2012年5月3日

日米の経済

先日、日米首相会談がホワイトハウスでしめやかに行われたようです。最近5年間で6人目の首相ということで、アメリカ政府も野田首相がいつまでもつのか皆目見当がつかないようで、いま重要な交渉をしても半年後に首相が交代したら、全てが振り出しに戻る可能性もあり困惑していると各メディアは伝えています。

ラジオを聞いていたら、かなり興味深い日本に関するレポートがあったので、ついつい聞き入ってしまいました。Japan: Over the hill? というタイトルはつけられていたものの、レポートの内容は日本の経済はなかなか健全であるというものです。日本はGDPこそ下がりましたが、一人当たりのGDPは下がっておらず、実際に日本人の生活を見る限り、困窮しているようには見えないと説明していました。私も日本からのニュースを見る限り、あれこれと物を買う多くの日本人の生活には余裕さえ見られると思っています。貧困家庭が急増しているアメリカとは大違いです。

ラジオのショーではその理由を、経済のシステムにあげていました。日本の経済のシステムは規制が沢山あり、アメリカのように規制をことごとく取り払った経済とは対局にあります。そのために西欧諸国は日本の経済を常々快く思っておらず、その成功を認めたくないのだと言っていました。

興味深い事に、現在西欧諸国が抱えている不況は、本来必要であった規制まで取り払ってしまった結果、引き起こされたものです。アメリカでは、更に規制を取り払うべきだと主張する政治家がまだ沢山いるのは驚くべき事実ですが、規制というのは経済の健全な成長には必要なものなのだとやっと理解できたアメリカ人もいるはずです。もしかしたら、これから日本式の経済が世界で注目を浴びるようになるのかも知れません。

日本人のなかには、日本はアメリカの子分で全て言う事を聞いていると思う人もいると思います。でも実際にアメリカに住んで、その政治経済を目の当たりにすると、アメリカは思い通りにならない日本に対して歯ぎしりをしているのが見えます。1940年代50年代にはかなり強かったアメリカの影響力も、今ではかなり薄いのです。中東も、イラクも、アフガニスタンも、アメリカが当初思い描いたようには事が運んでいません。

貿易交渉になると、いつも規制を撤廃しろと詰め寄るアメリカになかなか話を合わせない日本。牛肉をもっと日本に輸出しようとしても、アメリカ産の牛肉を嫌う日本人。異なる文化が交流するのですから、そこで様々な問題が持ち上がるのは当然なのです。



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