2012年2月29日

銃規制問題

先日、オハイオの高校で生徒による銃の乱射事件があり、これまでに3人の死亡者を出しています。このような教育の場に於ける銃乱射事件は年に数回起きており、他にも子どもが家庭にある拳銃や狩猟用ライフルを操作して死亡する例や、拳銃が自殺や強盗に使われる例などもあわせると、年間の銃による死亡者数はかなりの数に登ります。そして、何か大きな銃に関する事件が起きる度に銃規制が話題にはなるのです。

アメリカでは、銃が普通に一般家庭にある地域とない地域があります。例えば、ニューヨークやボストンを含めた北東部は、人口が密集していて、警察も高度に組織化されているために、何か事件があっても警察に電話をかければ、数分以内に数台のパトカーが駆けつけて来るので、一般人の生活の中で銃で自分の身を守らなければならないような場面はありません。かえって、やたらと銃を持ち歩いている方が、犯罪に巻き込まれる率は高いと思います。一方、広大な地域に家がポツポツと立っているような場所では、例え強盗に入られて警察に電話をかけても、助けが来るまでには時間がかかります。また、そういう地域では、往々にして警察もあまり頼りにならなかったりします。ただ、銃を持ち歩いていたからといって、それで本当に自分の身を守る事ができるのかというのは、アメリカ人でも意見の分かれるところです。

元々アメリカは、イギリスやフランスの植民地が点在していた為に、それぞれの州が別々に自治を行っていました。イギリスから独立し憲法 (Constitution) が制定された時点でも、まだ連邦政府の役割は小さく、個人が武装し州を自衛する事は普通だった為にアメリカ合衆国憲法修正条項第2条でもこの自衛権が認められています (Second Amendment to the United States Constitution, 1791)。この憲法修正事項の解釈がアメリカの銃規制を語る時に、いつも問題になってきます。

アメリカで一番大きな利権団体と言われている全米ライフル協会などは、このアメリカ合衆国憲法修正条項第2条を最大限に解釈し、州兵組織への参加のいかんに関わらず、個人が武装する権利は憲法で認められていると主張しており、それが2008年と2010年にも最高裁で認められています。一方、銃規制を推進しようとする側は、アメリカ合衆国憲法修正条項第2条は、州兵組織のためにあるもので、個人的に武装するためにあるのではないと主張しています。

また、アメリカは連邦政府なので、それぞれの州の自治が大きく異なります。例えば、身分証明書や運転免許証は州ごとに発行されるし、週末はアルコール飲料の販売を禁止している州があったり、運転免許が取れる年令も州によってまちまちです。銃規制もこの例に当てはまり、規制の一番厳しいニューヨーク州では、銃の個人所有こそ禁止されていませんが、販売も厳しく管理されており、一般市民が銃をニューヨーク市内で持ち歩くことは一切禁止されています。ところが規制の緩い他州で購入した銃でも簡単にニューヨーク州へ持ちこむ事ができるために、そのような銃は絶えずニューヨーク州へ流入し、ギャングや犯罪者の手に渡ります。

アメリカの銃に対する執着は、私を含めた外国人の目からすれば異様に見えますが、アメリカの歴史や政治を知れば知る程、例えどんな悲惨な事件が起ころうとも、銃規制は不可能であるという絶望的な気持ちになってきます。



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2012年2月26日

インドのカップ麺

国が変われば料理も国民にアピールするデザインも変わります。ちょっと前にジャクソンハイツにあるお気に入りのインド系スーパーマーケットに行った時に、とても面白い発見をしました。インド系カップ麺が売っていたのです。インド人がカップ麺を食べる図というのも、余りしっくり来ないと思いましたが、おそらくカップ麺はどこの国にも存在するのでしょう。

黄色い背景に赤いボカシのようなものが入っていて、その色合いが最初に目に飛び込んできました。商品を手に取ってみると、ちょっとマイケル・ジャクソンに似た若い男性が嬉しそうにカップ麺を食べようとしていて、エスニックな感じ満点です。その下にはニンニクと八角の写真も入っていて、カップ麺の味付けが強烈である事を物語っています。ただひとつ、注文を付けさせてもらえば、男性の目の下あたりに入っているカップ麺の容器の段差が顔を歪めてしまっていて良く見えないし、写真に撮るとそれが光ってしまうのが残念です。

