2012年9月24日

オバマ政権の二つの地雷

アメリカの大統領選挙まであと数週間です。景気回復はまだまだ遠いものの、その兆しが見えて来たと感じる人は今までになく多いようで、それがオバマ大統領の支持率をささえてもいます。あと数週間の間不測の事態が起らない事を選挙陣営は祈っている事だろうと思います。

その間、オバマ政権には絶対に踏みたくない二つの地雷があります。イランとイスラエルの問題、そして日本と中国の問題です。どちらの問題も一方が手を出せば、地域紛争が膨れ上がる懸念があります。この二つの地域はアメリカにとって軍事的にも経済的にも重要なので、アメリカは事態を悪化させないように必死です。

どのような理由があっても、これ以上アメリカが他国の紛争に軍事介入することは、国民の猛反対を食らいます。アメリカ本土こそ戦争に巻き込まれていませんが、長年の戦争のおかげて財政赤字は膨らみ、国民は憔悴しています。それがリビアへの関与も最小限にとどめ、シリアへの出兵もない大きな理由の一つです。

アメリカには徴兵制度がありません。これ以上の容易な戦争を抑止するために、アメリカにも徴兵制度を導入すべきだとチャールズ・ランゲル下院議員は以前から繰り返し言っています。自分の子供が戦争に取られると思えば、戦争を始める前にもっとよく考えるだろうという意見です。

徴兵制度が今のアメリカにないのは、偶然ではありません。ブッシュ前大統領がイラク戦争を始める前に「この戦争はボランティアでやることが重要だ」と言っていました。兵士の数が十分ではないと最初から分かっていたのに、徴兵制度はあえて設けなかったのです。徴兵制度を設ければ、ベトナム戦争の時のような反戦運動が起る事は必至だと予測したからです。

9/11直後は沢山出た志願兵も、今では殆どないようです。一度志願すれば、人手が足りない為に3度も4度も戦場に送られてしまいます。いくら国の為とはいえ、それで身体的精神的な傷を負ったり、命を失ったりするのは割に合わないと思うのは当然です。戦闘で死亡した場合、国から支払われるのは100,000ドル(約800万円弱)なのだそうです。

イランとイスラエルの問題の方が、日本と中国の問題よりも根が深く狂気を含んでいるように思います。それでもどうにかしてアメリカは今の所イスラエルを制止しています。おそらく尖閣諸島の問題もほとぼりが冷めるのを願って日中の両国を制止し続けるのだろうと思います。

それでもアメリカが全てをコントロールできる訳ではないので、緊張した地域にいる一人の人間が誤って引き金を引いてしまえば、事態は収拾がつかなくなってしまう可能性があります。実際に歴史上の多くの戦争は、そうやって始まっています。イランもイスラエルも日本も中国も賢くあって欲しいと願っています。



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