2012年11月22日

感謝祭(サンクスギビング)

明日の木曜日はサンクスギビングで、アメリカ中が様々な事に感謝を捧げる日です。元々はイギリスで行われていた宗教的な意味合いを持つ収穫祭だったようです。初期のピューリタン達がアメリカに移住してからは、原住民から土地にあった農耕法などを教わりそれで収穫した作物等を料理して3日間に渡る祝宴を原住民と伴に行った所にあるそうです。

元々は宗教的な意味合いを強く持つサンクスギビングは、アメリカでは上記の原住民との逸話からか宗教とは関係ない国の祝日として捉えられています。アメリカに住む人の全ては、サンクスギビングに七面鳥を食べるべき日なのです。

サンクスギビングの日には人が集ります。親戚の家に集ったり、友人を招待したりされたり、また全く知らない人を招待することもよくあります。

話は変わりますが、今日は11キロ程歩いて主治医の所まで行って来ました。秋晴れの気持ちの良い空気の中を歩いていると、住宅地のなかにいきなり行列が現れました。多くは年配の人びとだったと思いますが、中には小さな子供を連れた人もいました。

何かと思って列の先頭まで歩いた時に覗いてみると、学校の小さな校庭の様な所で、食料の配布をしていました。軽いショックと言いようのない寂しさを感じました。

明日のサンクスギビングを前にして、七面鳥の料理の仕方や飛行機や高速道路の混み具合をテレビでは放送していますが、全てのアメリカ人が親類や友人と食卓を囲める訳ではないのです。アメリカの子供の貧困率は20%を超えており、先進国の中では異様に高い数字です。

ここ数年、私たち家族も経済的に苦しいのですが、今年も家族揃って健康な事、食事が出来る事などを心から感謝します。



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2012年11月14日

軍の上層部を取り巻く人びと

ペトレイアス将軍の不倫発覚事件は、思いがけない方向に飛び火して、質の悪いテレビドラマの様相を見せています。今度は現役の将軍から一般市民への機密漏洩の可能性が出て来ました。正直言って、他人の情事は放っておけと思うのですが、それに国家機密が絡んでいればそうも行かないのでしょう。

このスキャンダルに登場する二人の女性、ジル・ケリーさんとポーラ・ブロードウェルさんの写真を見た時に、アメリカのとある会社にいた「将軍の娘」と言われていた女性を思い出しました。アメリカ軍の上層部を取り巻く女性には既婚で派手な人が多いような気がします。

私が知る「将軍の娘」は、40代後半ぐらいでとある会社のコンサルタント的な立場でした。彼女が側に来るとクシャミをしてしまう程いつも大量の香水をまとい、10センチはあるヒールを履いていたのが印象に残っています。会社にはたまにしか顔をださないものの、自分の持つ人脈を使って将軍達が集るパーティーには頻繁に出席して、軍関係の仕事を会社に持って来る役割を担っていると人づてに聞きました。

将軍や大佐のような軍の要人に近づくには男性よりも女性の方が有利なのでしょうか。勿論、全ての関係が性的な関係だとは思いませんが、ケリーさんもブロードウェルさんも「将軍の娘」もソフトな面とハードな面が微妙に入り交じっているような印象を受けます。

将軍や大佐と懇意になると、私にはわからない様々なメリットがあるのでしょう。



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2012年11月12日

将軍の情事

大統領選挙の興奮も覚めやらぬ金曜日、現在のアメリカで最も有名な将軍とも言えるペトレイアス氏がCIA長官の職を辞任するという発表がありました。原因は、彼の伝記筆者であるブロードウェルさんとの不倫関係です。

ペトレイアス将軍は、将軍らしく落ち度がない規律の取れた人物として知られています。以前から伝記筆者の若い女性が将軍から優遇を受けているのは周囲の知る所ではあったようですが、まさか不倫をしているとは誰も夢にも思わなかったようです。

発覚の発端は、ブロードウェルさんからの強迫メールがとある女性に送られた所から始まります。この女性が身の危険を感じてFBIに通報し、そこから操作が始まったそうです。メールの内容は明らかにされていませんが、将軍とその女性の関係を疑った為の強迫だったようです。

そして捜査の過程で、実は将軍とブロードウェルさんのgmailの通信記録が明らかになり、不倫関係も判明したそうです。

アメリカは政治家にモラルを求める国です。他の国ならば、不倫をしようが不義の子が出現しようが、政治手腕にさえ長けていれば国民は見て見ぬ振りをする事もあるのでしょうが、アメリカでは私生活に汚点があると、政治家や国家の役職につく事は非常に困難です。

