今はそびえ立つように立派な本堂が建っていますが、私が通園していた頃の本堂は、古い木造でした。たまに子供達も本堂に入って、園長先生(おそらく先々代の住職)のお話を聞く機会がありました。本堂に入る時には、礼儀正しく静かにしなければならなかったので、子供ながらに本堂が特別な場所であるという認識を持ちました。
園長先生は、おそらくありがたい話を沢山子供達にしてくれたのだろうと思いますが、残念ながら全く憶えていません。ただ、今でも記憶にあるのは、花祭りの行事と幼稚園から配布された仏教マンガです。
花祭りは、4月8日に行われるお釈迦様の誕生日を祝う行事なのですが、金属製の右手を上げた小さなお釈迦様の像の上から、園児たちが順番に一人一人柄杓で甘茶をかけるのです。多分、仏教マンガもそういうお祭りや節目の時に配布されたのだろうと思います。
マンガには、お釈迦様の誕生、出家、悟り、死について、幼稚園児でも分かるように絵と登場人物のセリフで説明がしてありました。違う内容のマンガが全部で3冊ぐらいあったと思いますが、私の妹二人も同じ幼稚園に通っていた為に、同じ仏教マンガが3部づつ家にあった事になります。それだけたくさん家にあると、嫌でも目にするし、手持ち無沙汰な時に読み返していたと思います。何度も読み返したせいか、今でもその内容を憶えています。幼少の頃の教育というのは、恐ろしいものです。
お釈迦様の母君(王妃)のマーヤ様がある日、夢の中で白い像が胎内に入る夢を見て驚き、そのすぐ後に懐妊を知り、ルピーの花園でお釈迦様が脇の下から産まれたという逸話や、どこかの森の地面に「天上天下唯我独尊」と書いてあるのを鹿、リス、鳥などの動物達が見つけ、鹿が「なんだかわからないけれど、ありがたい気持ちがしてきたよ。」と言って涙を流している、というような内容です。
小学生の頃に、そのマンガを読み返して、強烈なプロパガンダに驚愕した記憶があるので、しばらくは家にあったのでしょう。今になっては、すでに捨ててしまってあると思いますが、取っておけば良かったと後悔するような逸品でした。もう一度機会があれば、手に取ってみたいものです。
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