2012年6月20日

アジア系移民の増加

アメリカでは、今移民に関する2つのニュースが関心を集めています。一つはオバマ大統領が発表した勅令です。両親によって子供の頃に違法にアメリカに連れて来られた、現在30才以下の移民に労働許可を与えるというもの。もう一つは、アジア系移民がヒスパニック系にとって変わって、アメリカの新移民の最多数派になったというニュースです。

一つ目の大統領の勅令のニュースは、多くの若いヒスパニック系違法移民に当てはまります。より良い生活と子供の将来の為に、違法にアメリカへ入国したメキシコや南米からの移民は多く、そのアメリカで育った子供達が大学を出て就職しようとしても、ソーシャルセキュリティー番号がない為に仕事につけないでいます。大統領選挙が年末に控えている為、この勅令はヒスパニック系の票集めではないかとの批判もあります。

ヒスパニック系移民は以前程増加していません。移民法が厳しくなった事と、アメリカの景気が悪いために自国へ自発的に帰る移民も多く、メキシコとの国境を超える人の出入りは、去年同数になったというニュースもしばらく前にありました。

一方、アジア系移民の増加は、アメリカにいれば誰でも感じます。アジア系移民は、英語が話せない人もいて労賃も安く、2〜3の仕事を掛け持ちしなければならない人も多いのですが、子供に勉強を強く奨励するのが特徴で、奨学金で有名大学に入れてしまう事も珍しくありません。ニューヨーク市立の優秀な子ばかりが受験で入るような高校には、アジア系学生の割合がかなり高くなっています。英語が話せない親達の為に、通訳のサービスを設けている高校さえあります。

ただアジア系移民と言っても、日本人は少数派で、殆どが中国人、韓国人、べトナム人などです。私もアメリカ人の目から見れば完璧な中国人で(おそらく、一部の移民の中にも、日本人も中国人の一種だと思っている人もいるはずです。)それを茶化された事も何度かあります。今までは、差別と言えば黒人とヒスパニック系のみが当てはまるような風潮がありましたが、これからはアジア系の移民への差別も差別として認識されるようになるのだろうと思います。



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