大まかに説明すると、エジプトで奴隷だったユダヤ人がモーゼに率いられてエジプトを脱出する際に、ユダヤ教の神は自分がエジプトを通り過ぎる時にエジプト人を殺すので、それを避ける為にユダヤ人は屋内に籠り、家の入り口にはユダヤ人の住居である印をつけておくように命じました。神がエジプトを通り過ぎている間にユダヤ人が急いで家庭毎に集まってとった食事が過腰祭です。
この宗教的行事をユダヤ人の家庭は何千年もの間ずっと守り続けています。このようにユダヤ教の行事は、生活のあちこちにちりばめられているために、世俗的なユダヤ人でさえ基本的に自分がユダヤ人であるという意識は強く持っています。
だからと言って、ユダヤ人の結束が一枚岩のように固いかというとそうでもなく、特にパレスチナ問題が複雑化している近年では、ユダヤ人の間に大きな溝ができています。同じ家族や親戚の間でもウェストバンク(ヨルダン川西岸地区)に対する考え方は大きく異なるので、この話題を親戚一同が集まった際に持ち出すと、必ずといって良い程、後味の悪い感情的な論争に発展してしまいます。
ウェストバンクは、国連でパレスチナ領と認められていますが、近年、かなり保守的なユダヤ人の入植者が急増している地域です。このユダヤ人の入植について、ユダヤ人の間でも奨励もしくは黙認する人と反対する人がいるのです。
アメリカに於けるユダヤ教も、一番世俗的なリフォーム、もう少し突っ込んだコンサバティブ、そして保守的なオーソドックスの3種類に別れています。3つのグループが対立しているわけではないのですが、それぞれに異なる習慣ががあるので、お互いが混じりあう事はまずありません。同じリフォーム同士でも他のアメリカのユダヤ人との連帯感は、ないように見えます。
また、かなり保守的なユダヤ人(ウルトラ・オーソドックス)の間にも溝があるようです。アメリカからイスラエルに移民した保守的なグループに属するユダヤ人が、既にイスラエルに住んでいる更に保守的なグループのユダヤ人から差別を受けているというのも最近報道されて知られるようになりました。
パレスチナ問題に関しては、皆とても強い意見を持っています。個人的な私の意見もありますが、それを持ち出すと夫を含め、親戚の人とも、他の全ての人とも収拾がつかない不毛の言い争いになってしまうので、一切を口にしない事が最善の策であるというのを苦い経験から学びました。
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