2011年10月22日

マッツァボールスープ

冬になると、マッツァボールスープというのをよく作ります。これは、ユダヤ料理の代表的なもので、ユダヤ人の家庭に育った人にはおなじみのスープです。マッツァという過ぎ越しの祭り(パスオーバー)の時に食べるイーストを入れない平たい、せんべいのようなパンを顆粒状にしたものから作るボール状の物をチキンスープに入れて食べるのです。文章で説明しても分かりにくいので、今日作ったスープを写真に撮りました。

ユダヤ人の家庭では、このスープは、パスオーバーの時期に食べると相場が決まっているようなのですが、息子の大好物なので、うちでは冬の間に何度も作ります。スープの素も売っているのですが、それを使うと塩辛いだけであまり美味しくないので、私はいつも鶏ガラ、セロリ、人参、玉ねぎからスープを取ります。

ユダや料理は、地域によって大きく異なるようなのですが、この他にゲフィルトフィッシュという不思議な魚のすりものを丸めたような独特な料理もパスオーバーの期間によく食べられます。これもマッツァの粉が入っているようです。売っている時に、ゼリー状のスープに入って、瓶詰めでうっているので、スーパーの店頭で見かけるとかなり不気味です。

でも、これは魚が原料だし、ピリッとしたホースラディッシュと一緒にたべるので、日本人の口には結構合うと思います。私も好きで、パスオーバーでもないのに、買って食べる事があります。

ニシンの酢漬けも私は好きなので、よく食べます。あれは本来ユダヤ料理というよりも、ヨーロッパ人の食べ物なのだろうと思いますが、アメリカではユダヤ人ぐらいしか食べないようで、コーシャー売り場に行かないと見つかりません。コストコに売っている瓶詰めが特に安くて美味しいので、私は夏でも冬でもパンに挟んで食べてしまいます。コハダの酢漬けを連想させるような味ですが、かなり甘めなのでわさび醤油には合いません。

魚系統の食べ物ばかりのようですが、鶏、七面鳥、牛などを食べる方がどちらかといえば一般的だと思います。特に牛の brisket(肩バラ肉、コーンビーフになる部分)をオーブンでじっくりと煮込んだ料理は、かなり美味しいです。

アメリカで生活していると、日本食中心の食生活は基本的に難しいので、なんでも手に入るものを普段は食べています。そのために、母親が日本人であるにも関わらず、息子の考える「おふくろの味」は上記のマッツァボールスープ等になるのだろうと思うと複雑な気分がします。



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