このCIA長官不倫、辞任騒動も「それが報道されて辞任にまで追い込まれるような類のものなのだろうか」と疑問を持つ人もいます。ただ、ハニー・トラップという言葉があるように、セックスを使って近づいてそれを元に情報を引き出すという手口は007映画だけでなく現実のもののようです。

今回は、CIA長官が強迫されていたわけではないのですが、特別な優遇を受けていたブロードウェルさんは、やろうと思えば簡単に機密情報を入手したり、将軍の個人gmailアカウントから政府のメールアカウントにハッキングする事も不可能ではないそうです。政治家や政府の高官は、任期中には私生活さえろくに持てないのかも知れません。



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オバマ陣営のデータとサイエンスとマーケティング

Pew Social & Demographic Trends
大統領選挙に関しては既に色々と書いたのですが、最後にもう一つだけ特筆すべき事があります。今回のオバマ陣営の勝利は大統領自身の勝利よりもデータとサイエンスと多様化の勝利と言えると思います。

オバマチームは2010年の国勢調査のデータと過去のデータを元に、2012年の人種別人口分布をより正確に把握したと言われています。一方ロムニーチームは、南米系やアジア系アメリカ人の人口増加率を実際よりも低く見積もっていた所に大きな敗因があったようです。

そのために、最後の最後まで、ロムニーチームは勝利を疑わなかったようで、実際に負けたと分かったときの狼狽ぶりはテレビでも放送されていました。

私は、数学もまともに出来ない完全な文系人間なのですが、データとサイエンスの重要さは最近痛切に感じます。自分の主義主張やイデオロギーに反するデータやサイエンスを「嘘である」と決めつけるようになったらおしまいです。それをしないオープンな物の見方を出来る人達が科学者であり、その探究心を私自身も見習うべきだと思っています。

一つのデータが怪しいと思ったら、同じ内容を調査している別のグループが発表しているデータを入手して比べるべきです。いくら自分が正しいと思う事でも、データによるバックアップがなければ、事実とは証明されないのです。探求もせずに、嘘だとわめき散らしているだけでは、メッキが剥がれるのも時間の問題です。

マイノリティーのデータを正しく把握できなかったというのは、今の共和党にとって象徴的な敗因だったと思います。ダーウィンの進化論を信じない、レイプされた女性は妊娠しないと主張する… これらは私には全て現実逃避という同じ問題の根源があるように思えます。



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2012年11月9日

何故ロムニーが負けたか

大統領選挙が終わってから、各メディアではロムニー陣営の参謀が揃って「我々は白人だけの支持ベースでは勝利できない事に気がついた。もっとマイノリティーを取り込む努力をしなければならない。」というような分析を行っています。

「は???」というのが私の率直な意見です。本当に今頃共和党はそんな事に気がついたのでしょうか。白人票のみで選挙を乗り切れると思っていたロムニー陣営は、幻想を追っていたのでしょうか。アメリカの人種構成で白人の割合が毎年着実に減っているのは今更ニュースにもならない古いネタです。

白人の高齢者層は投票率が非常に高いグループです。おそらくロムニー陣営は、将来はともかく今回は白人票のみで乗り切れると思っていたのでしょう。ところが、オバマ陣営のデータを駆使してターゲットを絞った選挙戦は、白人以外の投票率を激戦区で伸ばすことに成功しました。

共和党の政策は、社会的な保守と経済的な保守の二本柱です。経済的な保守には、多くの日本人が共感しているように思います。財政赤字をなくし、税金を撤廃し、できるだけ政府を小さくする事が経済の発展に繋がるという考え方です。年金や失業保険、生活保護などの社会補償は労働意欲のない個人を助長することになるので好ましくないと考えています。また、仕事を産み出す企業は高所得者層には、税制の優遇措置を取るべきであるとも言っています。

社会的な保守とは、アメリカ的な生活や考え方を重要視し、受精卵は人格を持つので人工妊娠中絶は全廃し、避妊は神の意思に反するので禁止し、強制的な健康保健制度は自由の剥奪であり、同性愛も神の意思に反するので禁止し、学校ではダーウィンの進化論ではなく、聖書の創世記を教えるというような考え方です。おそらく、日本人が共感できる部分は少ないはずです。

現在のアメリカ共和党は、この二つの財政的な保守と社会的な保守をストイックなまでに押し進めようとしています。それに心から共感できるのは、裕福なキリスト教の白人ぐらいのものでしょう。選挙活動中に演説を聞きに集った人びと、また共和党と民主党の大統領選挙の開票パーティーに集った人びとの写真を比べてみれば、一目瞭然です。

