場合に備えた準備を進めているとは思うのですが、遠くから見ているとなんだかのんびりしているように思えます。大丈夫なんでしょうか。

日本語のウィキの南関東直下型地震のページには、「世界最大の再保険会社であるミュンヘン再保険が2002年に発表した、大規模地震が起きた場合の経済的影響度を含めた世界主要都市の自然災害の危険度ランキングでは、東京・横浜が710ポイントと1位で、167ポイントで2位のサンフランシスコと大差がつき、首都圏での震災を含めた災害リスクの高さが表れている。」とあります。

東北地震の例を見ても分かるのですが、被災地は外からの援助に大きく頼らなければなりません。もしも東京や横浜が大きく被災してしまった場合には、一体どこから援助が来るのでしょうか。9/11のテロの時に、ニューヨーク市の真新しい緊急指令センターが入ったビルは、ワールドトレードセンターの二つのタワーと共に崩壊してしまいました。最新の設備を導入し、爆弾トラックが突っ込まないようにバンカーを巡らした、ジュリアーニ市長自慢の緊急指令センターだったのですが、碌に役をしないうちに消えてしまいました。

東京首都圏の人口は、ニューヨーク市の人口とは比べ物にならない程多いはずです。首都が壊滅するような事態になっても、最低限の被災者救助/援助機能を果たせるようなシステムは、今のうちに作っておいて欲しいと思います。



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2012年1月23日

クーグル (Kugel)

しばらくブログをお休みしていました。

アメリカではリベラルであるという事が忌み嫌われるようになってから久しいのですが、私は今でも自分が多方面に関してリベラルな考え方を持っていると思っています。

食の面においても、様々な国の料理を積極的に試すタイプで、私のような人間には、ニューヨークは素晴らしい所です。マンハッタンに行けば、有名シェフが経営する一流のレストランで食事が出来る一方、クイーンズには各国の移民が集う本格的でしかも安価なレストランが沢山あります。

私の住んでいるアストリアと呼ばれる地域には、ギリシャ系、インド系、南米系、東ヨーロッパ系、中東系の移民が入り交じっている為に、近所のスーパーに行けば、各国から輸入されたかなり本格的な食材が手頃な値段で手に入ります。

子どもが出来て、外食をする事が困難になってからは(子どもは食べ物の嗜好も大人と異なるし、レストランでじっと座っていられないので、子どもと外食するとどんなに美味しい物を食べても味わう事すらできません。)殆ど家で食事をするようになりました。和食を作ることもありますが、外国で和食を食べ続ける事にこだわると出費が膨らむので、その時に家にある物を使って色々な物を作ります。

今日はクーグルというユダヤ料理を作りました。ユダヤ料理は基本的には家庭料理で、レストランで食べるような洗練されたものは殆どないので、夫の親戚に宗教的な祝日の際に呼ばれた時に初めて食べました。ユダヤ人は世界中に散らばっている為に、どこ出身のユダヤ人かによって料理の種類もかなり違って来るようなのですが、比較的人気の高いものの一つにクーグル (kugel)というのがあります(左の写真)。

大まかに説明すると、リボン状のヒラヒラした麺類に乳製品と卵を混ぜた物を器に入れてオーブンで焼くという料理なのですが、どういうわけかこのクーグルは砂糖で味付けされて甘いときと、グラタンのような味の時と2種類あるのです。しかも、見た目は全く同じなので、食べてみるまでどんな味のクーグルなのか分からないのです。そして更に困った事に、どちらのクーグルも食事の一部として供されるのです。

私は様々な食事にチャレンジした結果、いまではおかずに果物が入っていてもさほど驚かなくなりました。ピザや酢豚にパイナップルを使うのは今でも抵抗があるものの、サラダにパパイヤ、Brisket(ユダヤ風の牛の煮込み)に乾燥プルーンや杏が入っていても驚きません。それでも、きんとんや煮豆など、基本的に甘い物を食事の一部として受入れる事は、まだまだできません。

甘いクーグルをおかずの一部として初めて出された時には、本当に困惑してしまいました。これは、一体デザートなのだろうか、それとも食事の一部なのだろうか。何故おかずなのに甘いのだろう、と色々と不思議に思ったので、後ほど夫に質問してみたところ、やはりユダヤ人でも甘いクーグルをおかずの一部として食べる事に抵抗のある人はいるようで、他の物を全て食べ終わった後にクーグルを食べるというのは珍しくないそうです。


私が今日作ったクーグルは、コッテージチーズ、サワークリーム、グリュイエールチーズが入っていて、甘くありません。



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