2011年9月30日

父の彼女

「忙しいから彼女ができないなんて言う男は、どっかおかしいんだって言われたよ。」
バツイチの友人が男友達から忠告を受けたのだそうです。そういえば、私にも思い当たる事があります。

父は現役のまま急死したので、葬儀の後の財務整理には、かなり慌ただしいものがありました。当面入っている予約などをキャンセルしなければいけないので、父が愛用していた手帳を開いて見ていると、短い日記のようなメモが細かい字で毎日書き込んでありました。大雑把だと思っていた父の意外な側面を見たような気がしました。

倒れた日には横浜崎陽軒でY高の同窓会に参加するはずで、その二日後にはゴルフに行く予定で… 10日の欄に「きょうことライオンキング」とありました。妹の一人が恭子という名なのですが、どうも変だと思ってたずねてみました。
「あんた、パパとライオンキング行くはずだったの?」
「ああ、それはパパの彼女だよ。何かのきっかけで知ったんだけど、ひらがなの『きょうこ』は彼女なんだよ。あと、もう一人女がいてさ、そっちの方は年に二回、お中元とお歳暮をちゃんとよこすから、商売人だと思うけど。」

父は、母が入院してからというもの、仕事をしながら病院にちょくちょく顔を出していて、しかも週末は朝の5時からゴルフに出かけるというハードスケジュールでした。一週間に一日ぐらい、何もしないで体を休める日でももうければ良かったのに、そういう事のできない人だったようです。しかもその上、彼女までいたとは!

腹が立つとか、母がかわいそうとか、そういう感情は不思議と出て来ませんでした。72才でそこまでできたとは、ただただ関心しました。

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