魅力に負けて、買ってしまいました。興味津々で、早速試してみましたが、お湯を捨てるタイプでした。食べてみた感想は、それほど美味しいものではありませんでした。普通のカップヌードルの麺に沢山のスパイスで味付けがしてあると言えば分かってもらえると思います。

私が掲載している写真は、製品を裏側から撮ったものですが、ネッスルのサイトを見たら、表側の写真が掲載されていました。製品名は Cuppa Mania というんですね。



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ブリロ

先日、99¢ストアーのショーウィンドーに置いてあったブリロ (Brillo) の箱を見て、思わず足が止まりました。ブリロのウェブサイトには、発売100年を迎えると書いてありますが、かつてのデザインは、かのアンディー・ウォーホールがポップアートの題材として使って世界的に有名になりました。現在のデザインは、当時のデザインとは異なりますが、今のデザインもポップに輝いています。実はここまでポップなデザインは、アメリカのコンシューマーグッズのなかでも稀な存在です。

アメリカ人は、国旗から来るのでしょうか、デザインに使う色では赤と青を基本的に好むようです。ブリロの場合は、赤というよりもオレンジっぽいですが、一般企業のロゴの色も、赤と青に集中しています。どちらかと言えば、強い、シャープなイメージが好まれるようです。

スチールウールにクレンザーが含まれたブリロは、使い捨てが多いアメリカならではの商品です。それでも中には、一つのブリロを二つに分けて使う人、「一回使っただけじゃまだ使えるのに、捨てちゃうのもったいないわ。」と思うアメリカ人もいるのでしょう。最近は、無駄が少なく便利な小さな使い切りサイズのブリロも発売されています。



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2012年2月24日

ご挨拶

ニューヨークでデザイナーとして過去15年程やって来たのですが、どのようにしたら自分のバックグラウンドや専門をフルに生かした仕事ができるか、いつも考え続けていました。昔から私の興味の対象はデザインのみでなく、文化全般、政治、社会現象、ファッション、世界情勢、食品、経済など、多岐に渡るために、実際の自身とデザイナーとしての仕事をしている自分にギャップや物足りなさを感じていました。

時間を取ってあれこれ考えてみた結果、日本とアメリカの架け橋になるようなブランド・コンサルティングの仕事ならば、自分の持っている知識や興味の範囲を生かして社会により貢献できるのではないかと思うようになりました。ブランド・コンサルティングというのは、会社が投影するイメージに関してアドバイスする仕事です。私のバックグラウンドはデザインなので、アドバイスも視覚的なイメージに関するものになります。

例えば、日本とアメリカの会社では、パンフレット等に使う色の選択肢もデザインの好みもかなり違います。ロゴに求められるものにも違いがあります。デザインは、その国の文化、環境、時代、歴史等を強く反影しているからです。グローバリゼーションの時代とはいえ、それぞれの国の言葉が一つの世界語にならないように、それぞれの国に息づく文化の違いも消滅することはありません。

アメリカ企業でデザイナーとして働いた経験や英語力、アメリカ全般に関する幅広い知識を生かせば、日本で既に実績のある企業がアメリカへ事業進出する際にアドバイスを提供できるのではないかと思いました。たとえば、アメリカでプロフェッショナルに見える英語での名刺やレターヘッドの制作を行ったり、ロゴに関するアドバイスを行ったり、という事です。また逆に、アメリカの企業へも日本語でのデザインサービスも行います。

業務の一環として、日本の潜在的なクライアントにアメリカの文化、社会現象、時事問題等を知ってもらう為に、自分がやっていた既存の日本語のブログの内容を少し変えて継続していく事にしました。日本に関する英語のブログも継続して行きます。仕事のブログになるので、今までとは内容が少々異なってくると思いますが、幅広い内容でアメリカの内状が見えるようなブログにして行きたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。



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2012年2月20日

アメリカのデモグラフィック

スーパーチューズデー(超火曜日)という共和党の大統領候補を選ぶ重要な日が近づいています。今回の共和党の大統領候補は、これと言ったスーパースターがいるわけではなく、かといって前回の民主党候補選の時のような二候補が激しく争うような構図でもなく、盛り上がりに欠けています。それは、いまいち魅力的になれない候補者側の問題であり、共和党自体が支持層を失っているわけではないようです。事実、アメリカは近年どんどん保守的になっています。

