昨日、フロリダ州の選挙で首位を得たロムニーは、CNNのインタビューで "I'm not concerned about the very poor. We have a safety net there." と宣ってしまい、当然ながら、各方面から批判を浴びています。彼にとって、貧困に喘ぐアメリカ人の生活は、心配するに値しないのでしょう。この発言に怒りを感じた人は多いと思いますが、おそらくロムニーは貧困層からの得票がなくても、十分に勝てると思っての発言だろうと思います。また、地方に住む貧困層は、投票所へ行く為の交通手段もないために、投票できない場合がすくなくないので、それをロムニーは見込んでいるのかも知れません。
そのちょっと前に、もう一人の共和党大統領候補ギングリッチは、月で人が生活できるようにするという壮大な計画(夢?)をぶちまけましたが、技術的には充分可能だそうです。ただ、今のアメリカにそんな多額の費用を捻出するだけの国力がないというのは、だれの目にも明らかです。
テレビ番組でアナウンサーがNOVAの司会もしていた宇宙物理学者タイソン氏にギングリッチの月計画について質問していましたが、タイソン氏の答えはとても的を得ていました。「アメリカが月に人を送るためには、今の子供達の世代全てを科学で魅了して、沢山の素晴らしい科学者を育てる所から始めなければならない。でも今のアメリカは、日々をやり過ごすのに手一杯じゃないですか。」
アポロ計画がアメリカで成功したのは、計画発表後にアメリカの学校の科学の授業の予算を大幅に増加するところから始め、意図的に沢山の科学キッズを育て、その中でも一番優秀な子供達に奨学金を与えて科学者にした結果だそうです。税金の教育費が占める割合が年々減らされている今のアメリカには、沢山の優秀な科学者を育てる土壌などないのです。
アメリカの国会議員の平均収入は、国からの支給と個人の収入を合わせて$800,000と言われています。一般国民との収入の格差はここ数年で劇的に増加し、国民はより貧乏に、議員はより裕福になって来ているそうです。アメリカの企業は、選挙で民主党と共和党のどちらが勝利しても確実に恩恵を被る為に、双方に沢山の政治献金をしています。裕福層と企業には、アメリカ中の国会議員が代弁者になってくれるのに、一般市民には代弁者がないというのが現状です。この現実が Occupy Wall Street が発足する大きな一因となっています。
↓よかったらクリックおねがいします。 | ↓こちらのクリックもおねがいします。 |
![]() |
![]() |
0 件のコメント:
コメントを投稿