2012年2月12日

家族計画 その2

アメリカでは日本やその他の先進諸国と異なり、医療保険が国からではなく雇用者が医療保険会社から社員の為に保険をまとめて購入して支給しているために、様々な種類の医療保険が存在します。例えば、ある保険では医者にかかるときに一律$20かかるのに、別の保険では$30かかったりします。非雇用者の毎回の給与からは、医療保険の費用が差し引かれるようになっていますが、その額も保険の種類によって大きく異なります。

数日前に、希望する全ての女性が経口避妊薬を含む何らかの処方箋避妊方法を無料で入手できるようにするという計画を発表するやいなや、カトリック団体、共和党、プロライフ派などから大きな非難が上がりました。特にカトリック団体は、人為的な産児制限はどんな場合もで罪であるとする立場をとっています。教会が経営している学校やチャリティー等が避妊方法を被雇用者に提供するのは信条に反するというのは、理解でなくもありません。

そこでオバマ大統領は、カトリック団体の懸念を考慮して、避妊薬の費用を雇用者側でなく、保険会社に持たせるようにするという変更を発表しました。要するに、いずれにしろ避妊薬が必用な女性は、それを無料で入手できるようになるわけです。避妊薬(避妊具)は、いかなる宗教に属していようがアメリカに住む女性の99%が一生に一度は使った事があるそうです。保険で費用を支払う事ができようができまいが、教会が避妊する女は娼婦と同じだと言おうが、殆どの女性は避妊薬(避妊具)を密かに使っているのです。

それほど女性に必用不可欠なものならば、無料にすべきだというのが、オバマ政権の考え方です。望まない妊娠が悲劇に終わる例は数えきれず、それによるコストもかなり高額です。性交渉は、子どもを作る時にのみ行うべきであるというのが、キリスト教団体の考え方であり、日本でも同様な事を唱える人もいます。でも、子どもが欲しくないのに性交渉をする男性がいる限り、それを相手にする女性が必ずいるのです(世の中の全ての男性が同性愛者ではありませんよね)。

今回のオバマ政権の避妊薬に関する調整は、女性の経済的負担を軽くするはずです。それでも、医療保険を持たない女性は、引き続き避妊薬を実費で支払わなければなりません。



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