2011年10月8日

日本とアメリカの教育

アメリカの新学期は9月です。息子も3年生になって1ヶ月程経ちました。幸い新しいクラスに馴染み、友達もできたようで、親としては胸をなで下ろしています。

アメリカの公立小学校の1クラスの生徒数は、地方自治体と学年によって大きく異なり、場所によっては14人ぐらいの素晴らしい所もある一方、ニューヨーク市みたいに30人程もいる所もあります。固定資産税が高い裕福な地域は、教育に充てられる税金も多く、1クラスの生徒数が少ない傾向にあるようです。

息子が小学校1年生の夏に、逗子小学校へ2週間の体験入学をさせてもらうことができました。私が通った頃とは全く違う、最新式の見違えるような学校でした。子供の日本語が心配だった私は、一日だけ授業の内容を見学させてもらいました。その時の1クラスの生徒数が約40人程でした。私が子供の頃も同じような生徒数だったと思いますが、40人の6歳児を先生が一人で指導するのは、並大抵の事ではないと思います。それでも特別にクラスの規律を乱すような子供も見当たらず、先生も上手にクラスを指導していたので、とても感心しました。アメリカ人の1年生を集めて40人クラスにしたら、完璧な地獄状態になる事は間違いありません。

息子の入ったクラスの担任をしていた先生は、かなりのベテランで生徒との信頼関係も確立されていたようで、クラス運営のツボみたいなものを心得ていたように思います。でも、それと同時に勉強の指導が必用な子供達が殆どいないというのも40人クラスが成立しうる理由なのだろうと思いました。おそらく日本では、沢山の子供達が塾へ通っているからでしょう。私も塾へ通った子供の一人なのですが、塾へ通っていると学校で初めて習う事は殆どなく、全てが簡単にできる復習でした。

アメリカには、塾というようなものが存在しません。個人で勉強を教える家庭教師のようなチューターというのはあるし、公文に通っている子供もたまにいますが、基本的に勉強は学校でするもの、毎日の宿題は親が責任を持って見てやるものと相場が決まっています。両親が働いている場合でも、親は仕事から帰った後に子供のやった宿題に毎日目を通して、間違っている所があれば、やり直させたりします。もしも悪い学区に住んでいる場合には、子供を私立の学校に入れたり、ニューヨークだと子供の学校の為に引っ越しまでする家庭も珍しくありません。子供の成績に関しては、学校と親の責任がかなり重いのです。

ついこの前、日本が教育に使っている税金の割合が先進国の中でもかなり低いというニュースがあり、私は驚きました。日本人の教育レベルがそれでも高いのは、親が子供の教育に対して高額な投資をしているからなのでしょう。つまり日本の政府は、子供にかけるべき教育の費用を一般家庭に丸投げしているのです。アメリカの教育問題は、既によく知られている所だと思いますが、日本の教育問題もかなり深刻なようです。



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