2012年10月1日

持てる者と持たざる者

何ヶ月か前、まだ共和党が大統領指名候補争いをしていた頃、車を運転しながらラジオから誰かが次のような事を言っているのを聞きました。
次のアメリカ大統領選挙の本当の焦点は、イデオロギーの違いでも、中絶問題でも、同性愛問題でも、外交問題でも、経済再建問題でも何でもなく、ただ単に持てる者と持たざる者の争いになる…
その時にはそうかしれないと思って聞いていましたが、いまではそうだと確信しています。1980年頃から、アメリカの中間層の所得は伸び悩み、最近では90年中頃の所得まで落ち込んでいます。失業者も相変わらず多く、不景気が長引けば長引く程持ちこたえられなくなる家庭も増えています。

それに比べて裕福層は、所得を倍増させています。アメリカの最も裕福な1%は、1979年から2011年までに所得を275%増やしています。同時期に中間層の所得の倍増は僅か18%です。

成功した人が評価されて、高い報酬を得る事に対して、アメリカ人はとても寛容なのですが、果してこれほどまで差をつけるべきなのかと思う人が増えています。

富の再分配という考え方さえアメリカ人は嫌います。一生懸命働いた高所得者の報酬を働かない人びとに分配するのは倫理的にも正しくないと考えるからです。でも、過去20年程の間、アメリカでは中間層の富が裕福層に再分配される結果となっています。

今まで雇用されていた会社から解雇された後、同じ会社から契約社員としてのオファーをもらい、今までの半分程の給料で医療保険も付いていないのに、以前と全く同じ仕事をしている人は増えているようです。損だとは分かっていても、それしかオファーがなければ甘んじて受けるしかないのです。

来週に大統領候補の討論があるので、それによって世論が少し動く事はあるとは思いますが、ロムニー候補が「持たざるものの生活を向上させてくれる」とアメリカ国民が感じる確立はかなり低いのではないかと思います。



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