一切の妥協を許さない態度は、少数の熱狂的な支持者を喜ばせることは出来ますが、それ以外の人びとからは敬遠されます。共和党の支持者の中にも、「共和党は国民の寝室から退出すべきである。」と考える人はいますが、そういう人びとは徐々に共和党と距離を取り始めました。

アメリカに於いて将来、裕福な白人層が増加する見込みはありません。今のままの支持層では共和党は次の選挙を戦って行けないと、共和党は言っているのですが、私にはそんな事を今更のように言い出す思考回路が全く理解できないでいます。



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2012年11月8日

アメリカ大統領選挙

4年前にヒラリー・クリントンが民主党の大統領候補の座を狙っていた時に、小額の寄附をしました。ヒラリーの力強さ、政治家としての狡猾さ、公共事業への信念に共感したからです。

たった$25位の寄附だったと思いますが、それを機会に私の名前は民主党の支持者のリストに永久に刻印されてしまったようで、事ある毎に民主党からボランティアのお誘いや寄附の要請などのメールが送られて来ます。勿論、私にはアメリカの選挙権はありません。

私の夫は政治キチガイで民主党支持者なので、ここ数日も4年前もオバマ陣営のボランティア活動をしていました。それでも夫の名前は民主党の支持者リストには入っていないようです。一度も政治ボランティアをした事がない私の所へは、一日に何度も民主党からのメールが来るのに…

選挙の数日前から、それまで拮抗していると言われていた大統領選挙なのですが、実はオバマがリードしているという情報が流れ始めました。テレビ局は臨場感を出して視聴率を上げたい為か、接戦だと報じ続けていたのですが、結果から見るとやはりオバマ有利の情報は正しかったようです。

オバマの勝利は、ハリケーン・サンディに助けられたという意見があります。サンディ対策に国家レベルでの援助が迅速に行われた事、災害時には地方自治体レベルだけの対応では到底不十分である事を国民が実感した事、またライバルの共和党であるニュージャージーのクリスティー知事はオバマ大統領の災害対応にとりわけ大きな感謝を示した事がその理由として上げられます。

でも、4年前の熱狂的なロックスター並みの支持を失ったオバマ大統領が再選されたのは、激戦区と言われる地方で現地のボランティアが早くから地道にオバマの支持活動を行っていたからでもあります。ロムニー候補にもボランティアの地方スタッフはいますが、ロムニー候補の為のボランティアではなく、共和党のボランティアだというのがオバマ陣営との大きな違いなのだそうです。

オバマ陣営が選挙民の様々なデータを持っているというのはよく言われている事です。データを駆使してよりターゲットを絞った選挙活動ができる効率の良さは、従来の選挙活動のやり方と大いに異なり、それが今回の激戦区と言われていた各州での大きな勝利に繋がったようです。

ブッシュ前大統領の選挙戦を率いたカール・ローブ(左)とオバマ大統領の選挙戦を率いたデビッド・アクセルロッド(右)はそれぞれ政治家ではないのですが、アドバイザー(顧問)として就任しており、間違いなく政権の立役者です。双方ともやり方は異なりますが、どんなに姑息な手段を使っても絶対にに成功しようとする計算高さには背筋が寒くなります。

アメリカ人もこの二人にはあまり好意的な印象を持っていないようで、それぞれ政権の影の帝王のような存在です。カール・ローブやデビッド・アクセルロッドのような存在は、選挙戦に勝つ為の必要悪なのでしょうか。

4年後の大統領選挙では、オバマの三選はないので、共和党からも民主党からも候補が多数出て来ます。今年よりも更に汚い選挙戦になるのかと思うと、早くも食傷気味になってしまいます。



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2012年11月6日

アメリカという国の勉強

ハリケーンで学校が休みの間、子供が家で退屈していたので、担任にメールで何をさせたら良いか質問をしました。色々な教育関係のウェブサイトや教材の他に、ヒストリーチャンネルで放送されたアメリカの歴史シリーズが良いという返答があったので、そのシリーズのうちの最初の3作を見ました。

アメリカで最初の植民地ジェームスタウン(バージニア州)の惨事と、それとは別にケープ・コッド(マサチューセッツ州)に入植した厳格なキリスト教を信奉するピルグリム達の歴史から始まって、アメリカ人が西へ領土を拡大してカリフォルニアに到達するまでの話でした。

多くの日本人と同様に、私はある程度の世界史の知識はあるものの、アメリカ史に関してはあまり良く知らないままです。(逆にアメリカ人はアメリカの歴史は良く知っているのに世界史の知識が殆どありません。)ヒストリーチャンネルのアメリカ史番組は、ざっと大まかにまとめてあるビデオではありますが、現在のアメリカという国を理解するために役に立つと思いました。