それぞれの国の保守派が何を保持しようとしているのかは、国によってずいぶん異なります。アメリカの保守的な考え方には、財政保守と社会保守の二つがあります。財政保守の考え方は、社会保障などに使う支出を極力削り、税率を低くする事によって、国の財政のバランスをとろうとするものです。一方、社会保守の考え方は、社会的なモラルを同性愛反対、同性婚反対、キリスト教、産児制限反対、人工妊娠中絶反対などの立場から守ろうとするものです。

どちらも低所得者には不利な理念なのですが、アメリカの共和党は低所得者層に幅広い支持があります。ここ数年の不況や高齢化の影響で、年金、高齢者用医療保険、食費援助、低所得者用医療保険など、何らかの社会保障を国から受けている人の数は急増したのですが、その援助を国から受けている人々こそ、国の社会保障に反対しているのです。

不可解にも見えるこの現象は、教育のフィルターをかけると説明がつくというのが、先日のニューヨークタイムスにあった記事です。つまり、大卒を含む学歴が高い人ほど民主党を支持する傾向にあり、南部の貧困がはびこる地域では、民主党は都会に住む高学歴の政党と見られているようです。

何故このようなねじれた状態になったのかには、いくつかの理由があります。第一には、社会保障の恩恵を受けている人が社会保障を受けているという自覚がない事。多くのアメリカ人は、年金や高齢者用医療保険が社会保障の一つだということを認識していません。第二に、ブッシュ前大統領が、自分は南部(テキサス)出身の庶民派であるという印象を植え付ける事に成功した事があります。実際には北部出身のブッシュ前大統領がテキサスに移ったのは成人してからで、テキサス訛も後で習得したものです。ブッシュ一族もサウジアラビアの王族と家族ぐるみの付き合いをする程の資産家なのですが、南部の人びとはブッシュ前大統領の話し方や振る舞いに大きな親しみを持ち、自分と同じ価値観を持つ大統領だと感じました。第三には、人々の記憶の中で60年代の市民権運動が遠い過去のものとなってしまった事があると思います。

ブッシュ前大統領の頃から、アメリカでは政治的、社会的な二極分解が進んでいます。貧富の差は更に広がり、教育格差も大きくなり、共和党と民主党は相容れず、議会で何一つ可決できないような事態が続きました。現在のアメリカは、他の先進国よりも Social Mobility が低いと言われています。つまり、貧困家庭に生まれた子どもは、将来そこから抜け出して中流の生活ができるようになる可能性が極めて低いということです。

おそらく、次の大統領選挙で、アメリカが更に保守化していくか、それとも中道に戻るか、もうすこしはっきりと見えて来ると思います。



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2012年2月12日

家族計画 その2

アメリカでは日本やその他の先進諸国と異なり、医療保険が国からではなく雇用者が医療保険会社から社員の為に保険をまとめて購入して支給しているために、様々な種類の医療保険が存在します。例えば、ある保険では医者にかかるときに一律$20かかるのに、別の保険では$30かかったりします。非雇用者の毎回の給与からは、医療保険の費用が差し引かれるようになっていますが、その額も保険の種類によって大きく異なります。

数日前に、希望する全ての女性が経口避妊薬を含む何らかの処方箋避妊方法を無料で入手できるようにするという計画を発表するやいなや、カトリック団体、共和党、プロライフ派などから大きな非難が上がりました。特にカトリック団体は、人為的な産児制限はどんな場合もで罪であるとする立場をとっています。教会が経営している学校やチャリティー等が避妊方法を被雇用者に提供するのは信条に反するというのは、理解でなくもありません。

そこでオバマ大統領は、カトリック団体の懸念を考慮して、避妊薬の費用を雇用者側でなく、保険会社に持たせるようにするという変更を発表しました。要するに、いずれにしろ避妊薬が必用な女性は、それを無料で入手できるようになるわけです。避妊薬(避妊具)は、いかなる宗教に属していようがアメリカに住む女性の99%が一生に一度は使った事があるそうです。保険で費用を支払う事ができようができまいが、教会が避妊する女は娼婦と同じだと言おうが、殆どの女性は避妊薬(避妊具)を密かに使っているのです。

