2012年10月18日

人種による分離


ニューヨークは様々な人種が混在している大都会ですが、人種による住み分けが進んでいる事は以前ブログで触れた事があります。実は住み分けだけでなく、仕事分けもニューヨークには存在します。

ニューヨークに来たばかりの頃、何故ダンキン・ドーナツの店員はインド人ばかりなのか、マクドナルドの店員は黒人と南米人が多いのか、八百屋は韓国人がやっているのか、ドライクリーナーは中国人がやっているのか、ダイナーはギリシャ人がやっているのかなど、不思議に思っていました。

例えば、イタリア人がピザ屋をやっていても変だとは思わないのですが、ダンキン・ドーナツに行って、何処の店も必ず店員がインド人だと、何故だろうと思います。

他のアメリカの都市で同様の仕事分けが存在するのかどうか、ニューヨークしか知らない私には充分な知識がありません。でも人種によるステレオタイプを面白おかしく描くシンプソンズなどを見ると、セブン・イレブンはインド人がやっていたりするので、ある程度のお決まりの構図はあるように思います。

これは、商売を始めるにあたっての権利や必要なライセンスの売買が同じ人種間で行われがちだという事に由来するようです。例えば、韓国人移民が何か商売を始めたいと思った時に、一番手っ取り早いのは同じ韓国人移民が売りに出している商売を居抜きで買う事です。

同じ人種の移民同士ならば、既に確立しているルートを使って、市からの営業許可を早く下ろしてもらったり、顧客や取引業者を受け継ぐのも比較的簡単です。

必ず一番最初にある特定の業種に参入した第一号の移民がいるわけですが、多くの移民はある程度の成功をアメリカで納めると、それまでの商売を次の世代の新しい移民に譲って、自分は引退したり別のもっと大きな事業に乗り出す傾向があります。そうやって、徐々に一つの人種が一つの業種を占有していくようです。

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学生の頃、ニューヨークの墓地を回った事があります。ニューヨークでは死んでからも人種による住み分けが存在しているようで、ユダヤ人はユダヤ人の墓地、カトリックはカトリックの墓地に入っている事はもちろんの事、同じキリスト教系でもそれぞれの人種によって埋葬区域がしっかりと別れているのを見て驚きました。

ニューヨークはメルティングポットではなく、モザイクだと言う人がいますが、全くその通りです。ニューヨーカーは混じりあって均一化するのではなく、それぞれ別個の存在でありながら、社会の一端を担っているのです。



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