アメリカにヨーロッパから入植して来たのは、その宗教の厳格さ故に迫害されたキリスト教の一派と、大きな成功を手に入れようという欲望を持った人びとです。お互いに相反するような二つの移民勢力。妥協を許さない厳格なキリスト教の思想と、どんなに大きな犠牲を払っても莫大な成功を手に入れようとする現世的な欲望は、現在のアメリカにも見え隠れします。

ただ、今のアメリカ人の中で、建国当時に先祖を見いだせるのはごく僅かなエリートのみです。殆どのアメリカ人は、1776年の建国当時から今日までのいずれかの時期に世界中から様々な理由によってアメリカに来た人びとです。

人種による人口構成も、新しい移民の流入によってどんどん変化しています。建国当時の憲法をアメリカ人は神聖視し、全てを当時のままに保存したがります。でも私のような新参入者から見ると、例えば銃規制への反対や税金を全廃して全てを自己責任でまかなうというような思想は未来を見つめずに過去にしがみついているように見えてしまいます。




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2012年11月5日

洪水被害と保険ー全てを記録せよ

アメリカで浸水の被害にあった人びとは、特別に洪水被害が含まれている保険に入っていない限り、通常の家所有者が購入する災害保険ではカバーされません。住宅にかける保険は、上階からの水漏れや火災の被害の為のもので、水害に関する補償は除外されているのが通常なのだそうです。

つまり、今回のハリケーン・サンディの場合、クイーンズのBreezy Pointの火災で焼け落ちた家には保険金が下りるけれども、スタテン・アイランドで家が流されてしまったり浸水の被害にあった家屋には保険金は下りない事になります。

洪水には洪水専用の flood insurance というのがあります。フロリダのようにハリケーンの被害が多い地域では人気があるようですが、ニューヨークで洪水保険を買っている人はあまりいないと思います。それぞれの保険には何が補償されるかされないかというのは細かな決りが色々あり、日本とは異なります。

大規模な水害を含めた損害を国家レベルで補償するのが FEMA (Federal Emergency Management Agency) です。国が大規模災害と指定した災害で被害を被った人は、保険がなくても、または入っていた保険が被害をカバーしなくても国が費用を低利子で一時期肩代わりしてくれるというシステムです。

もしも、何かの保険に入っている場合には、その補償を受ける事がまず第一です。保険に入っていて支払われる保険金には返済の必要はないからです。それでカバーされなかった残りの分を FEMA は受け持ちます。

FEMA でも洪水保険でも大切なのは、被害を証明できる記録を撮る事です。浸水して使い物にならなくなってしまったソファーを捨てる前に、それを写真やビデオで記録しておくようにとシューマー上院議員もハリケーンの直後から言っていました。上階からの水漏れや空き巣に入られて家を荒らされり盗難にあった時、車の事故の際にも画像による記録は役に立ちます。



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2012年11月4日

ブルームバーグ市長

最近のブルームバーグ市長は、ニューヨークに住んでいれば嫌でも目につきます。先週から災害関係の記者会見に出ずっぱりなのに加え、個人の利益団体の設立、オバマ大統領への推薦、ニューヨークシティー・マラソンの開催に関するゴタゴタなど話題に事欠きません。

ニューヨークシティー・マラソンは、ドタキャンとなりました。このまま多数の反対を押し切って開催するよりも、中止の決断を下せた事に一様の評価はしますが、何故もっと事前にその決定を下せなかったのか、釈然としない気持ちが残ります。ハリケーン・サンディの被害が予想よりも酷いと分かった時点で中止していれば、選手もわざわざ災害でゴタゴタしているニューヨークに来る必要もなかったのに…

被災者に対する対応も、ニュージャージーのクリスティー州知事に比べてどことなく冷たいような気がします。クリスティー州知事が被害の酷かった地域に自ら出向き、悲嘆にくれる被災者を暖かくなぐさめる姿はアメリカ人の脳裏に焼き付いたに違いありません。人びとが政治家に求める姿というのは、こういうものなのだと実感しました。根っからのビジネスマンであるブルームバーグやロムニーに大きく欠けている一面です。

オバマ大統領もロムニー候補も、無所属であるブルームバーグの推薦を勝ち取れば、無所属の有権者に影響を与える事ができると計算したため、双方とも何度かブルームバーグの了解をとりつけようとしていました。今までどちらも推薦を得る事ができずにいたのですが、今回の災害の直後に、ブルームバーグ市長は突然オバマ大統領の推薦を発表して、周囲を驚かせました。