それほど女性に必用不可欠なものならば、無料にすべきだというのが、オバマ政権の考え方です。望まない妊娠が悲劇に終わる例は数えきれず、それによるコストもかなり高額です。性交渉は、子どもを作る時にのみ行うべきであるというのが、キリスト教団体の考え方であり、日本でも同様な事を唱える人もいます。でも、子どもが欲しくないのに性交渉をする男性がいる限り、それを相手にする女性が必ずいるのです(世の中の全ての男性が同性愛者ではありませんよね)。

今回のオバマ政権の避妊薬に関する調整は、女性の経済的負担を軽くするはずです。それでも、医療保険を持たない女性は、引き続き避妊薬を実費で支払わなければなりません。



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2012年2月10日

家族計画

日本とアメリカを含めた諸外国の大きな違いのひとつに、宗教が社会全体や政治に及ぼす影響の大きさがあります。日本には神道があり、儒教道徳があり、アニミズムもありますが、どれも政治に影響を及ぼすほどの強大な組織力は持ち合わせていません。それに対して、一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の信奉者が多い国々では、宗教は選挙を左右する政治的な力になり得ます。日本での唯一の組織的な力を持つ宗教団体としての例外は創価学会ですが、それでもその影響力は諸外国での一神教の影響力に比べるとはるかに微弱です。

キリスト教とイスラム教は、ユダヤ教から派生している為に、それぞれの宗教では崇拝の仕方こそ異なるものの、同一単一の神を崇拝しています。3つの宗教は、歴史的に敵対しあったりしているので、全く別のもののように見えますが、その内容を見ると根本的には多くの共通点があるのです。

その共通点の一つが家族計画の否定、つまり避妊と中絶の禁止です。日本で女子高校生が妊娠してしまった場合、殆どが中絶の選択をとりますが、アメリカでは出産の選択がかなり多いのです。未婚で母になることが受入れられやすい、養子縁組の制度が整っているという事もありますが、それは宗教的理由から中絶を忌避する環境が背景にあるからだと思います。

前副大統領候補のサラ・ペイリンは、妊娠中から胎児にダウン症があると承知の上であえて出産したし、自分の高校生の娘が妊娠してしまった時にも中絶せずに出産させました。そのような生命を重んじる姿勢は、キリスト教保守派の支持を受けました。

それでは、例えば欧米でキリスト教を信仰している人達は、妊娠や出産をすべて自然に任せているのかといえば、事実はそれとは大きく異なります。現実的に見て、女性が20代で結婚し、何の避妊方法もとらずに自然に任せれば、8人の子どもができてしまうことも珍しくないと思います。日本でも戦前はそれが普通でした。アメリカでも、アーミッシュやユダヤ教のオーソドックス派に属していて、閉ざされた社会で生活している限られた人々は、今でも子沢山です。

ところが、一般家庭で子どもが5人いるというのは、ごくごく稀です。大抵の家庭では、二人。裕福な家庭や南米系の家庭で3人ぐらいが平均だろうと思います。つまり、どのような宗教に属していても、例え宗教が家族計画を禁止していても、アメリカの女性の殆どは密かになんらかの避妊をしているのです。

ここ数日、人工妊娠中絶や避妊の問題が政治的問題としてニュースで扱われています。今年の11月に次の大統領選を控えている為に、共和党も民主党も様々な方法で得票数を稼ぐ事に必死になっています。共和党は、中絶手術の全面廃止を唱えて、キリスト教関係の得票数を伸ばそうとしています。民主党は、全ての希望する女性が無料で経口避妊薬を得られるようにして、女性票を伸ばそうとしています。



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2012年2月9日

スーパーボールのクライスラーCM

アメリカスポーツの最大のイベントであるスーパーボールが先週の日曜日にありました。私はアメリカンフットボールのルールも知らないので、ゲームについての発言は一切できません。我が家では、地元チームのニューヨークジャイアンツが出るという事もあって、夫と息子はテレビにかじりついていました。

