2012年7月11日

ニューヨークの日本人社会

多くの日本人が行う小規模なアメリカでのビジネスは、在米日本人を対象としています。それはそれで需要があるし、在米日本人も日本の物やサービスが必要なので、私達からすれば有り難い事ではあります。でも在米日本人の絶対数が少ない為に、全体的なパイの大きさは当然小さくなります。その中で、多くの日本人が小さいパイの一切れを得ようと必死になっているのが、ニューヨークの日本人社会だろうと思います。

在米の日系の会社の給料はかなり安い所が多く(日本でも同程度なのかは知りません)デザイナーなどは時給にして15ドル程のようです。日系の雑誌のエディターでも2万ドル程度の給料しかもらえないと聞いた事もあります。日系の会社なので、残業があるのは当然のようで、問い合わせをすると必ず残業が可能かどうか聞かれます。そんな程度の時給では到底生活して行けないのですが、それでもビザ欲しさと日本語が使える環境で働きたい気持ちから、応募者は絶えません。会社もその事情を熟知しており、応募者の足元を見ているのです。

せっかくニューヨークに住んでいるのなら、ちょっと視点を変えてみれば、もっと大きな世界が広がっているのです。在米日本人を対象にしたビジネスではなく、一般のアメリカ人を対象にできれば、パイの大きさはそれまでと比べ物にならないくらい遥かに大きくなります。ビザに関しても、現在はかなり厳しい状況ですが、求める物には与えられるのがニューヨークです。求めれば、必ず手を差し伸べてくれる人が出て来るのです。英語だって、コミュニケーション能力の高い人は、英語力があまりなくてもそれほど不自由しないというのは、いままでに何度も見て来ました。

ニューヨークに長年住んでいて困った事の一つに、日本人には中国人や韓国人のような在米日本人を対象としてサービスを行う援助団体が殆どないという事です。日系のビジネス団体や、有料のグループ、近所の日本人の主婦の集りならばいくらでもあるのですが、そうではなくて、居住者に無料で様々なアメリカのサービスを日本語で行う団体がもっと必要なのです。

おそらく、かつてのニューヨークに住んでいた日本人が裕福で援助が必要なかったため、日本人の絶対数が少ないため、(実際は日本は大きな社会福祉国家であるにも関わらず)多くの日本人は社会福祉を悪とみなしがちなために、なかなか日本語を話す日系人に対するサービスが発展しないのだろうと思います。様々な年齢や社会階級の日本人がニューヨークに来ることによって、そういう現状も変わって行くのではないかと思います。

アメリカには嫌な所も沢山あるけれど、一番良い所はだれでも受入れる懐の深さだと思います。そして、求めればかならず何かが見つかります。



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