2012年3月24日

アメリカ人の顔に書いてある

アメリカ人には、分かりやすい人が多いと思います。こういう人かなと思ったら、やっぱりそういう人だったという事が多く、少々拍子抜けしてしまいます。例えば、初対面でとても良い人そうだけれど、本当に信頼できるのか迷っているとします。もう少し相手を良く知るようになって、やはり最初に感じたように信頼できる人だったと確信するケースが殆どです。怪しそうな人も結構一目見て分かるので、危険そうな人には近寄らないようにするというのも、あまり難しい事ではありません。

稀に、どうもよく分からない人々もいます。いい人なのか、騙そうとしているのか、それとも裏があるのか… なかなか腹の内が読めない人には、当然ながら注意が必用です。とても複雑な人もいるし、隠れたアジェンダを持っている人もいます。 

多くのアメリカ人の顔には、どういう人なのかあたかも書いてあるようなのです。あまり裏表がなく、こちら側が相手の本心を読もうとする努力をしなくても良いというのは、最初のうちはびっくりしましたが、却って気が楽です。英語で open book という表現がありますが、これは文字通り開いた本、秘密がなく全てが簡単に読まれてしまうような人を指します。そこまで単純な人はさすがにあまりいませんが、アメリカ人の人となりを察するのは比較的簡単です。

私自身も日本人ですが、日本人は本当に腹の底が読めない人が多いと思います。殆どの人は、表面上はそつがなく礼儀正しいのですが、本当は何を考えているのか明かさない複雑な人が多いのです。知り合って長々と会話が弾んで意気投合したのかと思ったのに、後日メールを出しても全く返事がなかったりすると、アメリカ人は困惑してしまうのです。おそらく、意気投合したと思っていたのはアメリカ人だけで、日本人はただ合わせていただけなんでしょうが、その辺をアメリカ人に読めと言っても無理です。

アメリカ人のビジネスマンは、日本人とのコミュニケーションの難しさを痛い程良く知っています。数回の話し合いを重ねて、お互いに合意が得られたと思ったら、実は日本側は不満だらけで話が決別し、わざわざ日本まで出かけて行った時間と苦労は一体何だったんだろうと後味の悪い思いだけが残ってしまいます。

もしかしたら、相手の心理を読みあうのが日本流、自分の心理を分かりやすく伝えるのがアメリカ流なのかもしれません。

アメリカ人でも、幼い子どもはまだ相手に自分の言いたい事を伝える事に長けていないので、大人がそれを察しないとかんしゃくを起こす事があります。そういう場合に大人は、子どもに自分の言いたい事は言葉にして現さないと誰も理解できない事を教えます。私の夫が息子に向かって "I am not a psychic. I don't understand if you don't speak what you want." 「お父さんは超能力者じゃないんだから、何が欲しいか言ってくれないとわからないよ。」と言うのを何度も聞いた事があります。

日本人だって、自分の意見を持っていないわけではありません。ただ自己表現をする人よりも他人に合わせる人が好まれがちな日本社会では、自分の意見はずっと人目に触れないようにしてあるだけです。アメリカでは、その大切に閉まってある自分の意見を持ち出さなければなりません。言わなければ、誰にも聞こえません。

いつも黙って聞いている人から、自分の意見が言えるまでになるのには訓練も必用ですが、自分の外側と内側が一致すれば、精神的なストレスも軽減されます。元々、相手を観察して理解するという術に優れている日本人が、自己表現の方法をマスターすれば、コミュニケーションの達人になれると思います。



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