スーパーボールの話題は、ゲームだけでなく、ハーフタイムショーやテレビコマーシャルにまで及びます。そのなかでも、物議を集めたのが、クライスラーがハーフタイムに使ったCMでした。クリント・イーストウッドが、しわがれた声で2分間の長いCMを淡々とナレーションしています。
ハーフタイムだ
ロッカールームにいるそれぞれのチームは、後半をどう戦うか話し合っている 
アメリカも今がハーフタイムだ
人々は、失業し傷ついている
挽回するにはどうしたら良いか、考えている
そして、我々はみな恐れている
これはゲームじゃないんだ 
デトロイトの人々には、こういう事がわかっている
彼らは殆ど全てを失いかけた
でも、どうにか持ちこたえて、車の街は又戦っている 
たくさんの苦しい時代を見て来た
たくさんの下落があった
お互いに理解できない時もあった
一時は心を失ったかのように思えた
分離、不一致、そして非難が先を見えにくくしていた 
でもその試練の後、正しい事の元に集まり、一つになった
何故なら、それが我々のやり方だからだ
苦しい時を生き残る方法を探し
もしもそれが見つからない場合には
自分達で方法を作った 
いま大切なのは、なにが先にあるかだ
どうやって、後ろの方から出て行くか
どうやって、結束するか
そして、どうやって勝つか 
デトロイトは、それができると我々に示している
彼らに当てはまる事は、我々にも当てはまる 
この国は、一回のパンチでは倒れない
我々は、もう一度起き上がる
そしてその時に、世界は我々のエンジンの轟をもう一度聞く事になる 
そうだ、アメリカもハーフタイムだ
後半戦が始まろうとしている 
この、アメリカの愛国精神に満ちたようなCMは、共和党側から「オバマ大統領の選挙事務所からの宣伝のように見える」という事で、物議を醸し出しました。要するに、デトロイトの復活を宣伝する事は、アメリカの車業界の再編成を指示したオバマ大統領の業績の自画自賛ではないのか、という意味です。

でも、年老いたタフなイメージのクリント・イーストウッドは、アメリカ人が考えるアメリカのイメージと重複するのでしょう。このCMは、多くのアメリカ人の心に響いたようです。



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2012年2月6日

Danzón No. 2 聞き比べ

子どもの通っている学校は、リンカーンセンターで行われる子供用コンサートのチケットを無料で配る事がよくあります。この前の土曜日も、そのチケットをもらって  West Side Story and Other Music of the Americas と題された1時間程の短いコンサートに行って来ました。

その時に演奏された Danzón No. 2(ダンソン・ヌーメロ・ドス)という音楽は、今まで聞いた事がなかったのですが、ラテン系のノリの良いリズムと美しいソロと厚みのあるオーケストラが一緒になった素晴らしい曲でした。家に戻ってからもう一度聞きたいと思いユーチューブを探していると、グスターボ・ドゥダメルのレパートリーらしく、彼が指揮している様々なビデオが出て来ました。

ユーチューブで Danzón No. 2と入れて最初に出て来るのは、ドゥダメルがベネズエラの高校生オーケストラの指揮を大晦日コンサートで行っている様子です。ベネズエラ人の彼は、ベネズエラの高校の音楽ディレクターを務めているらしく、他にもベネズエラの高校生を指揮しているビデオがユーチューブで見つかります。また、彼はベルリンフィルでも同じ曲を指揮しており、その様子もユーチューブで見る事ができます。とんでもなく楽しくてノリノリのベネズエラの演奏とは異なり、典型的な美しいクラシックのベルリンフィルの演奏。両方ともそれぞれの魅力があり、とてもすばらしいのです。同じ指揮者が同じ作曲家の曲を違うオーケストラで違う解釈で行うとこんなにも異なるのかと驚かされます。ドゥダメルは素晴らしい指揮者だと思いました。

ドゥダメルはとても若いのでこれから末永く活動してくれると思うので、私も将来一度は、彼の指揮する音楽を聞きに行きたいなと思っています。

付け足しですが、Danzón No. 2は、メキシコの作曲家 Arturo Márquez が1994年に発表した新しいクラシックだそうです。2009年には、曲の為の短い無声映画が作られており、作曲家自身がピアニストとして出演しています。映画自体はちょっとメキシコの昼メロみたいですが、演奏は迫力があります。



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2012年2月5日

ブランドイメージの惨事

先週の初め、コーメンファンデーションという、アメリカを代表する乳ガン撲滅を目指す非営利団体がプランドペアレントフッドという家族計画を推進する非営利団体への資金援助を打ち切る決定をしたというニュースが流れました。

