2012年8月25日

大雑把にまとめたアメリカ政治と大統領選挙

アメリカの政治にあまり馴染みがない方の為に、簡単に説明すると、オバマ大統領は民主党 (Democrats) 選出の大統領です。今年末で4年間の一期目の任期を終え、二期目で最後の再選を目指します。それを阻もうとしているのが来週の共和党大会で正式に共和党 (Republicans) の大統領候補として選出される予定のロムニー前マサチューセッツ州知事です。アメリカは二大政党制が定着している為に、ロス・ペロー氏のように全くの無所属 (Independent) で立候補する人もいますが、いくらお金があっても巨大な政党の後ろ盾なしに大統領に選ばれる事はまず不可能なようです。

政党が二つしかないと、その中でも異なる意見を持つ議員が出てくる事は当たり前のようで、民主党も共和党も右派から中道、左派まで様々です。オバマ大統領は民主党中道、ジョー・バイデン副大統領は民主党左派よりの中道、ヒラリー・クリントン外務大臣は民主党左派のタカ派、そしてポール・ライアン共和党副大統領候補は極右というのが一般的な認識だろうと思います。問題はロムニー共和党大統領候補で、マサチューセッツ州知事をしていた時には明らかに左派だったのですが、最近は党内の右派からの支持を求めてどんどん右傾化した意見を述べています。結局いったいどれが本当のロムニーなのかはっきりせず、それが彼の弱点の一つともなっています。

それでも民主党と共和党の基本的なものの見方の差異というのははっきりとしていて、有権者はその指針に従って自分を共和党であるとか民主党であるとか認識するのですが、なかなか決められない人も当然います。大雑把に箇条書きすると、民主党と共和党の違いは以下のようになります。

民主党
  • アメリカに住む全ての人は医療保険を持つべきである
  • 金融業界、証券業界には規制が必要である
  • 年収が極端に高い裕福層にはもっと税率を高くして税収をあげるべきである(現在、投資による所得にかかる税金は15%程なのに対し、賃金にかかる税金は35%程なので、アメリカの税金は日本のような累進式にはなっていない)
  • 景気回復の為には公的資金注入を積極的に行う
  • 国の発展のためには社会福祉(教育、年金、失業保険、医療、生活保護その他を含む)の充実は欠かせない
  • 財政再建の為には所得税増税はやむを得ない(特に高所得層への課税率は中所得者層よりも低くなっているのが現実なので、是正すべきである)
  • 避妊薬の費用は医療保険でまかなわれるべきである

共和党
  • 医療保険を全ての人に課するのは憲法で補償された自由に反する
  • 金融業界、証券業界の規制はさらに撤廃すべきである
  • 雇用を作り出す為には、高所得層への税率は低くすべきである
  • どんな事があっても増税をしてはならない(税金はできれば撤廃したほうがいい)
  • 公的資金注入は税金の無駄使いである
  • 社会福祉は国民は怠けさせるので極力なくす
  • 軍事費は国の安全保障の為に増加させる
  • 妊娠は病気ではなく、避妊はそれを意図的に回避する手段なので、その費用は医療保険が支払うべきではない
  • 政府は自由な経済活動の妨げとなるので、出来るだけ小さい方が良い


民主党と共和党を支持する人びとの数は男女比年齢グループによる内訳の差こそありますが、大体五分五分です。今年は浮動票が例年よりも少ないようで有権者の6%前後だと言われており、選挙戦に使われる1,600億円は実にこの数少ない浮動票の為にあるのだそうです。



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