ブルームバーグ市長は、銃規制や同性愛婚だけでなく、地球温暖化に対する懸念も強く持っています。オバマ大統領への推薦は、今回の災害に対する国家レベルでの地方自治体への迅速な援助への評価と、地球温暖化を事実として認めようとする態度への評価もあるようです。

ブルームバーグの前はジュリアーニがニューヨーク市長を務めていたのですが、ジュリアーニの任期の後半はミニ独裁者のような振る舞いが目立ち、市民から大きな反発を買っていました。もしも9/11がなければ、ジュリアーニはもっと酷くこき下ろされていたに違いありません。それに比べればブルームバーグは、異様な振る舞いもないし、それなりの成果をあげたそれなりの市長なのではと思います。



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2012年11月2日

ニューヨークの優先順位ー市民の生活とマラソン

ハリケーンから数日経って、市当局の優先順位と市民の要求にズレが生じて来ています。行方不明者の捜索と電気などの生活の基盤をまず立て直して欲しいと切願している市民と、今週の日曜日にニューヨークシティー・マラソンを強行しようとしている市当局に軋轢が生じ始めたようです。

ニューヨークシティー・マラソンは、市民マラソンのなかでも最も規模の大きいものの一つで、世界中から有名招待選手も毎年参加します。市の財源の一つでもあるので、ハリケーンの被害にあった僅か一週間後にマラソンを開催できれば、それで市の復活をアピールできる事にもなると主催者側は考えているのでしょう。

でも現実には、木曜日の夜の時点で、未だにマンハッタンの34丁目より南側は停電したままだし、幾つかのトンネルと地下鉄も水没したままです。特に被害の大きかったスタテン・アイランドやクイーンズの一部では、未だに崩壊した家やその付近での行方不明者の捜索活動が続いているような状況です。

いくらニューヨークの不屈の精神を内外に表明する意図があるにしても、まだ半壊した家から寝たきり老人が救出されているような段階でのマラソンの開催は、優先順位をはき違えているように感じる人は大勢いると思います。

ニューヨークシティー・マラソンのコースは、ニューヨークの5つの区の全てを回ります。マラソンの解説は、それぞれの区を通過する時にその区の紹介をするのでしょうが、たった1週間前に襲ったハリケーンの被害は、マラソンのバックグラウンドとするには余りにも生々しいのではないでしょうか。

ブルームバーグのハリケーン対応は、今の所迅速で素晴らしいと言われていますが、ニューヨークシティー・マラソンの開催は、その評判に大きな傷をつける事になると思います。

追記:開催二日前にマラソンは中止になりました。やはり被災者を含めた市民の反発が大きかったからのようです。400戸分の発電をまかなえる超大型発電機を2台も使って準備をしていたのがニュースで報じられていましたが、そういう物は非常時には停電している地域に回すべきですよね。



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2012年11月1日

温暖化による気候の変化

ニューヨークのダウンタウンが温暖化によって水没するという話はずいぶん以前からありました。イーストリバー沿いに住んでいる人も「もうかなり長く住んでいるけれど、年々水位が上がって来ている」と8年位前に言っていました。

証券取引所があり、ウォール・ストリートもあるアメリカの経済活動の中心地であるニューヨークのダウンタウン地区が今回のように水没し、地下鉄も動かせなくなってしまうというのはかつてなかった事です。

気象学者によると、海水の表面温度が高くなっているので、これからも巨大化したハリケーン、季節外れのハリケーン、ブリザードがアメリカの東北部を襲う事は考えられると言う事です。今回のような「前代未聞」の被害は、また起るという可能性が十分にあるのです。

ハリケーン・サンディによる被害で、アメリカ人はいよいよ温暖化は本当に起っているという想定の元に都市計画を立てなければならなくなりました。地球温暖化に関しては、その真否を疑う人も多いようですが、運を天に任せて温暖化が起っていないと仮定する方がリスクが大きくなって来たようです。

オバマ大統領もロムニー候補も、地球温暖化に関しては一言も触れていません。環境保護のようなエネルギー業界を敵に回す事になりかねない話題は、選挙では命取りになる可能性が高いからです。しかも沿岸地域に住まない多くのアメリカ人にとって、地球温暖化は未だに他人事でしかありません。

今日の記者会見で、ニューヨーク州知事のクオモも市長のブルームバーグも、それぞれ地球温暖化に関して言及していたのは大変興味深いと思いました。サンディの被害状況が一段落したら、将来に向けて何らかの対策を立てなければいけないと言っていました。



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