プランドペアレントフッドは、全米各地にクリニックを持っており、主にコンドームや経口避妊薬を処方している他にも、性病の予防と治療、子宮頸癌の検査、乳ガンの検診、人工妊娠中絶も行ったりするようです。プランドペアレントフッドのクリニックは基本的に誰でも受け付けるので、実質的に医療保険を持てない貧しい女性の婦人科的な役割をしています。

コーメンファンデーションは、ピンクのリボンを考案した団体です。ピンクのリボンは、今では乳がん撲滅のシンボル的な存在になり、乳がんに関する様々なイベントでは必ずピンクのリボンが使われています。

コーメン側は、資金打ち切りの理由を終始一貫せずに次々に変えていますが、要するに人工妊娠中絶手術を行う団体には援助をしたくないという事のようです。コーメンの対応を見ると、プランドペアレントフッドへの資金援助停止がニュースになるとは思ってもいなかったようですが、フェイスブックやツイッターを通して沢山の苦情や批判が殺到し、ここ数日のトップニュースにまでなってしまいました。

フェイスブックやツイッターの力がニュースでは報じられていますが、それに加えて自分がいつ医療保険を持たない状況に陥りかねないと恐れているアメリカ人の姿もあると思いました。人工妊娠中絶のどうのこうのという政治的な事よりも、実際に社会の低辺にいる女性が婦人科の検診を受けられるかどうかの方がずっと重要であると多くの人は感じたのでしょう。

結果的には、コーメンの資金援助停止に危機感を感じた人々から沢山の有志の寄附がプランドペアレントフッドにインターネットを通じて寄せられ、その額は瞬く間にコーメンからの資金額以上になったようです。一方コーメンは、長い間かかって築き上げて来たブランドイメージを大きく傷つけることになりました。金曜日になって、あまりのダメージの大きさに気づいたコーメンが決定を取り消し、今まで通り資金援助をプランドペアレントフッドに行うという発表をしたのですが、一度失われた信頼を取り戻すのにはかなり難しいように思えます。



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2012年2月3日

アメリカ共和党大統領候補指名選

共和党指名の大統領候補を選ぶ選挙が次々を行われていますが、それぞれの候補者の話を聞くと、彼らがいかに一般市民とかけ離れた生活をしていて、国民の苦悩が全く見えていないかが分かり、絶望的な気持ちになります。

昨日、フロリダ州の選挙で首位を得たロムニーは、CNNのインタビューで "I'm not concerned about the very poor. We have a safety net there." と宣ってしまい、当然ながら、各方面から批判を浴びています。彼にとって、貧困に喘ぐアメリカ人の生活は、心配するに値しないのでしょう。この発言に怒りを感じた人は多いと思いますが、おそらくロムニーは貧困層からの得票がなくても、十分に勝てると思っての発言だろうと思います。また、地方に住む貧困層は、投票所へ行く為の交通手段もないために、投票できない場合がすくなくないので、それをロムニーは見込んでいるのかも知れません。

そのちょっと前に、もう一人の共和党大統領候補ギングリッチは、月で人が生活できるようにするという壮大な計画(夢?)をぶちまけましたが、技術的には充分可能だそうです。ただ、今のアメリカにそんな多額の費用を捻出するだけの国力がないというのは、だれの目にも明らかです。

テレビ番組でアナウンサーがNOVAの司会もしていた宇宙物理学者タイソン氏にギングリッチの月計画について質問していましたが、タイソン氏の答えはとても的を得ていました。「アメリカが月に人を送るためには、今の子供達の世代全てを科学で魅了して、沢山の素晴らしい科学者を育てる所から始めなければならない。でも今のアメリカは、日々をやり過ごすのに手一杯じゃないですか。」

アポロ計画がアメリカで成功したのは、計画発表後にアメリカの学校の科学の授業の予算を大幅に増加するところから始め、意図的に沢山の科学キッズを育て、その中でも一番優秀な子供達に奨学金を与えて科学者にした結果だそうです。税金の教育費が占める割合が年々減らされている今のアメリカには、沢山の優秀な科学者を育てる土壌などないのです。

