2012年1月26日

一般教書演説 (State of the Union Address)

昨晩の9時からオバマ大統領の一般教書演説がありました。我が家では、子どもが途中で水を飲みたいと言って途中で起きて来るなどの中断がありましたが、大体は見る事ができました。

バラク・オバマという人は、演説をさせれば右に出る者がいないくらい上手です。演説のうまさで頭角を現し、大統領になったと言っても過言ではないと思います。昨日の演説は、少々ゲキの飛ばし過ぎだとも思いましたが、どん底状態にある今のアメリカにはそれが必用です。

オバマ大統領の昨日で発表したように全てが執り行われれば、数年のうちにアメリカの経済力は回復して、教育レベルを向上する大きな足がかりができるはずです。ただ当然ながら、全てが大統領の思い通りになるわけではなく、昨日の演説内容の半分位の懸案が法案化される為には、議会での可決承認が必用です。残念ながら、現在の下院でそれが可能だとは思えません。

私のように長い間累進課税に親しんだ日本人に言わせれば、年間$1Million以上の収入がある人が年収$50,000よりも高い税率を課せられるというのは当然の事のように思えます。ところが、現在のアメリカの税法では、年収が$250,000以下の人々の平均課税率は30%なのに対して、$1Million以上の人々は収入の15%以下の税金しか支払っていない事が通常です。何故このような不思議なシステムになっているかと言うと、$1Million以上の収入のある人の収入の内訳の殆どが給料ではなく投資による収入だからです。アメリカでは投資を助長する為に投資に対する税率を意図的に低くしてあるのです。

アメリカ人の多くは、定年退職後の収入を国からの年金と個人レベルでの投資収入でまかなっている為に、投資の税率が高くすると年金生活者の生活を圧迫してしまうという懸念があります。ただ、殆どのアメリカ人、Occupy Wall Street の人々が言うところの99%のアメリカ人の投資収入は微々たるもので、その総額が$1Million近くになる事はありません。それ故に、収入の内訳がどのようなものであれ、特別に生活に余裕がある人(年間収入が$1Million以上の人)には30%の税金を支払ってもらうという事にしてもいいのではないかと思います。

ただ、資産家にもいろいろあるようで、ウォーレン・バフェットのような人は、自分のような億万長者はそれなりの高い課税率を課せられるべきだと公言しているのに対し、共和党のエリック・カンターに代表されるような人々は、資産家への高い課税はアメリカ経済を圧迫すると言っています。

税金は、必ずどこからか集めなければなりません。不況で税収が自然減している時に、さらなる減税をすれば、さらに国の財政は圧迫されるのみです。国の財政を引き締める為に、教育やその他の支出を極限まで削っているのが現在のアメリカです。



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