2012年1月23日

クーグル (Kugel)

しばらくブログをお休みしていました。

アメリカではリベラルであるという事が忌み嫌われるようになってから久しいのですが、私は今でも自分が多方面に関してリベラルな考え方を持っていると思っています。

食の面においても、様々な国の料理を積極的に試すタイプで、私のような人間には、ニューヨークは素晴らしい所です。マンハッタンに行けば、有名シェフが経営する一流のレストランで食事が出来る一方、クイーンズには各国の移民が集う本格的でしかも安価なレストランが沢山あります。

私の住んでいるアストリアと呼ばれる地域には、ギリシャ系、インド系、南米系、東ヨーロッパ系、中東系の移民が入り交じっている為に、近所のスーパーに行けば、各国から輸入されたかなり本格的な食材が手頃な値段で手に入ります。

子どもが出来て、外食をする事が困難になってからは(子どもは食べ物の嗜好も大人と異なるし、レストランでじっと座っていられないので、子どもと外食するとどんなに美味しい物を食べても味わう事すらできません。)殆ど家で食事をするようになりました。和食を作ることもありますが、外国で和食を食べ続ける事にこだわると出費が膨らむので、その時に家にある物を使って色々な物を作ります。

今日はクーグルというユダヤ料理を作りました。ユダヤ料理は基本的には家庭料理で、レストランで食べるような洗練されたものは殆どないので、夫の親戚に宗教的な祝日の際に呼ばれた時に初めて食べました。ユダヤ人は世界中に散らばっている為に、どこ出身のユダヤ人かによって料理の種類もかなり違って来るようなのですが、比較的人気の高いものの一つにクーグル (kugel)というのがあります(左の写真)。

大まかに説明すると、リボン状のヒラヒラした麺類に乳製品と卵を混ぜた物を器に入れてオーブンで焼くという料理なのですが、どういうわけかこのクーグルは砂糖で味付けされて甘いときと、グラタンのような味の時と2種類あるのです。しかも、見た目は全く同じなので、食べてみるまでどんな味のクーグルなのか分からないのです。そして更に困った事に、どちらのクーグルも食事の一部として供されるのです。

私は様々な食事にチャレンジした結果、いまではおかずに果物が入っていてもさほど驚かなくなりました。ピザや酢豚にパイナップルを使うのは今でも抵抗があるものの、サラダにパパイヤ、Brisket(ユダヤ風の牛の煮込み)に乾燥プルーンや杏が入っていても驚きません。それでも、きんとんや煮豆など、基本的に甘い物を食事の一部として受入れる事は、まだまだできません。

甘いクーグルをおかずの一部として初めて出された時には、本当に困惑してしまいました。これは、一体デザートなのだろうか、それとも食事の一部なのだろうか。何故おかずなのに甘いのだろう、と色々と不思議に思ったので、後ほど夫に質問してみたところ、やはりユダヤ人でも甘いクーグルをおかずの一部として食べる事に抵抗のある人はいるようで、他の物を全て食べ終わった後にクーグルを食べるというのは珍しくないそうです。


私が今日作ったクーグルは、コッテージチーズ、サワークリーム、グリュイエールチーズが入っていて、甘くありません。



よかったらクリックおねがいします。 ↓こちらのクリックもおねがいします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ

0 件のコメント:

コメントを投稿