アメリカの国会議員の平均収入は、国からの支給と個人の収入を合わせて$800,000と言われています。一般国民との収入の格差はここ数年で劇的に増加し、国民はより貧乏に、議員はより裕福になって来ているそうです。アメリカの企業は、選挙で民主党と共和党のどちらが勝利しても確実に恩恵を被る為に、双方に沢山の政治献金をしています。裕福層と企業には、アメリカ中の国会議員が代弁者になってくれるのに、一般市民には代弁者がないというのが現状です。この現実が Occupy Wall Street が発足する大きな一因となっています。



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2012年2月2日

さようならVerizon

家電話をインターネットフォンというのに代えました。今までもVerizonのインターネットフォンもどきを使っていたのですが、毎月の費用が税金も含めると$26ぐらいでした。それはそれで悪くはなかったのですが、Verizonのカスタマーサービスがとても悪いので、これも変える事にしました。

代価はどんな物があるのか、ネットで調べていたら、常々コスコで見かけていて不思議に思っていたOomaというインターネットフォンにたどり着きました。機械自体は$170ぐらいするのですが、毎月の使用料が$4以下(実質上税金のみ)なのです。契約期間もなし。本当なのか、どういう仕組みなのか、詐欺ではないのか… 色々と考えていたのですが、今朝Verizonから支払いがないのならばサービスを切るという脅しの電話が来たので、思い切ってインターネットフォンの機械を買って来ました。もしもうまく行かなかったら、コスコならば返品もできるし。

実際にやってみたら、あっけないくらい簡単にセットアップできました。しかも基本サービスのみならば、本当に毎月$4です。ネットで電話の明細を瞬時に見る事ができるし、個別の電話番号をブロックする事も簡単です。古い電話番号をそのまま持ち越せないかとも考えたのですが、2〜3週間かかるみたいだし、古い番号にはセールスコールが頻繁にかかって来てたので、思い切って新しい番号にしてしまいました。

電話会社のサービス料金というのは、あぶく銭みたいなものです。初期設定料金だって、今はネットでオーダーして自分でセットアップする人もいるのに、相変わらず請求してくるし、2年間の契約だって中途解約の場合には2万円3万円ぐらいの金額を平気で請求して来ます。何もしないでそんなお金が入って来るなんて、まっとうな商売ではありません。企業がブクブク肥太るわけです。

たった7ヶ月未満というVerizonとの期間。短かったけれど、沢山嫌な事がありました。携帯の店舗でセットアップを終了したはずだったのが、実際にはセットアップがされていなかったり、電話番号をかつての電話会社からもってくるのにやたらと手間がかかって、そのために何度も電話をかけたり、夫の携帯でメールが受信できるはずなのが数ヶ月間できなかったり、使ってないはずのインターネット料金を超過請求されたり… でも、もうこれで本当におしまいです。



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2012年2月1日

物事には、理由がある

様々な事柄が、そのようであるには、理由があリます。世の中には偶然はないというような神秘的な意味合いではありません。ダーウィンが種の起原で書いたように、蝶の羽に目玉の模様がついているのには、ちゃんとした理由があるのです。最初はほんの偶然で起った事柄でも、それによって何かの利益があった場合には、人間はそれを学んで次は必然的に同様の事を起こそうとします。もしかしたら、それは頭の良い学者が緻密な計算から導きだした経済学かもしれないし、スポーツ選手のジンクスかもしれない。あるいは、ライナスの毛布のような物かもしれません。ただ、いずれの場合も、理由があるのです。多くの場合には隠された、その理由を探求できる人間になりたいと思います。

家庭での手垢のついた日常のゴタゴタは、ややもすると偏りがちな心のバランスを取り戻す為にはとても役に立ちます。そういう意味では、全ての人に結婚して家庭を持つ事を勧めます。ただ、時には立ち止まって、色々検討して、じっくりと考える時間というのを意識的に取らないと、全てはどんどん頭の上を流れて行ってしまいます。

私はどちらかと言えば、思いつきで行動する所があり、後になってからもう少し考えを吟味すべきだったと後悔する事がよくあります。もういい年なので、これからはもっと良く考えてから行動に移したいと思います。そして、色々な事を見聞きしながら、学べる人間になりたいです。小学生の作文のようになってしまいましたが、文章にして記しておきたかったので、遅まきながら、新年の抱負でした。



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