2012年3月10日

蛇口の怪

日本では、蛇口をひねる方向も、蓋を開ける方向も、全て反時計回りで統一されています。それが普通だとずっと思っていました。ところがアメリカでは、蛇口をひねる方向が統一されていません。

例えば我が家の洗面所の蛇口は、右側が冷水で左側が温水が出るようになっていますが、水を出す時に冷水は反時計回りに、温水は時計回りにひねるのです。時には、冷水温水両方時計回りにひねるように取り付けられている場合もあり、それが一軒の家の中でもバラバラです。大した事ではないのですが、他人の家やホテル等で顔に洗顔料が目一杯付いている時に、水温を調節しようと思っても、どちら側に回せば暖かくなるのか冷たくなるのか分からないというのは、ちょっと不便です。

どうして蛇口をひねる方向が統一されていないのか、日本で生まれ育った私には理解し難いのですが、これにはアメリカ国民の合意性のなさ、良く言えば多様性、悪く言えばルーズな一面が現れているのだろうと思います。

日本人は、粒ぞろいです。おそらくこれは、標準教育レベルの高さと義務感や責任感の強さから来るのだろうと思います。電車も時間通りに来るし、テレビで音声が一時途絶えるような放送事故が合った場合には、ニュースにさえなるし、全てがとてもキッチリとしています。でも、日本以外で同様な事が期待できる国というのは、まずないと思います。

多民族国家であるアメリカには、実に様々な人がいます。言葉も宗教もそれぞれの常識も違うアメリカで、お互いの意思疎通をする為にはありとあらゆるコミュニケーションの方法を取ってだめ押しをするしかありません。大切な事柄は、お互いに会って口頭で意思を確認しあうのはもちろんの事、それをメールで送って文章としての痕跡を残し、更には電話も一本いれて念を押すようにしています。面倒くさいですが、それを怠って痛い目に合った事も何回かあるので、注意するようにしています。それでもたまに失敗はします。

ところで私の住んでいるアパートは、全ての鍵が逆さに取り付けられています。つまり、鍵の切り込みを上にしないと鍵穴に入らないのです。さすがに、これはアメリカでも特異なようで、他の家では見た事がありません。何か呪術的な意味合いでもあるのか、勘ぐってしまいます。

自分では普通だと思う事は、実は普通ではないのです。世の中には様々な人がいて、常識なんていうものは、自分の中だけにしか存在しないのかも知れません。



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